自分で選択する自由
——物語は、恋をしてしまったアイドル・山岡真衣を中心に進みますが、同じ寮で生活しているメンバーの大谷梨紗、清水奈々香にも転機が訪れます。アイドルとして、女性として、自分の貫き方をそれぞれが示してくれていると思います。齊藤さんは個人的に3人のうち誰の決断に共感しますか?
難しいですね。真衣か、梨紗ですかね‥‥。客観的に見ていて気持ちよかったな、っていうのはその二人ですね。
——齊藤さんが演じられた山岡真衣は、アイドルを辞めることになります。裁判のシーンになると、顔が変わったという印象を受けました。アイドル時代とその後の演じ分けは、どのように気持ちをつくっていったのかを伺いたいです。
自分自身で意識的に変えたのはヘアメイクですね。別人みたいにやつれている感じに仕上げたくて、みなさんと話し合って変化を出しました。アイドルパートから裁判のシーンの撮影になると、ガラッと雰囲気が変わって別作品かのような感じだったので、アイドルを辞めてからの心情みたいなものは、雰囲気がそうさせてくれたというか、自然に入り込めましたね。
——齊藤さんご自身が「アイドル」を辞めて、ホッとしたことってありますか?
ええ、なんだろう‥‥。私はどちらかというと「ああ、卒業してしまった」っていう方なんですよね。「寂しいな」とか「本当に辞めちゃったな」みたいな気持ちだったので、あまり「解放されたな」とか、そういうのは正直あまりない。むしろ「ああ、もう戻れないんだ」みたいな気持ちでしたね。だからこの作品で役として、またアイドルができたというのは、すごく幸せでした。
——アイドル経験者として、この作品をどう捉えていますか?
恋愛禁止について、アイドルという職業について深く知れる作品になっているなと思います。私もアイドルが好きなので、アイドルという職業は素敵だなとも思いつつ、人として生きてはいるけど、恋愛禁止というアイドルならではのルールがある。どうしても矛盾が生じてきてしまうところで、なかなか答えにたどり着かないなと思いました。
——最後に、本作『恋愛裁判』に興味を持った人に向けて、メッセージをお願いします。
この作品はアイドルの恋愛禁止というタブー視されている題材を、あえて選んだ物語です。あまりこういう映画は観たことがないと思いますが、みなさん一度は、考えたことがある問題だと思うので、改めて考え直せる機会になるんじゃないかなと思います。
またアイドルの恋愛だけではなく、自分らしさについて、自分が選択する人生の道についても描かれています。きっと”自分らしく自由でいいんだな”と思える作品なので、ぜひ劇場で見ていただきたいです。
取材・文 / 小倉靖史
撮影 / 岡本英理
ヘアメイク:木戸出 香 / スタイリスト:藤井エヴィ
