Search for:

 田中大資による「タナカダイスケ(tanakadaisuke)」が、2026年秋冬コレクションのショーを東京で開催した。デビューから5年となる節目のコレクションで、アイコン化したディテールだけではない「タナカダイスケらしさ」に向き合ったという。

 テーマに掲げた「Hitting the Star」には、手の届かないはずの光に触れたいという衝動が込められている。恋焦がれる存在に対し、己の不完全さも受け入れながら衝動を肯定し、前進して「衝突」しながら自己を獲得していくような、愛おしさをコレクションに落とし込んだという。

 会場に選んだ三越劇場は、1927年の竣工から約100年が経つ。アールヌーボー調の内装は、タナカダイスケの手刺繍やビジューの装飾、アートのように緻密に作り込まれたフェティッシュなアイテムとリンクする。

 今季のファーストルックは、胸ポケット付近に名札のような装飾を施したジャケットと、大きくスリットが入った同素材のロングスカートのセットアップ。これまでのショーではレースや刺繍、ビジューをふんだんに用いたルックがオープニングを飾っていたことから、新たなフェーズを感じさせた。ニットカーディガンやセーター、ジャカード素材のブルゾン、スウェットパンツといった日常的なアイテムの細部に刺繍やビジューを施し、ヘアアクセサリーやチョーカーといった装飾品と組み合わせるなど、ブランドらしさを散りばめた。

 後半では徐々に、レースとビジューからなるロマンチックなドレスや、チュールに細やかな刺繍を加えたドレスやケープ、ベロア素材のタキシード、ボディジュエリーを組み合わせたルックが登場。ドレープやラッフルといったフォルムの遊びや、アクセサリーを上品なバランスで取り入れるなど、田中が得意としてきた装飾性が、新たなテクニックに落とし込まれていた。

 今シーズンは特にメンズウェアに力を入れた点にも注目したい。田中は「メンズはより自分の“ゾーン”に入りやすいので、憧れている男性像を入れつつ、繊細さも欲しいとか、とにかく相反するものや二面性があるものを衝突させていった」と制作を振り返る。今後の海外進出において、パリのメンズファッションウィーク期間での出展を計画することから、メンズルックも強化していく考えだ。

Write A Comment