ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)が、2026-27年秋冬コレクションを第109回ピッティ・イマージネ・ウオモ(Pitti Immagine Uomo 109)にて発表した。テーマは「IN FLORENCE」。
テーラーを“逆輸入”する行為
デザイナーの大月壮士がLVMHプライズ2025でグランプリを受賞して以降、初のショーとなる今季。テーラーに関して海外で専門的な教育を受けたわけではない大月が、本場イタリアでその文脈を独自に読み替え、コレクションへと落とし込んだ。いわば、逆輸入ともいえるアプローチで展開されたシーズンだ。
散見されるのは、テーラーを専門としていないからこそ生まれる遊びのあるパターンやディテール。比翼ジャケットは、ボタンを開けたときにシンメトリーになるよう構築しているため、閉じると中心がずれてシルエットが変化するのが面白い。襟を深く折り返したダブルジャケットは、裏地をあえて見せることで、表情にアクセントを加えた。
揺らぎを生み出す“操作”
また、静かな“操作”を加えることによって、着用時に生まれる揺らぎや新たな表情に焦点を当てた。オックスフォードシャツでは、丸みを帯びたバイアスカットを施し、タックインで生まれるドレープをあえて強調。また、ソリッドなピークドラペルやシャツの襟先をパターンとアイロンワークでカールさせ、動くたびに揺らめく曲線をプラスした。身体に纏うことで仕立てが完成する設計が目に留まる。
フロントに8つのタックを寄せた、ボリュームのあるトラウザーズにも注目。ウエストに幅の異なるベルトループを連ね、タックが生む流れを引き立てた。ノーカラーシャツとトラウザーズをドッキングさせたつなぎは、ウエストに余裕を持たせることで重心が下がり、新鮮なフォルムとなっている。
バブル期を思わせるパワーショルダー
バブル期の日本を思わせる体を大きく見せるパワーショルダーと、ゆったりしたビッグシルエットのジャケットは今季も健在。身幅から大きく飛び出すほどの肩パッドを入れたジャケットは、丈を比較的短めに設定することでバランスを取った。
“刺し子”ステッチを施したセットアップ
今回のコレクションでは、複数ブランドとのコラボレーションピースを発表。テーラリングという型を、さまざまな領域から再解釈した。中でも印象的なのは、古着をアップサイクルし、アートウェアへ昇華するブランド「プロレタ リ アート(PROLETA RE ART)」とのコラボレーションによるセットアップ。端切れを縫い付け、刺し子のようなステッチを全体に施すことで生み出した独特の凹凸感が、唯一無二の存在感を醸し出している。すべて手作業で仕上げた、アートピースのような1着だ。
アシックスのベロアセットアップ
ベロア素材のセットアップは、アシックス スポーツスタイル(ASICS SportStyle)とのコラボレーションプロダクト。すそをタイトに仕上げ、程よいふくらみを出した。カミサス マノロ(CAMISAS MANOLO)との協働から生まれたシャツは、前立ての裏側に光沢のあるドット柄生地を忍ばせることで、外側に押し出すとネクタイのように見える仕様に。サラリーマンが食事の際、ネクタイをポケットにしまう動作から着想したという、遊び心溢れるディテールを仕掛けた。




