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あなたの学生時代に「青春」はあっただろうか。アメリカの詩人サミュエル・ウルマンは、『青春(原題:Youth)』という詩でこう記した。「青春とは 人生の或る期間を言うのではなく 心の様相を言うのだ」――今夏、7月12日から開幕する舞台『幕が上がる』のなかで、「青春の心」が表現されようとしている。

W主演を務めるのは、森本茉莉(もりもと・まりぃ)さん、山口陽世(やまぐち・はるよ)さんだ。ともにアイドルグループ・日向坂46のメンバーで、2020年に三期生としてグループに加入。生年月日も全く同じという運命的な二人は、昨年に高校を卒業したばかりの19歳である。

6月某日、そんな二人が参加する稽古の様子を見学し、インタビューを敢行した。彼女たちの、真っすぐでひたむきな姿から見えたもの。それは、いまを生きる若者の「青春」そのものだった。

(撮影/村田克己)

日向坂46の森本茉莉さん(右)と山口陽世さん 驚きと、喜びと

舞台『幕が上がる』は、平田オリザさんが2012年に発表した同名小説を原作とし、2015年には映画化もされた青春譚だ。高橋さおりが部長となって率いる演劇部は、新任の女性教師・吉岡の存在もあって、徐々に全国大会を意識しはじめる。そんななか、さおりは舞台の演出を担うこととなり、親友で看板女優のユッコ(橋爪裕子)をはじめ、演劇部の仲間たちとともに、初めての挑戦に戸惑いながらも、真剣に舞台づくりに向き合っていく。

文庫版『幕が上がる』(平田オリザ/講談社)は舞台ビジュアル帯が展開中

本作が「初演技・初舞台」となる二人。森本さんも、山口さんも「演技には興味がありましたが、はじめにお話をいただいた時は、驚きと喜びが入り混じっていました」と口を揃える。

森本:はじめに原作に触れたときは、青春を描いたアツい作品、という印象でした。私の演じるさおりは、一見大人しい子ですが、台本を読み込むとまた違った一面があると気づきます。実は自分の興味関心が最優先で、すぐに周りが見えなくなるのが玉にきず。私自身は、周囲を伺いがちな性格なので、真逆なキャラクターだ、どうしよう、と思いました。

でも稽古中、陽世の演じるユッコから「さおりを大事にしよう」という気持ちが伝わってくるので、安心できます。普段から一緒に活動している仲間なので、舞台でも自然にお互いを思いあってる部分があるのかもしれません。

山口:同じく、同期がいると安心しますね。茉莉ちゃんの演じるさおりは、部長らしく「今の演劇部そのものを上に連れて行きたい」と考えている子。実際の茉莉ちゃんも、稽古を重ねながらどんどん吸収してさおりの成長を体現しているので、そこも今回の舞台の見どころだと思います。

作品については私も、10代のそのときにしかない輝きや、あふれる高校生らしさが魅力だと感じました。ユッコはさおりに比べるともっと人間くさいキャラクターで、とにかく自分が舞台で輝けるかどうかが一番大事な子。そこが高校生らしく、魅力的なんです。

でもそんなユッコにも、ふっと力の抜けるシーンがあります。演劇強豪校からの転校生・中西さんと時間をかけて打ち解けていって、終盤で一緒に電車に乗り、普通の高校生らしく自然に会話をするシーン。その雰囲気が、とてもいいんです。

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