2010年代のアイドルシーンで活躍し、同じ群馬県出身でもある和田彩花と木村ミサ(「KAWAII LAB.」総合プロデューサー)が初対面。グループ卒業後のセカンドキャリアは違えど、それぞれが過去の経験から得た問題意識を現在の活動に反映させている。
【写真】FRUITS ZIPPERやCANDY TUNEを手がけた木村ミサ
3月9日発売予定の和田彩花の著書『アイドルになってよかったと言いたい』に収録するふたりの対談から、一部を特別公開。女性アイドルの魅力を広げる“美意識”について語る。
髪型もメイクも、“健康的”に意思決定してほしい
──最近は女性アイドルグループの同性ファンが増えたことで、異性ファンの目線を気にしすぎることなく、メンバー自身も自分の好きなものを追求できるようになりました。ただ、長くアイドル活動をされていた方から、「“こうあるべき”という型にハマり続けていたことで、解放されると逆に好きだったものを思い出すのが大変だった」というお話を聞いたことがあります。
和田 わかります……。私も現役時代、妹から「そのメイクはヤバい」ってよく言われていたんですよ。その年代の流行を知っている妹から外の価値観を教えてもらうことで、型にハマらないでいられた気がします。
木村 たしかに、私もよくほかのグループからうらやましがられました。髪を染めるのもメイクもネイルも自由。事務所がネイルサロンとマツエクサロンも経営していて。
私がプロデュースしているグループの子たちも、基本自由です。髪型も定期的に変えていい期間を設けて、それぞれ希望をヒアリングしています。髪型の系統が被らないようにバランスは考えますが、第3希望まで聞いて希望を叶えるように。
グループによって好みが違うのがおもしろくて、CANDY TUNEは髪を下ろした大人っぽいスタイルを好む子が多いですが、SWEET STEADYはツインテールが人気でした。現在は、それぞれのグループのイメージに近い髪型にしています。
和田 振り分けるのは大変そうですが、みんな自分に似合うスタイルがわかっているんですね。
木村 ちょっと語弊がないよう伝えたいんですが、ツインテールをやりたくなる心情として、ファンの方の声を大切にしているからなんです。本人にどうしてその髪型にしたいのか聞くと「ファンの人が喜んでくれるから」と答える。
和田 ああー……。
木村 もちろんファンの意見は大切にしてますが、もっと健康的に意思決定してほしいので、「ファンの人が喜んでくれるから」という理由だけに寄りすぎないように、「等身大でいいよ」と伝えています。
和田 若い子だとまだ価値観が定まっていないのかもしれないですね。自分を持つってやっぱりすごく難しいことだから、経験を積んだり意識的になったりしないと持てないものだと思います。
木村 20代以降になると自分らしさが見えてきて、自分の“かわいい”像をより持っているように感じます。でも、若いころは自分に似合うものを模索している段階でもあるし、アイドルの“こうあるべき”を素直に受け入れちゃうことも。
なので、一緒に可能性を広げてあげることはプロデュース側として大事なことだと思っています。自分だけだと限界があるので、この間はヘアメイクさんに来ていただいて、KAWAII LAB.の研修生たちにいろんなヘアメイクをしてもらって、どんなメイクや髪型が似合うのか見つける時間を作ったんです。
プロと研究すると、意外な魅力が見つかってすごく盛り上がりました。正解を決めてしまいがちなので、ほかの人に褒めてもらって、自分で自分の魅力に気づくって大切だと思います。
