昨シーズンが新生ジョゼフの意思表明であったとすれば、2026-27年秋冬はブランドの今後の展望を堂々と示すコレクションだ。私は真っ先に、何百本ものヤマアラシの針で飾られた重厚なクリーム色のカシミアセーターに釘付けになった。針は3Dプリンターで作られたものだが、樹脂に顔料を練り込んでいるため、本物そっくりの仕上がりになっている。アリーナがハンガーにかかったセーターを私に渡す。受け取った瞬間、体勢を崩しそうになったほどずっしりとしているにもかかわらず、見た感じは重みを全くと言っていいほど感じさせない、流れるような軽やかさを宿すデザインだ。表面をさっと払うと針が揺れ、雨のようなカサカサ音が部屋中に響き渡る。
シリコンコーティングのグミのような触感、雲を思わせる加工されたシアリングの山、チョコレート色のナッパレザーの芳醇な香り。見ただけではわからないがルックに深みを与えてくれる知覚的なこれらの要素について、アリーナはプレビューの間中力説した。
クラフツマンシップへの愛と、ジョゼフの歴史への賛歌
Photo: Courtesy of Joseph

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今季のコレクションは、「触覚」を表現することに重きを置く、イギリスの彫刻家リチャード・ストーンからインスピレーションを得ている。「彼は非常に硬い素材を、実に柔らかく流動的な形に彫刻し、自然には存在しないフォルムを見出すことを得意としています」とアリーナは語る。「ファッションでは、平らな布を、奥行きとフィット感のある立体的な服に変えます。今回のコレクションではそのプロセスを表現したかったのです」

Photo: Umberto Fratini/launchmetrics.com/spotlight
