映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』が現在公開中だ。本作は2021年に公開された『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』に続く全3部作の第2章の位置付けで、主人公のハサウェイ・ノアが反地球連邦政府運動「マフティー」のリーダーであるマフティー・ナビーユ・エリンとして本格的に行動を開始していくも、その選択の重さや過去のトラウマに囚われて苦悩していくさまが描かれる。
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予知に近い洞察力を示す謎の美少女ギギ・アンダルシア、地球連邦軍大佐のケネス・スレッグといった登場人物たちのドラマも重厚に描かれていくが、ケネスが送り込んだ新型モビルスーツ・ペーネロペーの開発パイロットであるレーン・エイムは、第2章『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』では急造された練習機TX-ff104 アリュゼウスに搭乗する。
本記事では、レーン役の斉藤壮馬にインタビューを実施。レーンとハサウェイの関係性や自身の役作りに関する内容をお届けする。
——本作を拝見して驚いたことのひとつが、レーンの搭乗機体が前作で搭乗したペーネロペーではなく、新機体のアリュゼウスということでした。そこも含めた本作におけるレーンの立ち位置など、台本をお読みになってどのような印象を持たれましたか?
斉藤:原作小説をどのように映像化されたのかは、僕も台本をいただくまでは当然知らなかったので、素直に今回はこのような物語の構成になったのだなと思いました。
レーンのような立ち位置の人がいることによって、ハサウェイ・ノアという人間の不完全さと言いますか、妙に達観しているような老獪さもありつつ幼さも兼ね備えているような部分との対比関係が生まれているのかなと感じました。
——レーンは「マフティーが観光地にいるわけないだろうっ!」と、ケネスに対する反抗的な意味合いもあるセリフが印象的でしたが、ハサウェイやギギ、ケネスといったメインの登場人物と対比しても、作中で一番素直な人ではないかと思いました。
斉藤:そうですね。レーンは青臭くて真っ直ぐで、まだ夢や理想を信じているような人ですが、第1章から第2章を経ての変化が彼の中であるとするならば、第1章でハサウェイと対峙して敗北したことで、理想と現実の違いについて考えを抱いたのではないかと。
——本作は「大人なガンダム」であることを意識して作られているように感じましたが、その大人との対比として、レーンはちゃんと子どもであるという。
斉藤:「大人な世界」に直面しても、自分はそうはならないぞという「理想の世界」を抱いていると言いますか。現実と理想を対比したときに、レーンも現実に気づき始めているけれど、計算や打算で動いているような大人たちにはなりたくはない。
夢物語だとしても、理想を選び取りたいという青さみたいなものは、レーンという人の変化であり、第1章から通じて共通する部分であると思いました。
——レーンの役作りとしては、第1章での演技をベースにされていたのでしょうか。
斉藤:そうですね、第1章の収録時に音響スタッフの方からもし別の作品の世界線だったらレーンが主人公であってもおかしくないイメージで、青二才のような若武者のような感じで演じてくださいと言われていました。
第2章では出番自体は少ないのですが、彼は彼自身の物語の主人公だと思っている気はしますので、そこは第1章と同じニュアンスが出ていればいいなと思って演じていました。
——レーンを演じられた立場から見た、本作の主人公のハサウェイの姿はいかがでしたか?
斉藤:言い方が難しいのですが、100%共感できないという人物でもなくて……。彼自身いろいろな物事を背負わされ過ぎている部分もあって、引くに引けない状態になっているのかなと。外的要因によって彼が狂気に落とし込まれている部分もあるのですが、狂気の淵に歩んでいかざるを得ないということを、自ら選んでいるような側面もあって。
ですが、レーン・エイムの声を担当しているものとして、レーン的には(ハサウェイの心情や考え方は)まったく理解できないことだろうと考えました。
——本作のエンディング主題歌が、Guns N’ Roses(ガンズ・アンド・ローゼズ)の「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」ということも話題を呼んでいます。レーンとハサウェイのシーンを観て聴くと、作品のムードと歌詞がこんなにもリンクするのかと、驚きました。
斉藤:僕も映画を拝見するまで(エンディング主題歌がガンズであると)まったく存じ上げなかったので、アクセル・ローズっぽい声だなという印象で、「もしや?」と思いました。
歌詞が新訳されていることで、原曲のニュアンスにプラスして『閃光のハサウェイ』という作品に非常にマッチしていると感じましたね。「僕たちはどこへ行くんだ」ということは、みんなが感じたのではないでしょうか。
——観客はもちろん、ハサウェイたちも感じているでしょうね。
斉藤:第2章として完結もしつつ、次にも繋がっている絶妙な曲のチョイスだったのではないかと感じます。
レーンとハサウェイのシーンは、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』における見せ場のひとつとなる。ぜひ劇場に足を運び、その目で確かめてみてほしい。
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取材・テキスト/kato
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