「キャロリンは私にとって、フェアリーゴッドマザーのような存在でした」とテレンツィオは語る。「私に時間を惜しみなく割き、たくさんの服を与えてくれました。彼女は人にただ物をあげるのではなく、相手に似合うものをしっかりと見極めた上で譲ってくれました。そして、その目に狂いはありませんでした。彼女からいただいた服は本当に長く愛用してきたので、今度はほかの人にも同じように、大切に着ていただきたいです」。また、ビショップについては「信頼できる人で、そして何より、思い入れの強い服であることを理解してくれています」と言う。
今回のオークションは、ビショップが10年近く密かにあたためてきたものだ。21点ものピースを出品した個人コレクターから最初に連絡を受けたのは、ロンドンのオークションハウスで働いていた約10年前のことだった。オークションの開催について上司に相談したところ、「そんなものは誰も欲しがらない」と言われ、提案を真っ向から却下されたと彼女は振り返る。

1995年ごろのジョン・F・ケネディ・ジュニアとキャロリン・べセット=ケネディ。
Photo: Rose Hartman/Getty Images
ヨウジヤマモトのウールシルクスカート。
Photo: The Fashion Auctioneer
だが、これらのピースが「売れない」とビショップは決して思わなかった。そして昨年、サザビーズで働いていたときに、ベセット=ケネディの遺品を集めたオークションを再び企画しようとした。そこでテレンツィオの存在を思い出し、電話をかけた。
「(改めて)自己紹介をして、キャロリンの服をお持ちではありませんか?」と聞いたのです。
