リュウノスケオカザキ(RYUNOSUKEOKAZAKI)のコレクション「005」が、2026年3月20日(金)、東京・代々木にて発表された。
個々の内面に宿る「祈り」
2022年に発表したコレクション「001」以来、約4年ぶりにランウェイショーを開催したリュウノスケオカザキ。「005」とナンバリングされた今回のコレクションは、継続するテーマである「祈り」を軸に据えながらも、より個々の内面に宿る感情へと焦点を移した。能動的な祈りではなく、内にとどまる祈りのかたちに目を向け、刻々と移ろう人間の感情をすくい取るようにウェアへと落とし込んだ。
まず目に留まるのは、ブランドを象徴する彫刻的なドレス。半円状のパーツが着用者の身体を起点に縦横無尽に広がるダイナミックな造形が印象的だ。内面にある複雑な感情の動きを可視化するかのようなフォルムを描き出していた。
それらの構築的なドレスが逆説的に浮かび上がらせるのは、タイトなシルエットのベロアドレスやドレープを効かせたサテンドレスといった比較的ミニマルなウェア。袖が大きく横に張り出したトップスや、身体から離れるように立体的なカーブを描くスカートなど、リアルクローズに通じるフォルムにリュウノスケオカザキならではの違和感を織り込むことで、人間の内面に根付く常識や既成概念に揺さぶりをかけている。
人間の営みを表現したファブリック
また、デザイナーの岡﨑龍之祐が、人間の営みに思索を巡らせる中で着目したのが、自然界の造形を人の手で再現する「模倣」という行為そのもの。ショーには、レオパードプリントのスカートや、パイソン柄をまとわせたベアトップドレスといった動物由来のパターンを用いたウェアに加え、フェイクレザーのバッグやシューズが登場し、「模倣」に対する岡崎の思索が反映されていた。
対照的に、スカートにあしらわれたタータンチェックや構築的なボトムスのオンブレチェック、ドレスを構成するストライプといったパターンは、コミュニティやヒエラルキーへの帰属意識など、人間の意識そのものを想起させる。これらは社会の中で無意識に繰り返される「模倣」の構造をも示唆しているかのようだ。
また、ファーストルックのドレスにも用いられたノスタルジックなローズモチーフのファブリックは、当初、岡崎の興味を引くものではなかったという。しかし、あえてその直感に抗い、予定調和ではない偶発性を取り込むことで、人間の感情を表現する試みへと昇華した。




