記事のポイント
アモーレパシフィックはMITと開発した肌老化予測スマートミラーで賞を獲得した。
ロレアルは厚さ1ミリのLEDマスクを披露し、美容ロンジェビティ領域に踏み込んだ。
米国では若年層を中心に美容デバイス利用が進み、LED光治療市場の拡大が示された。
米ラスベガスで開催されるコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)が1月6日に開幕し、バズを生む最新テクノロジーの動画がすでにソーシャルメディアを席巻している。
洗濯物をたたむAI搭載ロボット、色が変わるスマート・レゴ、実際のナトリウムを使わずに塩味を感じさせる電動スプーンなどがその一例である。
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ウェルネス分野では、バイオニック・フットウェアが勢いを増している。これはナイキも開発を進めている技術で、「歩行のためのeバイク」と表現されることが多い。
また予想どおり、ヘルス・トラッキングもトレンドとなっており、ウィジングズ(Withings)の体組成スキャン対応スマート体重計、フープ(Whoop)の競合となるルナ(Luna)というブランドの新型トラッカーウォッチ、そして顔の血流を追跡して利用者の長寿度を評価するニュラロジックス(Nuralogix)の899ドル(約13万5000円)する「ロンジェビティ・ミラー(Longevity Mirror)」などが登場している。
アモーレパシフィック、MIT・サムスンと開発した肌老化予測スマートミラー
そうしたなか、CESイノベーションアワード・オノリー(CES Innovation Honoree Award)を受賞したのが、ラネージュ(Laneige)、エチュード(Etude)、雪花秀(Sulwhasoo)といったブランドを傘下に持つアモーレパシフィック(Amorepacific)である。
同社は、マサチューセッツ工科大学(MIT)およびサムスン電子(Samsung Electronics)と共同開発した新しいスマートミラー「スキンサイト(Skinsight)」で評価された。
このミラーは、リアルタイムの肌老化シグナルを分析して老化を予測し、製品レコメンデーションを含む個々のニーズに合わせたパーソナライズドなソリューションを提供するという。
「アモーレパシフィックは、包括的なロンジェビティ・ソリューションを通じて、グローバルなビューティーおよびウェルネス業界をリードすることをめざしている」と、同社デジタル戦略部門責任者のヒョジョン・ジュ氏は声明で述べた。
なお、同製品の販売開始時期は明らかにされていない。
ロレアル、超薄型・柔軟LEDマスクで光治療市場に本格参入
一方、ロレアル グループ(L’Oréal Groupe)もLED光治療への参入で新技術に大きく賭けている。同社は1月6日、極薄で柔軟性のあるシリコン製マスクとアイパッチを発表した。
「これは世界でもっとも薄いLEDマスクで、厚さは1ミリである」と、ロレアル グループのテックおよびオープンイノベーション担当グローバルバイスプレジデントであるギーブ・バルーチ氏はGlossyに語った。
「非常に簡単に装着でき、柔軟性があり、アイパッチ版とフルフェイス版の両方がある。これは本当にクールだ」。
これら2つのプロトタイプは、英国を拠点とするI-スマート・ディベロップメンツ(I-Smart Developments)と共同で開発された。同社はLEDデバイス革新のグローバルリーダーであり、オムニラックス(Omnilux)、ビューティー・パイ(Beauty Pie)、ザ・ライト・サロン(The Light Salon)向けのLEDマスクを手がけている。
臨床試験とFDA承認を見据えたロレアルの製品展開構想
バルーチ氏は、大手ブランドが提供してきた大型でプラスチック製のヘルメットのようなマスクは、薄く軽量な代替品の登場とともに、徐々に消費者からの魅力を失っていくと考えている。
「I-スマート・ディベロップメンツは、マスクに組み込んだ際に有効性が証明されている出力レベルで、柔軟なエレクトロニクスを実現する方法を見つけた」と同氏は述べた。
「ほとんどシートマスクのような感覚だ」。
I-スマート・ディベロップメンツは、同社のLEDライトについて10件以上の臨床試験を完了しており、そのうち4件はロレアルの新プロトタイプに関するものだ。これらは1日10分の使用で、小ジワ、たるみ、色ムラの改善に効果があることが示されているという。
ロレアル グループは現在、両バージョンについて米食品医薬品局(FDA)の承認を申請中である。承認が得られれば、バルーチ氏は胸部、首、額、あご向けのバージョン開発に注力する考えだ。
若年層の高い関心と2027年ローンチを見据えたブランド戦略
マスクの正確な価格は未定だが、当初は「数百ドル(数万円〜10万円弱)」からの発売になる見込みである。同氏は量産体制を迅速に拡大し、マスマーケット向けに価格を引き下げたいとしている。
市場調査会社ミンテル(Mintel)によると、2025年時点でLED光治療マスクを使用したことがある米国の消費者は10%にとどまり、2023年の5%から増加したものの、依然として少数派である。
しかし、10代に目を向けると数字は大きく跳ね上がる。米国の12〜17歳の消費者の33%が、過去1年以内に赤色LEDマスクや洗顔デバイスといったフェイシャル用スキンケア機器を使用したと回答している。
バルーチ氏はGlossyに対し、ロレアル グループは近く、このマスクに最適なブランドを決定すると語った。候補としては、ランコム(Lancôme)、アルマーニ(Armani)、プラダ(Prada)、イヴ・サンローラン(YSL)を挙げており、同技術は2027年にローンチされる予定である。
「ロングジェビティという言葉は幅広いが、我々にとっては、可能な限り生物学的な年齢を若く保つことを意味する。暦年齢だけでなく、生物学的年齢も含めてだ」と同氏は語った。
「テクノロジー自体も進化し、それを可能にしている。非常にエキサイティングな瞬間である」。
[原文:Wellness Briefing: L’Oréal bets on LED, Amorepacific launches a smart mirror, and more from CES]
Lexy Lebsack(翻訳、編集:藏西隆介)
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