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掲載日

2026年1月21日

パリ・メンズ・ファッションウィークは火曜日、フランスのクリエイターたちに光を当てて開幕した。ルイ・ヴィトンのファレル・ウィリアムスによるショーに先立ち、ジャンヌ・フリオット(Jeanne Friot)、エチュード・スタジオ(Etudes Studio)、ヴァレット スタジオ(Valette Studio)が2026年秋冬の提案を披露した。

Jeanne Friot:ファッションウィークを揺り起こすクィア宣言

ジャンヌ・フリオットは、シャンゼリゼのロンド・ポワン劇場でのショー「Awake」で、文字通り観客を立ち上がらせた。公式カレンダーへの初登場となるフランス人デザイナーの彼女は、いつも通りLGBTQIAP+の擁護を掲げ、ハイエナジーなステージでパリの口火を切った。

コレクションを見るジャンヌ・フリオット - 2026-2027年秋冬 - メンズウェア - フランス - パリジャンヌ・フリオット – 2026-2027年秋冬 – メンズウェア – フランス – パリ – ©Launchmetrics/spotlight

振付家モード・ル・プラデックとロレーヌ・バレエ団とともに構想し、キャットウォークとコレオグラフィーを融合させた2026年秋冬コレクションの発表は、最近の出来事や米大統領の強硬発言とも響き合い、これ以上ないほど時宜を得た内容だった。30代のクリエイターである彼女は、「It’s never too late to fight fascism(ファシズムと闘うのに遅すぎることはない)」とプリントしたTシャツを複数のダンサーに着せ、意識の覚醒を促した。

言葉以上の説得力をもって、プレゼンテーションは3人の強い女性像から幕を開けた。クロップドジャケットを合わせた黒のツイードのテーラード、銀・赤・紫のスパンコールで構成したタータンのカクテルドレス(ゴシックなメイクのモデルが着用)、そして黒のフェイクレザーのジャケットとミニスカートのセット。ストラップとメタルバックルの使い方は彼女の偏愛モチーフで、横や縦に配してスカートやドレスを構築し、随所にクィアなワードローブへの参照が散りばめられている。さらにロングドレスも登場した。

やがて、タータンのコンビネゾンにサイハイブーツ、フェイクレザーのミニショーツ、色鮮やかなチュールのトップ、黒のスパンコールのフーディーをまとったダンサーたちが、息を呑むテンポで踊り始める。黒と白、対照的な色のゆったりとしたスーツを着た2人の女性が登場し、互いに近づいてにらみ合い、触れ合い、激しく、そして長くキスを交わし、陰と陽のように溶け合った。その周囲では、至近距離で躍動するダンサーの一団がさらに表現の熱量を高め、パリの劇場の客席からは賛同の波が沸き起こった。

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デッドストック素材の活用は一段と精緻さを増し、視覚的にも非常に強いピースが次々と現れる。ボディスーツの上に羽織った黒のフェイクレザーのロングコートにメタリックなサイハイブーツを合わせたルック、肩幅を強調したジャケットにマイクロショーツを組み合わせた千鳥格子のテーラード、そしてウエストから色鮮やかな羽根のトレーンが広がるタータン柄の豪奢なドレスは、クィア・コミュニティへの真摯なオマージュとなっていた。

彼女が挨拶のためにステージへ上がると、このコミュニティは力強い支持を示し、長いスタンディングオベーションへと発展。メンズウィークの幕開けを高らかに告げるショーとなった。

エチュード・スタジオとエレガントな音の探求者たち

この火曜日、圧巻の音響研究・調整研究所(Institut de recherche et coordination acoustique)の会場で行われたショーで、エチュード・スタジオはテーラリングの多彩なトーンを探るひと幕を奏でた。N°28 Résonancesと題した本コレクションについて、共同創業者のオーレリアン・アルベとジェレミー・エグリは、意図を記したレターの中で、90年代ダンスミュージックの源流と、音楽と沈黙の概念を問い直したアメリカの哲学者ジョン・ケージの世界から着想を得たと説明している。

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防音された地下空間での男女混合のショーに躍動感を与えるため、彼らは力強いサウンドに舵を切り、英国のアーティストActressと組んでサウンドトラックを制作。エチュード・スタジオに新たな地平を切り開く内容とした。

もちろん、ブランドの実用主義的なルーツに忠実なベルベットのジャケット、入念な色落ちを施した重厚なキャンバスのブルゾン、そしてフーディー(背中には星の輪で囲んだロゴ)といった定番は健在だ。だが今季は、テーラリングを興味深く再解釈。ストレートなラインのジャケットやしなやかなパンツに加え、シャツ、ジレ、タートルネックのニットを重ねたレイヤリングなど、黒・グレー・アースカラーで、よりフォーマルな提案を少なくとも十二型取り揃えた。

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金の探鉱者か、それとも音の探求者か。ウォークマンのヘッドホンとカウボーイハットのあいだで、エチュード・スタジオはあえて白黒つけない。真面目な若者像を描くワードローブは、使い込んだ風合い、ナイロンとベルベットのコントラスト、鮮烈なパープルのダウンジャケット、さらにはグリーンやブルーのトーンで展開する毛足の長いボリュームニットに落とし込んだカモ柄のアレンジなど、素材感の多面性を掘り下げ、同系色の長く幅広いマフラーを組み合わせている。今季は、ベルリンを拠点とするカナダ人アーティスト、ジェレミー・ショーとのコラボレーションによるピースも登場する。

そして初めて、ブランドロゴを配したレザーやキャンバスのバッグがシルエットに寄り添った。2つのフォーマットで展開するこのレザーグッズは、独立系のクリエイティブ・レーベルにとって新たな成長の柱となりそうだ。

ヴァレット スタジオ、ニューロマンティックにオマージュ

今シーズンもなお、ヴァレット スタジオのモードは過去から滋養を得ている。パリ・ファッションウィーク初日の締めくくりに、同ブランドが会場に選んだのはアラブ世界研究所(Institut du Monde Arabe)。石造りの太い柱に支えられた地下のホールで、ピエール=フランソワ・ヴァレットは「Les Nouveaux Romantiques(新たなるロマン派)」と題した秋冬コレクションを披露した。創造がイメージに置き換えられてしまう現代状況へのメランコリーから生まれたコレクションだ。

今シーズン、ヴァレット スタジオは色彩、フリル、ラッフルにフォーカス今シーズン、ヴァレット スタジオは色彩、フリル、ラッフルにフォーカス – Samuel Gut

野太いパーカッションがうねるロックのサウンドトラックに乗せ、やがてバイオリンも加わる中、モデルたちはヘリンボーンのデニムトレンチとスキニージーンズ、シャツカラー付きでウエストと胸元をフリルで締めたクリーム色のショートドレス、ブラックレザーのセットアップ、そして本コレクションでコラボレーションしたルブタンを着用して登場した。 

別のドレスは重そうに見えながらも、ほとんど弾むよう。フリルに覆われ、見た目にはゴム風船のような素材で仕立てられている。とりわけ目を引いたのは、白いスカート2点。メイクを施した顔が青またはオレンジの水彩画風で描かれており、フランスの染色工房Teintures de Franceによるものだ。ニューロマンティックの最大のアイコンであるデヴィッド・ボウイの伝説的なメイクにも着想を得ている。モデルの目尻には、時折シルバーのメイクがあしらわれ、1980年代初頭のこのムーブメントのスターたちへのもうひとつのオマージュとなった。ショーの終わりには、長い会場を横切って挨拶するピエール=フランソワ・ヴァレットに、招待客から温かな拍手が送られた。

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