髪はなぜ変わるのか? エイジングのメカニズムをおさらい
年齢を重ねるにつれ、誰もがふと気づく変化のひとつが「髪」だろう。ケラスターゼのグローバル・プロフェッショナル・アンバサダーであり、パリ6区に高級ヘアサロン「Hovig Etoyan Paris」を構えるホヴィッグ・エトヤン氏は、こう語る。「“もう昔のような髪ではない”——そんな声を、サロンでは毎日のように耳にします」
若いころ、私たちの髪はもっとも健やかな状態にある。一本一本の太さは十分で、頭皮の皮脂分泌もバランスよく保たれている。しかし、時の経過とともに髪は静かに変化していく。
「コラーゲンやエラスチンの生成は次第に減少します。頭皮は薄くなり、柔軟性を失っていく。毛根は萎縮し、髪は細くなり、成長スピードも鈍化。結果として、抜けやすくなってしまうのです。さらに皮脂分泌の低下により、頭皮乾燥して髪はツヤを失い、まとまりにくくパサつきやすくなります」
こうした髪のエイジングサインにどう向き合えばいいのか。エトヤン氏は、日々のケアの積み重ねこそが大切だと語る。具体的には、毎日の頭皮用美容液の使用に加え、就寝前には洗い流さないナイトトリートメントを。そして、週に一度のヘアマスクを習慣にすることを推奨する。
「これらを取り入れることで、切れ毛は確実に減少します。さらに、髪が伸びなくなった、あるいはどんどん細くなっているといった感覚も、やわらいでいくはずです」
鍵は腸にある! 食事と習慣が導く髪の未来
髪の老化が映し出しているのは、単なる外見の変化だけではない。「髪は、自身の生物学的状態を映し出す“窓”であり、体内で起きていることを可視化する鏡なのです」と語るのは、生物学者であり神経科学者でもあるエミリー・スタインバック博士。Instagramでは@TheBrainGutScientistとして知られ、フランスでベストセラーとなった著書『Your Optimal Health』の著者でもある。
「老化は全身に及ぶプロセスです。その生物学的メカニズムは、神経細胞や心筋細胞、さらには毛根に至るまで、さまざまな組織において共通しています」と、指摘する。
