Search for:

「Buddiesのみんな、準備はいい?」これは、昨年8月に大阪・京セラドームにて開催された「5th TOUR 2025 “Addiction”」ツアーファイナル公演で、櫻坂46のキャプテン・松田里奈が放った言葉である。それは「ドーム公演を成功させたあと、その先に新たな夢が待っているというのか」と多くのBuddies(櫻坂46のファンネーム)を奮い立たせた言葉だった。そして時は経ち、櫻坂46はMUFGスタジアム(国立競技場)という大きなステージでのライブの開催を発表。そのニュースは多くの人々を驚かせた。

そして、櫻坂46が立ったステージは、単なる通過点ではなく、これまでの葛藤と進化を刻み込む「現在地の証明」だった。4月11日、12日の2日間にわたって開催された「5th YEAR ANNIVERSARY LIVE」は、グループの歩みと未来を同時に照らし出す、濃密な一夜となった。OTOTOYでは、そのDAY2の模様をレポートする。

影ナレはキャプテン松田と、前日に副キャプテンへの就任が発表された山﨑天が担当。「国立!盛り上がっていくぞ!」という言葉を合図に、会場が大きな盛り上がりの炎に包まれた。そして「Overture」が鳴り響くと、巨大なスタジアムの空気が一気に引き締まっていく。まずは藤吉夏鈴がステージに立ち、メンバー全員が横一列に並び立つと、会場からは割れんばかりの拍手が鳴り響いた。

ライブの幕開けを飾ったのは、「The growing up train」。そのタイトルどおり、走り続けてきたこれまでの歴史を象徴するような疾走感で観客を引き込んでいく。ライブはさらに、森田ひかるのライブ配信の映像が無数にスクリーンに投影され「承認欲求」へと続き、国立競技場がペンライトの赤色に染まった。さらに櫻坂46は「自業自得」と、グループの現在を示すようなアグレッシヴなナンバーを立て続けに投下。普段はクールな山下瞳月が見せる不敵な笑みには、人を一気に惹きつける魔力がある。これは「ただの記念ライブではない」という強い意思を突きつけてくるような序盤ブロックだった。

最初のMCを挟み、ここからは櫻坂46の多面性が際立つブロックへ。まずは、4期生が櫻坂46のフラッグを元気いっぱいしゃかりきに振り回して登場すると、それからメンバーが会場の花道に繰り出し、「コンビナート」をパフォーマンス。ペンライトのオレンジ色に染まった客席にファンサを振り撒くと、「ドローン旋回中」で会場の熱気を一段階上げる。「櫻坂46は5歳の誕生日を迎えました!ということはBuddiesのみなさんも5歳です!」という田村保乃のパンチラインに一気にノックアウトされてしまった。

「陽」の空気感を全開にしたかと思えば、今度は高速のドラムン・ベースのビートが響く「キスが苦い」でステージに巻き起こる炎に負けないエネルギーで熱気を上げると、今度は14thシングルのBACKSメンバーが妖しげな空気感をまとった「ドライフルーツ」で繊細な感情の揺らぎを丁寧に描写。櫻坂46というグループのパフォーマンスは、この国立競技場という巨大なスタジアムでも、存分にその「強さ」を発揮していた。

ライブはここで、2期生楽曲「青空が見えるまで」へ。エモーショナルなパフォーマンスが、観る者の心を強く揺さぶった。櫻坂46にとって2期生は、まさに「太陽」であり、「希望」であり、「光」のような存在である。彼女たちがいなければ、グループがここまで大きくなることはなかっただろうし、伝説を築いた1期生が全員卒業したあとも、不安を感じさせなかったのは2期生の存在があったからにほかならない。そんな彼女たちが描き出す「青空」は、これからのグループにとっても大きな指針となっていくはずだと感じた。

続く「桜月」では、屋外ならではの開放感と呼応するようにして、楽曲のエモーショナルな広がりが際立つ。観客の感情をゆっくりと解きほぐしていくような時間が流れていった。そして、3期生・小島凪紗によるピアノのイントロから、ライブは「マモリビト」を4期生がパフォーマンス。この曲は元々は3期生の楽曲であるが、不安や葛藤を抱えながらも、明るい希望をもって前に進む強さは、櫻坂46というグループの大きな幹であり、その象徴とも言える楽曲だ。最若手である4期生が歌い継ぐことには、大きな意味がある。さらに4期生は「光源」をパフォーマンス。夜の闇に一際輝く、櫻坂46の4期生という「光源」には、グループの「未来」を象徴するような側面が浮かび上がっていた。

それとは対照的に、3期生全員で披露された「静寂の暴力」では、ペンライトの灯りが一斉に消え、「夜の静寂」が生み出す張り詰めた緊張感がスタジアム全体を包み込んだ。スタジアムをここまで異様な空気感に包み込むことができるのは、まさに櫻坂46だからこそ生み出せるもの。静寂のなか、手を繋ぎ、彼女たちとBuddiesだけの世界を作り出したその光景は、この日のハイライトのひとつだ。

さらに、櫻坂46のライブの醍醐味がダンストラックだ。ここでスクリーンに映し出されたのは、「CHOREOGRAPHY DANCE TRACK BY YUI TAKEMOTO」の文字。激しいストンプのビートが会場に鳴り響くなか、先日卒業を発表した武元唯衣が完成させたダンスで、圧巻のグルーヴを生み出していく。やがてドローンが「ADDICTION」の文字を描き出し、その流れで披露された「Addiction」で一気に感情が解き放たれた。観る者の内面を揺さぶる、見事な構成だった。

後半に入ると、ライブのギアはさらに上がる。「なぜ 恋をして来なかったんだろう」、「何歳の頃に戻りたいのか?」、「マンホールの蓋の上」といったキラー・チューンを連発。Buddiesたちと作り上げる、魂の叫びがスタジアムを沸かした。「五月雨よ」では、センターを務める山﨑天がソロで歌い上げる演出がひときわ印象的だった。ペンライトがグリーン一色に染まる会場に、そのまっすぐな歌声が響き渡る。その歌声は、これまでの過去も引き継いで、櫻坂46の新たな物語を紡ぐかのようだった。

ライブはここで、誰もが知る「ハッピーバースデー」のメロディーが徐々に不穏に変わり、「Unhappy birthday 構文」をパフォーマンス。国立競技場に炎を灯し、センターの村井優を中心とする、圧巻のパフォーマンスで魅せた。「摩擦係数」では再び鋭利なエッジで会場をぶち上げると、この日誕生日を迎えた谷口愛季をセンターに据えた「I will be」で未来への決意を提示した。

そしてクライマックス。「BAN」で一気にボルテージの上がった会場に響いたのは、「Start over!」のイントロのスラップ・ベースだ。ここでは、Buddiesがジャンプする場面が定番だが、しかし国立競技場ではジャンピング行為が禁止。そのせいかBuddiesたちの、魂のジャンプの地鳴りが聞こえてくるような空気が充満していた。楽曲の終盤には、藤吉夏鈴がセンターステージでひとり、火花の舞い散る中、ソロダンスを披露。まるで鬼神のようなパフォーマンスに会場全体が一気に息を呑む瞬間だった。

本編最後に披露されたのは、メンバー全員による、櫻坂46というグループのはじまりの曲「Nobody’s fault」。荘厳なアレンジで生まれ変わったこの曲は、この5年間のある種の集大成であり、そしてまた新たな「はじまり」の予感を、これ以上ない形で感じさせた。

アンコールでは「Alter ego」からスタートし、「夏の近道」で、爽やかな風をスタジアムに吹き込んでいく。さらに「ねえねえBuddiesぅー?私たちはぁーBuddiesのこと大好きなんだけどぉー?この好き好き同士って何て言うんだっけー?」という山﨑副キャプテンのぶりっ子芸から、ディスコ・チューン「それが愛なのね」へ。アイドルのキラキラとして輝きを全開に、スタジアムを多幸感で包み込んだ。

この日2つめのMCゾーンでは、谷口愛季の誕生日を「ハッピーバースデー」の歌(不穏ではない)でお祝いする流れに、これまでにない大人数でのお祝いに谷口も喜びを隠せない様子だった。

ここで森田ひかるがマイクを握り、「Nobody’s fault」への想いを静かに語り始める。

「5年前、どういうグループになっていくかわからないタイミングに、2つの道があったと思うんです。全部壊してしまうこともできたけど、
この景色を左目で見たときに初めて『再生』を選んでよかったと思った」

グループの未来が見えないなかでも、センターとして立ち続けてきた森田。その言葉には、舵を切った者としての責任、迷いを悟らせない信念、そしてすべてを正解へと変えてみせるという覚悟が滲んでいた。そしてこの日の「Nobody’s fault」には、これまでの歩みのすべてが重なっていたのだと思う。そして、その積み重ねが、いま確かに報われた瞬間だった。細部の機微をすべて理解できなくとも、それでも信じてきてよかった。そう感じさせる、強い説得力がそこにはあった。

ラストソングは「櫻坂の詩」。葉桜へと移ろう季節のなか、国立競技場に、櫻ピンクのペンライトが光輝き、満開の櫻が咲き誇っていた。
終盤、キャプテンの松田里奈は「櫻坂46は夢をひとつに絞るのではなく、メンバーそれぞれの夢とBuddiesの夢の両方を叶えられるグループでありたい」と語り、「多くのアイドルの中から櫻坂46に出会い、好きになってくれたことは奇跡」とファンへの感謝を伝えた。さらに「櫻坂46を応援していることを誇りに思ってもらえるよう、必ず皆さんを幸せにします。6年目の櫻坂46もどうぞよろしくお願いします」とが、力強いメッセージを発信した。

5周年という節目にして、彼女たちはさらなる「最高到達点」へとたどり着いた。これまでの自分たちを更新し続ける姿勢を、これでもかと見せつけたライブだったと言えるだろう。前に進む強さこそが、櫻坂46の本質なのだ。この夜、国立競技場に鳴り響いたのは、変化し続ける者だけが放つことのできる、確かな「意志の音」だった。

取材&文 : ニシダケン

M0. :Overture
M1:The growing up train
M2:承認欲求
M3:自業自得
M4:コンビナート 〜 ドローン旋回中
M5:キスが苦い
M6:ドライフルーツ
M7:青空が見えるまで
M8:桜月
M9:マモリビト
M10:光源
M11:静寂の暴力
M12:Addiction
M13:なぜ 恋をして来なかったんだろう?
M14:何歳の頃に戻りたいのか?
M15:マンホールの蓋の上
M16:五月雨よ
M17:Unhappy birthday構文
M18:摩擦係数
M19:I will be
M20:BAN
M21:Start over!
M22:Nobody’s fault
EN1:Alter ego 〜 夏の近道 〜 それが愛なのね
EN2:櫻坂の詩

「14th Single BACKS LIVE!!」
2026年5月12日(火)・13日(水) 千葉県・幕張イベントホール
※武元唯衣 卒業セレモニーは5月13日(水)に実施

「SAKURAZAKA46 四期生LIVE」
2026年6月2日(火)・3日(水) 
千葉県・LaLa arena TOKYO-BAY

『The growing up train (Special Edition)』
https://ototoy.jp/_/default/p/3498471

■櫻坂46 OFFICIAL WEBSITE
https://sakurazaka46.com/
■櫻坂46 OFFICIAL X
@sakurazaka46
■櫻坂46 OFFICIAL YouTube CHANNEL
https://www.youtube.com/@sakurazaka46SMEJ
https://www.youtube.com/@sakurazakachannel
■櫻坂46 OFFICIAL TikTok
http://www.tiktok.com/@sakurazaka46.officialtk
■櫻坂46 OFFICIAL Instagram
https://www.instagram.com/sakurazaka46jp/
https://www.instagram.com/sakurazaka46_info_official/

Write A Comment