フランス・ドローム地方に拠点を置くTERRA PROVENCEは、オーガニック認証を取得した精油やプラントウォーター、植物油などを手がける原料メーカーだ。2026年より、ネオネクリエーションが日本・韓国・台湾においてTERRA PROVENCE製品の独占販売を担うこととなった。
植物由来の自然な香りと高品質な原料を生かした製品は、日本市場におけるオーガニックフレグランスの価値を高め、存在感を増していきそうだ。
フランス南東部、ラベンダーの名産地として知られるドローム・プロヴァンサル地方に拠点を置くTERRA PROVENCEは、豊かな自然環境と地域の伝統に根ざした原料づくりを行うオーガニック原料メーカーだ。全製品にオーガニック認証を取得でき、「100%ピュア&ナチュラル」という厳格な品質基準を掲げる同社は、世界中の高品質志向の顧客から高い信頼を得ている。
創業者ハンス=ウルリッヒ・ヴェンツラーは、1970年代後半にバロニ地方へ移住し、現地の生産者と深い友情を築きながら芳香・薬用植物の採取や蒸留に携わった。1989年には「Wentzler」として事業化し、世界各地で現地生産者との信頼関係を築きながら、品質と持続可能性を追求する企業理念を形成していった。
こうした理念のもと、2011年には、先駆的なオーガニック企業としてTERRA PROVENCEを創設する。「TERRA PROVENCE」という社名には、ラテン語で「大地」を意味するTerraと、地域への敬意を示すProvenceが込められている。
現在の代表であるヴィクトワール・エラン氏は、農業工学と薬用植物に精通し、海外での豊富なフィールド経験を有する。2019年にTERRA PROVENCEに入社し、2020年9月より経営を継承。現在は社内の技術力と生産体制の強化を推進している。抽出室、浸漬室、分析・研究開発ラボを完備し、徹底した品質管理体制を構築しているほか、近年はオーガニック・ハイドロソル専用の無菌ろ過(0.2μ)装置を設置したクリーンルームを新設するなど、最新設備への投資も進めている。
同社の製品は多岐にわたる。主力の「エッセンシャルオイル(精油)」は、プロヴァンス地方で栽培されたラベンダーやローズマリーなどの植物を水蒸気蒸留法で抽出。植物本来の薬効成分と香りを凝縮しており、アロマセラピーや香水、医薬品原料として最適といえる。
「アブソリュート」は、ローズやジャスミンなどの繊細な花から溶剤抽出により得られる高濃度の香料成分で、高級香水や化粧品に用いられる調合香料の素材となる。「プラントウォーター」は蒸留する際に得られる副産物で微量の精油成分を含み、マイルドな香りが特徴だ。TERRA PROVENCEのプラントウォーターは芳香成分を多く含んでいる。
また、同社はエッセンシャルオイルを幅広く展開しており、ネオネクリエーションと連携して複数のオーガニックオイルを組み合わせてナチュラルフレグランスを作ることが可能だ。さらに、エッセンシャルオイルから単離した分子を用いて特定の香りを強化することで、より理想的な香りに仕上げることもできる。
2026年からは、日本市場においてもTERRA PROVENCEの製品が本格展開される。ネオネクリエーション(竹内昭夫代表取締役社長)は、同社との独占販売契約を結び、日本・韓国・台湾に向けて製品の販売を開始した。
合成香料は、コストや効率を優先するあまり、天然由来のアコードを軽視した設計がなされてきた側面がある。一方、植物由来のナチュラル・オーガニックな香りは、「素材(例えば水)に香料を添加する」という発想とは本質的に異なり、植物が育つ過程で水とともに蓄えてきた芳香成分が、穏やかに立ち上がり、無理なく人や空間になじむ点が特徴的だ。竹内社長は、これを「自然が水に託して連れてきた香り」と表現する。
「日本は自然に恵まれた国であり、オーガニックを訴求したフレグランスへの需要は今後さらに高まっていくと考えられる」(竹内社長)
また、訪日観光客が増加していることを踏まえ、「日本で感じた自然の香りを、フレグランスを通して再び楽しんでほしい」と述べ、日本市場におけるオーガニックフレグランスの価値向上に期待を寄せた。
