Aile The Shotaの2ndアルバム『REAL POP 2』が完成した。昨年は春夏秋冬をテーマにした楽曲を各シーズンごとに発表。それらは彼のルーツにある平成J-POP/アイドルポップスの系譜を継ぐものであったが、Aile The Shotaのアイデンティティとはそれだけではない。アルバムにはAile The Shotaならではの手法でダンスミュージック、R&B、ヒップホップなどを昇華したオルタナティブなJ-POPが、既発曲とともに並んでいる。
【写真】Aile The Shota
インタビューとは時に、アーティスト自身の中でまだ言語化できていない思考や感情を整理する役目があるが、このインタビューはまさに彼自身の中でまだ言葉になりきっていないことも含めて紡いでくれたものになった。デビュー5年目、所属事務所のBMSGが設立6年目を迎えた今、Aile The Shotaにとって「譲れないもの」「信じたいもの」と「譲っていいもの」「ラフでいいもの」とは何か。なぜ『REAL POP 2』にこの11曲が並んだのか。そして、これからAile The Shotaはどこへ向かうのか。今回もここにAile The Shotaの歩みを残すとともに、それらを感じ取ってもらえるテキストになっていると思う。
ー『REAL POP 2』、Shotaさんがメンタルヘルシーでいられていることが伝わってくるアルバムだなと思いました。
ああ嬉しい。多分、ヘルシーな印象を担っているのは去年後半に直感的に作った曲たちだと思っていて。「開花宣言」「ShyなBaby」「りんごじゅーす」「キセキセツ」とかのポジティブ感が、逆に「月見想」を際立たせてくれているなと思います。希望と絶望のバランスを作れたことはよかったです。
ー「月見想」はプライベートのことで病んでいた時の自分をリアルにアウトプットした曲で、そこにはそれ特有の美しさが宿っていて。私が感じたメンタルヘルシーというのは、アーティストとしてやりたいことをやれているんだろうな、という意味で。
音楽性が幅広い中でもAile The Shotaを確立できているかなとは思いました。「向日葵花火」「月見想」「ハナユキ」のJ-POPこってりな曲と、僕のシグネチャーであるダンサブルなポップスを並べた時に、ちゃんとまとまっているということも含めて、Aile The Shotaのポップスをより太く確立していっている感じはありますね。
ー一生懸命守り抜くべきところと、肩の力を抜いていいところのバランスを掴めてきたようにも見えるというか。そういう意味でも、メンタルヘルシーさを感じました。曲順もいいですよね。春から冬までの四季を表現している曲順でありながら、サウンド的に「レイドバック」「月見想」「Fantasize」みたいな3曲が並ぶアルバム、他になかなかないなと思いました。
並べ方も大事にしましたね。ジャンルを飛び越える時のバトンパスを大事にしたかったので、最初に「開花宣言」「SAKURA」があって、シティポップ感もある「ShyなBaby」からトラップソウルの「ENOSHIMA ORANGE BLUE」で「向日葵花火」のJ-POPな歌イントロにパスする。そこからローファイビートに近い「レイドバック」で、テンション的にナチュラルに「月見想」につなげていく。徐々にギアを上げていく感じで、テンション的にはナチュラルにつながるけどサウンドはガラッと変わる「Fantasize」から、またトラップソウルの「りんごじゅーす」を挟んで「ハナユキ」という王道J-POPをやって、そのあと4つ打ちUKガラージの「キセキセツ」で締める。前作よりバリエーション豊かで、ドラマチックになった気がします。
ー1stアルバム『REAL POP』リリース時のインタビューで「Aile The ShotaにとってREAL、本質的とは何か?」と訊いた際、「大衆に媚びない。自分自身が好きな自分でいることを怠らない。深いところまで掘り下げることを怠らない。迎合しない。『求められているから』というきっかけで物事を作らない。理由や意義に向き合い続ける。好きなことを純度100でやる」と答えてくれていましたけど、その答えを見つけるまでの道のりが『REAL POP』だとしたら、その確信を持ちながら制作できたのが『REAL POP 2』なんじゃないかなと思いました。
そうだと思います。やっぱり「本質を大衆に」というのは揺るがないテーマだなって思います。ファンタジーを描いている曲もあるけど、それも自分から見えるファンタジーでしかないので、それも含めて『REAL POP』だなって。だからタイトルも『REAL POP 2』にしました。
