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 株式会社TBSテレビ(本社:東京都港区、代表取締役社長:龍宝正峰)が運営するCS放送「TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画」にて毎月放送中!ゴスペラーズの黒沢 薫と乃木坂46の中西アルノがMCを務める音楽番組『Spicy Sessions』(スパイシーセッションズ)。2026年4月25日(土)放送『Spicy Sessions with 鈴木愛理』の収録を、ゴスペラーズをデビュー当時からよく知り、数々のアーティストのオフィシャルライターを務める音楽ライターの伊藤亜希が取材。番組の魅力を紹介するレポートの第14弾を、MCのインタビューと合わせてお届けする。

                                                            (左から)黒沢 薫、鈴木愛理、中西アルノ

■収録レポート

 刺激的な音楽番組『Spicy Sessions』。黒沢 薫(ゴスペラーズ)と中西アルノ(乃木坂46)がMCを務めるこの番組は、ゲスト、MC、Spicy Sessionsバンドが音楽で会話する様子を届けるプログラムだ。音楽を“完成したもの”として披露するのではなく、その場で形を変えながら立ち上がっていく過程を見せていく。この番組の魅力は、歌の上手さやセッション曲のジャンルの多彩さだけではなく、セッションならではの見せ方や、斬新な解釈を受け取れる余白にある。その面白さが、SNSを中心に広がり続け、観覧募集の応募数は回を重ねるごとに増えているという。

 Spicy Sessionsバンドによるオープニングのアドリブセッションが始まる。歓声に迎えられて、黒沢と中西が登場。挨拶の後「春に聴きたくなる曲は?」と黒沢が質問。「鱗(うろこ)」(秦 基博)と答えた中西が、黒沢にも同じく問う。黒沢は「森山直太朗くんの「さくら(独唱)」。ファルセットってこういう使い方もあるんだなと。しばらく真似していました(笑)」と会場を笑わせた。すると突然、バンドが「Happy Birthday to You」を演奏し始める。曲に合わせてステージのライティングもカラフルに。誕生日を迎えた黒沢(4月3日)、中西(3月17日)へのサプライズだ。観客も一緒に歌い、MC2人の誕生日を祝った。スペシャルなケーキがステージへと運び込まれる。「ここで(サプライズが)来るとはまったく想像してなかった」と黒沢。MCのツーショット写真が使われたケーキのデコレーションを見て、嬉しそうな表情の中西。スタッフが記念撮影をしようとすると、「ここで!?」と黒沢と中西が口を揃えた。誕生日サプライズも今回で3回目だ。サプライズに対する言葉まで息ぴったりな2人の様子に、番組が紡いできた時間が滲んだ。

 4月放送分、第26回目のゲストは鈴木愛理。幼少期から歌とダンスに夢中になり、「ハロー!プロジェクト・キッズ」のオーディションに合格した彼女は、℃-ute、Buono!、そしてソロ歌手へと歩みを進めてきた。グループ時代から歌唱力に定評があり、近年は、様々なアーティストとのコラボも話題になっている。鈴木が「収録では初めて歌う」と紹介し、オリジナル曲の「嘘だよ」を披露。間奏中も表情を微細に変えて、歌詞の世界を表現。歌唱後、中西は興奮気味に「いきなりクライマックスでした」と感想を述べた。「ずっとゲストに呼びたかった」と思いを吐露した黒沢。中西は鈴木との共演について、「嬉しいです。伝説のアイドルなので、まぶしくて!光が強ければ影も濃くなるので…」と、中西が自身を影に例えると、「何言ってるの!」と鈴木が即座に否定。鈴木は中西の歌唱をよく観ていると話し、宇多田ヒカルを歌う中西を「大好物だった」と表現した後、「……なんか、(歌との)ギャップが?」と一言。黒沢が「この番組ではアルノさんのギャップはないことになってるんで」と切り返す。笑う観客。会場全体が、リラックスした空気になっていく。このフラットな状態が、セッションを存分に楽しむための一つの肝だ。フラットな状態であるからこそ、聴き手に余裕が生まれ、セッションならではの面白さ、斬新さ、楽曲に対する解釈を受け取る余白が広がる。特にこの半年、黒沢は観客をリラックスさせるようなトークをしているように思う。今回の冒頭のトークでは、そのスタンスが明確に出ていたが、セットチェンジの間も「楽しんでますか?」や「大丈夫?(ステージ側が客席を)置いてきぼりにしてない?」と、常に客席に向けて声をかけている。黒沢の言葉で、観客のムードがふわっと柔らかくなる瞬間が何度もあった。

4月放送回のゲストは鈴木愛理「嘘だよ」鈴木愛理

 鈴木が自身のルーツの中から、中西とセッションしたいと選んだ曲はBoAの「NO.1」。中西が「リズムが独特で難しい曲。ハロプロ育ちのビート感に食らいついていきたい」と意気込む。鈴木と中西で歌割りの相談が始まる。一方、黒沢はバンドメンバーとアレンジについて話している。バンドマスターの佐藤雄大(Key.)に「雄大の好きなヒットがたくさん入ってるよね」と言えば、佐藤が“オーケストラヒット”の音色を鳴らす。黒沢とバンドメンバーたちが“それそれ!”と反応するように笑顔を見せる。ステージ中央では、鈴木が中西にダンスのレクチャーをしている。「ついていきます」と中西。そして本番。黒沢が「参加したいくらい良い演奏」と評したセッションの模様をぜひ放送でチェックしてほしい。

 鈴木のデビュー以降のルーツ、音楽リスナーとしての変遷を掘り下げたトークのあと、次の曲へ。鈴木が大ファンだというback numberの「瞬き」を黒沢とセッションすることに。歌割りを決めていく鈴木と黒沢。「フェイクのところ、やります?」と黒沢が鈴木に言葉を投げる。「はい」と鈴木。2人でハモってみることに。終わった瞬間、鈴木が「波動、波動が…!」と黒沢の歌声に驚く。観客も同じことを思ったのだろうか。鈴木の言葉に頷いていた。黒沢は「ファルセットの切り替えを同じにしないと、全然(曲の)感じが出ない。しかもブレスがない」と、難易度の高さを具体的に言葉にする。歌うために曲を聴きこみ、自分の中で楽曲の解像度を上げる。スキルの選択肢も豊富にある。だからこそ、黒沢というボーカリストは、多彩なゲスト陣を主役にすることができるのだ。ベルとストリングスが印象的なアレンジを、Spicy Sessionsバンドは4ピースバージョンに再構築。歌唱後、客席から大きな拍手が起こった。「黒沢さんにコーラスを入れていただいて、傘を差してもらっている気持ちになりました」と鈴木。中西は「2人の歌の説得力がすごくて。人の心を救ってくれるような歌だった」とコメントした。

鈴木愛理の音楽的ルーツを深掘りセッション前に打ち合わせ

「NO.1」鈴木×中西「瞬き」鈴木×黒沢

          

 続いては、鈴木が「アルノちゃんのこういう姿を観てみたい」という理由で、乃木坂46の「せっかちなかたつむり」を選曲。中西について「(メンバーの中でも)カッコいい側」と分析しつつ「可愛い曲も観たかったので」と鈴木。中西も「歌ったこと、ないんです。でも可愛い系の曲も好きなんですよ!“初せっかち”です」と笑顔を見せる。「この番組でやることか分からないんですけど」と鈴木が前置きをして、乃木坂46のライブで見られる、ファンからの“コール”をお客さんにリクエスト。客席に向かってコールのレクチャーをする中西。さらに鈴木と振り付けの練習も。歌い出した2人の姿が、観るものを晴れやかな気持ちにしていく。アイドルは人を元気にする存在であること、そして改めて鈴木と中西の振り幅の広さに驚いた。曲中のコールがばっちり揃って、黒沢が笑みを浮かべていたこと、“タン、タタン”というリズムに合わせて、バンドメンバーが軽くジャンプをしていたところも見逃せないポイントだ。まさにスタジオにいた全員で作った『Spicy Sessions』の“超絶かわいい”新たな刺激だった。

鈴木に振り付けをレクチャーする中西「せっかちなかたつむり」鈴木×中西

 ラストは、黒沢のソロ歌唱。今の世界情勢に触れ「この曲のメッセージが響く。言葉じゃなくて歌で届けたいと思った」と、藤井風の「帰ろう」を。ステージをブルーのライトが彩る。冒頭からしばらくはアカペラで魅せる。コントラバスも登場したバンドサウンドが、しっかりと黒沢の歌声を活かす。ステージ上で聴き入っていた中西は、黒沢が歌い終えると「黒沢さん節がありつつも、新しい黒沢さんがいて。いつも(歌を)更新していっているんだなって。もっともっと今の曲も歌っていただきたい」と気持ちを言葉にした。黒沢も「令和の歌い回しとか、アルノさんの歌い回しを参考にしています」と返す。ソロ歌唱の中でも、気持ちと番組の歴史がセッションとして響いていた。

 楽曲が再解釈されること、バンドがその場で翻訳すること、そしてサプライズや失敗すらも魅力として残すこと。そのすべてが重なり合うことで、音楽が“作品”ではなく、その場で“生き物”として立ち上がる。しかも、二度と同じ音にはならない。この一回性こそが、『Spicy Sessions』の価値であり、私たちを魅了する楽しさなのだ。

「帰ろう」黒沢 薫

■MCインタビュ―

収録後、黒沢 薫と中西アルノに話を聞いた。

――鈴木愛理さんと中西アルノさんが並んでいる姿を見て、アイドルって人を元気にするなって改めて思いました。

黒沢:そう。僕も元気になりました。すごいなと思いながら観てました。

中西:私も、鈴木愛理さんの隣に立って、めちゃめちゃ元気をもらいました。

――BoAさんの「NO.1」の歌割りを鈴木さんと2人で決めていましたが、どんな会話をしていたんですか?

中西:愛理さん、私の歌をすごく聴いてくれていたり、いろいろ観てくださっているみたいで、「アルノちゃんの声で、ここを歌ってるのを聴きたい」って言ってくださって。歌割りも、私に振っていただいたり。それがすごく嬉しかったですし、まさか鈴木愛理さんの元に、自分の歌が届いているなんて、という驚きも大きかったです。

黒沢:「NO.1」は、やったらハマるかなとは思ってたんですが、自分の予想を超えたハマり具合だった。

――「せっかちなかたつむり」を歌う前に、鈴木さんが「アルノちゃんはいつもカッコいい感じだから、可愛いアルノちゃんを観たい」って分析していましたね。

黒沢:そこ、僕も面白いなと思って聞いてた。本当そう、って思いながら。「せっかちなかたつむり」は、本当にね……こう……可愛いが渋滞している感じすごく良かったですよね。実は「NO.1」の方がハモりが少ない。「せっかちなかたつむり」の方がハモってるんだよね。

中西:そうなんです。その面白さ、ありました!

黒沢:「NO.1」は、ハモるよりもユニゾンの強さ、ユニゾンの良さが活かせる曲。たとえば、複雑なハーモニーをつけてしまうと、楽曲が持っているスピード感が落ちちゃうなと思ったんです。だから、パーンって歌った方がいいなと思った……って言いながら、僕が特別そういうことを言ったわけじゃなくてね。2人で話してそうなったんですよ。フェイクとリードが並走していく感じが、横で聴いていて気持ち良かった。

中西:愛理さんの力強さもある歌声に引っ張っていただきましたし、フェイクも……こう……歌いながら「そこを頼んだぞ」みたいな、託されたように感じて。実際に言葉は交わしてないんですけど、歌っている中でそういう言葉を交わすような瞬間があって、すごく特別だなと思いました。

――ありがとうございます。「せっかちなかたつむり」のトークの際に、中西さんが「歌ってみたかった」って仰っていたじゃないですか。

中西:はい(笑)。

――他にもそういう曲はありますか?

中西:乃木坂46ではあるあるというか。もっとかっこいい曲をやってみたいって子もいれば、私みたいに可愛い曲を歌いたいって思う子もいる。自分がずっとやってみたかった曲を歌えるタイミングって、すごく貴重なんですよね。

黒沢:乃木坂 46っていうグループの楽曲だもんね。曲調やリードボーカルを急に変えたりはできないし。

中西:やりたいなぁって思っていた曲が歌えたってこともそうですし、それ以上に、まさかあの鈴木愛理さんにそれを叶えていただけるなんて!今日は本当に嬉しかったですね。

黒沢:鈴木愛理さんとアルノさんがあの曲を歌うっていうのは、本当にレアだと思う。誰もが知っている超有名曲ではないっていうところも含めて、めっちゃレア。

――黒沢さんのソロ歌唱は、藤井風さんの「帰ろう」でしたね。

黒沢:今回、僕が選んだんです。アルノさんが結構前から、僕が歌う最近の曲を聴きたいって言ってくれていて。で、令和にヒットした曲で、自分の中で無理なくしっかり歌える曲かなと思って「帰ろう」を選んだんですよ。

――無理なくしっかり歌えるというのは、歌詞も含めて、違和感なく歌えるっていう感覚ですか?

黒沢:そうですね。メッセージ性にも共感できて、崩しすぎないけど、ちゃんと自分の歌にできる曲っていうところ。

――なるほど。客席で聴いていて、藤井風さんの姿が微塵も見えてこなかったんですよね。

黒沢:そんなことないでしょ。(中西に向かって)いたよね?

中西:そうですね、私は、いたなと思いました。でもチラッくらいで。藤井風さんの歌い方って、言葉にできないけど、やっぱり唯一無二なんですよね。どうしても真似っぽくなりがちなところを、藤井さんのエッセンスを残したまま、ちゃんと黒沢さん節、みたいな。ニュアンスを残すことで、より黒沢さん節が輝くというか。

たとえば、フレーズの歌い出しの置き方とかのニュアンスは原曲らしい雰囲気だと思ったんですけど、でも、声は黒沢さんの声で。すごいなぁ、カバーってこういうことかって思いました。

――中西さんの耳と分析力、すごいですね!今のお話を聞いて、実は私、興奮してるんです。自分はまだまだだと思いました。

黒沢:(笑)ほんっとすごいよね。今のは、本当に嬉しい言葉でした。ニュアンスをそのままやっちゃうと、歌真似になる。だからその辺をどれくらいまで、うまく取るかが重要で。あと「帰ろう」に関しては、本当に今の世情の中で、この歌詞は響くなっていうのがあった。実際、僕自身にも響いたしね。すごくいい歌詞だと思ったから。

――確かに、黒沢さんが歌う前に仰ったことで、歌詞の解釈が違ってきました。

黒沢:元々は、別れの曲なんだけど、それがもうちょっと大きいことを歌っているような曲になるっていうかね。だからあえて少しテンポを落としたりとか、アカペラで歌うパートを長くしたりとか。

――これだけ長くアカペラでやるってことは、何か意図があるんだろうなと思いながら聴いていました。

黒沢:そうそう。ソロでアカペラって、いろいろ自分の癖が出ちゃう場合もあるから、自分の中では結構挑戦だったんですよ。

中西:素敵でした。言葉が本当に伝わってきて。

黒沢:だったら良かった!その方が伝わると思って、アカペラのパートを長くしたんですよね。

――では最後に。スタッフのみなさんからの誕生日サプライズについての感想を。

黒沢:サプライズがだんだん……手が込んできてますね(笑)。

中西:本当に(笑)。まさか番組の収録中に入ってくるとは。しかも頭に。

黒沢:あれはまったく予想してなかったよね。

中西:素敵なケーキもいただいて。本当にありがとうございます。

黒沢・中西:美味しかった~!

■放送情報

<放送日時>

『Spicy Sessions with 鈴木愛理』

2026年4月25日(土)午後11時30分〜深夜0時30分

<放送チャンネル>

CS放送TBSチャンネル1

<番組ホームページ>

https://www.tbs.co.jp/tbs-ch/series/yRNA2/

<公式SNS>

X:https://x.com/SSessions_tbsch

Instagram:https://www.instagram.com/spicysessions/

推奨ハッシュタグ #SpicySessions

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