2026年1月10日(土)、東京・タワーレコード新宿店にて、中島みゆきの音楽プロデューサー・瀬尾一三と音楽評論家・田家秀樹によるトーク&サイン会が開催された。
本イベントは、中島みゆきの新譜2作品(映像作品『THE FILM of Nakajima Miyuki Ⅱ』、CD『Singles 2000【リマスター&Blu-spec CD2】』)と、音楽評論家・田家秀樹がパーソナリティを務めるFM COCOLOのラジオ番組「J-POP LEGEND CAFE」が書籍化された『「J-POP LEGEND CAFE」ARTIST selection Vol.1 中島みゆき』(2025年12月12日発売)の発売を記念した特別イベント。会場には、あふれんばかりの多くのファンが詰めかけた。
田家は「ラジオはリスナーの顔が直接見えないので、こうやって実際に見渡しながら話してると感慨深い」と会場の雰囲気を楽しみつつ、トークをスタートさせた。

田家秀樹
今回のリマスター盤『Singles 2000【リマスター&Blu-spec CD2】』について、瀬尾は「マスタリングという技術が過去のものよりすごく進歩した」と説明。オリジナルには聞こえなかった音が聴こえるようになり、世界観も変わっているという。「彼女の歌の雰囲気を、より息まで感じさせるようにと思って作った」と、リマスタリングへの向き合い方を語った。田家は「アナログの時代からデジタルへと移行する過程を包含している。みゆきさん自体の歌、声、曲の作り方、歌ってる内容が、かなりどんどん変わってきますもんね」と、アーティストとしての変遷にも言及した。
リマスタリングを担当したエンジニア・スティーブン・マーカッセンについて、瀬尾は「彼以外は考えられない」と断言。日本語特有の行間、笑っていても実は泣いているといった情感を理解してくれることの重要性を強調した。

瀬尾一三
話題は、中島のレコーディング手法について。デモテープを録る際、ピアニストを呼んでピアノと歌だけで録音し、それを瀬尾が持ち帰ってアレンジを練り上げる。本番では、瀬尾が書いたアレンジ譜を中島に渡し、イントロや間奏を含む全体を初めて聴いてもらった直後に歌ってもらうが、中島はそこにバチっとはめて歌ってしまうことを語った。「腹立ちますよ(笑)。こちらは何日もかけて色々考えてやったのを、『私もこんな風に考えてたのよね』みたいな感じぐらいで歌うから」。そのプロフェッショナリズムには今も驚かされると笑顔とともに語った。
