【冤罪】一枚の「嘘の写真」で全てを奪われた人気タレント。引退から大学教授へと上り詰めた大逆転の人生。
倉田まり子、一枚の写真に関係がなかったことは証明された。しかし芸能界は、それより先に終わっていた名刺が一枚あった。「キャリアカウンセラー坪田まり子」と書かれていた。「倉田まり子」という名前は、もうどこにもなかった。1979年、「恋はAmiAmi」でデビューした。歌手として、女優として、声優として活躍した。CMでも人気を博した。1985年、一枚の写真が週刊誌に掲載された。彼女ではなく、第三者が逮捕された事件の写真だった。しかし彼女の名前がその事件と結びつけられた。事実無根だった。疑惑は最終的に晴れた。しかし「晴れた」という事実は、世間には「疑惑があった」という記憶ほど広まらなかった。芸能活動を続けることができなかった。引退した。その後、彼女は動き続けた。国際法律事務所の秘書になった。資格試験予備校の執行役員になった。大学院で学び直した。キャリアカウンセラーの資格を取った。大学の教員になった。「倉田まり子」は消えた。しかし「坪田まり子」は、次の世代の迷える人たちの前に立ち続けている。一枚の写真が奪ったものと、一枚の名刺が作り出したものの重さを、彼女だけが知っている。
