エマ・ストーン(『ブゴニア』で主演女優賞ノミネート)、ウンミ・モサク(『罪人たち』で助演女優賞ノミネート)、チェイス・インフィニティ(作品賞に輝いた『ワン・バトル・アフター・アナザー』に出演)はいずれもルイ・ヴィトンを着用していたが、大胆な色使いへのこだわりから、90年代風のシンプルさまで、それぞれが自分の強みを引き出すデザインをアトリエに依頼していた。
長らく“ネイキッドドレス”のファンであるテヤナ・テイラー(『ワン・バトル・アフター・アナザー』で助演女優賞ノミネート)は、透け感のある素材に星のような装飾をあしらい、豪華なフェザースカートを組み合わせたシャネルのルックを披露した。そして厳密にはレッドカーペットには登場していないものの、ゼンデイヤ(プレゼンターを務めた)のサプライズともいえるルイ・ヴィトンのドレスも特筆に値する。
以下で、米版『マリ・クレール』が選ぶ2026年アカデミー賞レッドカーペットのベストドレッサー12人を紹介する。ここに予想外の勝者はいなかった。注目していた人なら、彼女たちがこのリストに名を連ねることはわかっていたはずだ。
テヤナ・テイラー/シャネル
CHANEL
テヤナ・テイラーは、『ワン・バトル・アフター・アナザー』の賞レースを通じて、レッドカーペットでのスタイルをレベルアップさせてきた。この夜、彼女は米版『マリ・クレール』のSlackチャンネル全体をくぎ付けにするようなルックを披露した。
彼女にとって初となるシャネルのクリエイティブ・ディレクター、マチュー・ブレイジーによるレッドカーペットドレスで、テイラーはハリウッド最大の祭典のために、最も伝統的なファッションハウスでさえも、そのコードを再構築できることを証明した。フェザーやパールやクリスタルのきらめきのアクセントはクラシックなシャネルらしさを感じさせるが、それらをセミシアーなボディスと巨大なフェザースカートに組み合わせたデザインは、まさに2026年的だ。18カラット以上のダイヤモンドをあしらったティファニーのネックレスは、レッドカーペットのシャンパンゴールド色の背景ボードをしのぐほどの輝きを加えていた。
ローズ・バーン/ディオール
Dior
ローズ・バーン(『If I Had Legs I’d Kick You[原題]』で主演女優賞ノミネート)はアカデミー賞に先がけて行われた2026年アクター賞を前に、レッドカーペットでのあらゆる装いで追い求めてきた感情は「エレガンス」だと米版『マリ・クレール』に語っていた。彼女はこのディオールのストラップレスドレスでそれを体現した。ケイト・ヤングのスタイリングによるルックで、髪をタイトにまとめたシニヨンにし、ディオール ビューティのメイクは大胆な赤いリップだけにとどめたのは、コルセットとスカート全体に咲きほこるビーズの花々へ視線を引きつけるためでもある。
新クリエイティブ・ディレクター、ジョナサン・アンダーソンによるディオールのレッドカーペットルックの多くは、彼のランウェイコレクションのアレンジが含まれている。パリ・ファッションウィークでは、2026-27年秋冬コレクションとして、睡蓮や軽やかな花を特徴とするラインアップが発表された。ローズがレッドカーペットに登場したとき、それらのモチーフがすぐに想起された。同時に、それはローズにとって初となるオスカー候補入りを祝して、ジョナサン・アンダーソンが花を贈っているようにも見えた。
ジェシー・バックリー/シャネル
CHANEL
一見すると、ジェシー・バックリーのベストドレッサー入りは、議論を呼びそうな色の組み合わせに関する見事なレッスンのようだ。リップスティックのような赤のサテンと芍薬(しゃくやく)のようなライトピンクのシフォンは一見すると意外な組み合わせだが、彼女のシャネルのオフショルダードレスはそれを自然に見せている(シャネルのシューズ、シャネルのハイ&ファインジュエリーを着用。メイクもシャネル)。
しかしこのルックは単に第一印象のためだけのものではなく、リサーチに基づいている。主演女優賞受賞に先立ち、ジェシーはスクリーン上の伝説の人物にインスピレーションを得て装いを選んだ。彼女とスタイリストのダニエル・ゴールドバーグは、このカスタムドレスで1956年のアカデミー賞でグレース・ケリーがまとったドレスにオマージュをささげているのだ。
チェイス・インフィニティ/ルイ・ヴィトン
Louis Vuitton
チェイス・インフィニティは今年、オスカーのレッドカーペットデビューを果たしただけでなく、作品賞にノミネートされていた(そして受賞)『ワン・バトル・アフター・アナザー』が彼女にとって初の映画であることをつい忘れがちだ。しかしチェイスとスタイリングデュオのウェイマン・アンド・ミカは、熟練チームのように次々とレッドカーペットをこなしてきた。
シーズンを通して、チェイスはさまざまなルイ・ヴィトンのカスタムドレスを着用してきた。そのシリーズは今夜のルックで頂点に達した。コルセット仕様でラベンダー色、スカート部分の左側にウォーターフォールフリルがほどこされたホルターネックドレスだ。デ・ビアス・ロンドンのチョーカーが、若々しさと華やかさを同時にキープしている。この夜、彼女自身はノミネートされてはいなかったが、このルックが輝かしいレッドカーペットキャリアの始まりであることに疑いはない。
デミ・ムーア/グッチ
フェザーは2026年オスカーのレッドカーペットにおける大きなトレンドの一つとなった。デミ・ムーアはその先陣を切り、グッチのカスタムドレスでフォトコールに登場した。スタイリストのブラッド・ゴレスキーによれば、デミはアカデミー賞授賞式のプレゼンターとして、「芸術作品」のような気分を味わいたいと望んでいたという。あごに触れるほどの漆黒のフェザーとエメラルドグリーンの繊細なきらめきの組み合わせで、その目標は達成されたと言えるだろう。
ウンミ・モサク/ルイ・ヴィトン
Louis Vuitton
妊娠9か月で2026年オスカーのレッドカーペットに登場?『罪人たち』のスター、ナイジェリア出身の英国人俳優ウンミ・モサクはそれを難なくこなしてみせた。ルイ・ヴィトンがマーメイドグリーンのドレスを提供し、デヴィッド・ユーマンがジュエリーを用意し、スタイリストのシャミーラ・ヒックスがすべてを完璧に仕立て上げることで、ウンミは自身のノミネートを祝うと同時に、マタニティスタイルのまったく新しい側面を示した。「私はこれまでファッション業界からかなり排除されていると感じてきました。今回は初めて本当に受け入れられている気分です」と、彼女は米版『マリ・クレール』の連載「The Close-Up」の独占インタビューで語っている。
ウンミは賞シーズンを通じて、ナイジェリアのデザイナーともルイ・ヴィトンのようなメゾンともタッグを組んできた。この夜は、自身のルーツに着想を得た精巧なアップヘアスタイルで、ナイジェリア系コミュニティに敬意を表した(メイクはルイ・ヴィトンのビューティ・コレクション)。
アン・ハサウェイ/ヴァレンティノ
VALENTINO
アナ・ウィンターは、2026年オスカーでアン・ハサウェイと並んで衣装デザイン賞を発表した際、アンが着用していたドレスについてコメントを控えた(『プラダを着た悪魔』の鬼編集長ミランダのモデルと言われるアナ・ウィンターは、アンとともにプレゼンターとしてステージに登場した際、彼女の質問をスルーするという、イメージ通りの態度を示して、話題を呼んだ)。『マリ・クレール』は喜んでその役を引き受けよう。
アンはヴァレンティノの全面フローラルドレス(2026年春夏オートクチュールコレクション「スペキュラ ムンディ」)で巧みに、『プラダを着た悪魔』での自身の役アンディ・サックスを彷彿とさせた。この映画を暗記していない人にとっても、それは作品の最も有名なセリフの一つ(ミランダがアンディに向かって発した、「春に花柄? 革新的ね」という嫌み)への明確な言及であり、「春の花柄」が決して「革新的」ではないことを改めて示している。しかしアカデミー賞授賞式において、花はレッドカーペットの季節に欠かせない必需品であることを、アンとブルガリのハイジュエリーが証明した。
オードリー・ヌナ/トム・ブラウン
『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』のスター、オードリー・ヌナは、個人的な思い入れから賞シーズンを通じてトム・ブラウンを着用してきた。彼女の祖父は衣料メーカーであり、トム・ブラウンはその顧客の一つだったのだ。現在、彼女は家族のファッションにおける遺産に敬意を表しつつ、トム・ブラウンのこれまでで最も意外性のあるデザインを披露している。
このブランドはプレッピーなジャケットや赤・白・グレー・ネイビーの配色で知られており、トロンプルイユのドレスから最近のアシックスとのコラボスニーカーにまでおよんでいる。しかし2026年オスカー、最終的に『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』が長編アニメーション賞を受賞する場では、何か型破りなものが求められた。そこで劇中のK-POPグループ、ハントリックスが歌う主題歌『Golden』の歌唱を務めるオードリーは、ボディスで黄金に輝くスパンコールがボリュームのあるブラックのスカートへと流れ落ちるようなデザインに挑んだ。この場合、見事に常識をくつがえすということに成功している。
エマ・ストーン/ルイ・ヴィトン
Louis Vuitton
どの授賞式でも確実なことが一つある。エマ・ストーンとスタイリストのペトラ・フラナリーが、カスタムのルイ・ヴィトンのルックを披露するということだ。私たちはエマが着用することはわかっているが、そのデュオによる仕上がりまでは必ずしも予測できない。2026年のオスカーで『ブゴニア』のスターであるエマのドレスは、歓迎すべきミニマルな路線への変更だった。半袖で、パイエット(平たいスパンコール)に覆われ、背中は完全に開いている。米メディア『E! News』によれば、完成までに600時間の手作業が費やされたこのエンパイアカットのドレスは、レポシのダイヤモンドによって、さらに輝きを増していた。見ての通りだ。控えめな美しさをたたえた、まさに一つの芸術作品である。
エル・ファニング/ジバンシィ
エル・ファニング(『センチメンタル・バリュー』で助演女優賞にノミネート、作品は国際長編映画賞を受賞)は、2度目が最良であることの証明している。2026年のオスカーは彼女にとってまだ2度目であり、昨年のデビュー(『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』のキャストとして出席)以上に記憶に残るジバンシィのカスタムドレスを披露した。再びスタイリストのサマンサ・マクミレンとジバンシィのクリエイティブ・ディレクター、サラ・バートンと協働し、エルは文字通り、あらゆる意味でプリンセスドレスといえる一着を選んだ。ボリュームのあるスカートから、手作業でほどこされた藤の花びらのディテール、そして1903年頃のカルティエのジュエリーに至るまで、彼女はまるでレッドカーペットの王族のようだった。
オデッサ・アザイオン/ヴァレンティノ
Louis Vuitton
オデッサ・アザイオンは、『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』のプロモーション期間を通して、アルマーニからこの夜のヴァレンティノに至るまで、あえてラフさを残したクチュールスタイルを選んできた。彼女は、天体を思わせる装飾が施された、スタッズ付きの袖がアクセントになるジャケットで、2026年オスカーのレッドカーペットにボヘミアンな感覚をもたらした(ヴァレンティノ2026年春夏オートクチュールコレクション「スペキュラ ムンディ」のルック)。仕上げは? 彼女は『E! News』に対し、パンドラの重ね付けネックレスを「さらっと身につける」ことがこのルックに不可欠だったと語っている。
ゼンデイヤ/ルイ・ヴィトン
Louis Vuitton
ここ数年、授賞式に遅れて登場するセレブはカイリー・ジェンナー(恋人のティモシー・シャラメとレッドカーペットは一緒には歩かず、会場で合流している)だけだ。しかし第98回アカデミー賞授賞式では、「最もファッショナブルに遅れて登場」の称号はゼンデイヤに与えられた。
スタイリストのロウ・ローチが彼女の到着を予告した後、ゼンデイヤはルイ・ヴィトンのカスタムドレスをまとって、全米4月公開の映画『The Drama(原題)』で共演したロバート・パティンソンとともに、監督賞のプレゼンターを務めた。最近続いていたブライダルホワイトのドレス(極秘で結婚式を挙げたと報じられているゼンデイヤは、このところ立て続けに白をまとってイベントに出席している)の流れからは離れて、チョコレートブラウンのミニマルなドレスを選択。アシンメトリーなワンショルダーとヒップに沿うドレープが特徴的な一着だ。シンプルでエレガント、遅れての登場も納得させるだけの完成度だった。
※( )内編集部注
translation & adaptation: Akiko Eguchi
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