イケオジのためのWEBファッションメディア、FORZA STYLE。そんな本誌がお届けする、クラシックファッション業界の世界的カリスマとして知られる赤峰幸生が、現代社会やファッションに「喝!」を入れるシリーズ「ユキちゃんのひとりごと」。
今回のテーマは「リクルートスーツ」。
リクルートスーツが出てきたのが、およそ2000年初頭。当時は景気がよくないため、冠婚葬祭、入社式、オフィスファッションと、一着で完結するスーツとして登場したようだ。
そんな「没個性化」を推進するようなリクルートスーツに、ユキちゃんは警鐘を鳴らす。
ユキちゃんはいくつかの大手企業で食育ならぬ「服育」の講座を開いており、そこでこのように語ったという。

「本当に個性ある人間を求めるのなら、黒づくめの服を着ること自体を辞めるべき。企業の人事や総務課が黒を着ることを良しとするのならば、その考え方が間違っている」
現状として、企業は個性ある学生を求めると言いつつも、リクルートスーツの着用等を通じて、暗に「アベレージ」であることを強要していると、ユキちゃんは鋭く指摘する。
日本以外ではどうだろうか。
世界ではあくまで学生の常識に任せた基本のものを着ることが通例であり、抑圧はないそう。
この独特の「リクスー」文化は、日本固有のものなのだ。
服飾業界から見た「リクスー」の欠点とふさわしい装い
スーツのジャケットの丈は、着る人の中指の第二関節までの長さが理想的とされている。
しかしリクルートスーツとなると、ほとんどの人のジャケットが「お尻がつんつるてん」状態で長さが足りず、肩幅もパツパツな状態で着ている人が多いのだとか。

スラックスはスーツの裾が靴の甲にあたり折り目が一つ出来る「ワンクッション」が一般的だが、スリークッション、フォークッションレベルで裾が長すぎる学生もいるのだという。
では、どのような装いなら良いのだろうか。
挙がったのが「ミディアムグレーのスーツ」と「ネイビーのブレザーにグレーのトラウザーズ」。40年経っても、流行りやTPOの変化に左右されない、不朽の装いだと太鼓判を押した。
黒を着なければ落とされるかもしれない。だから黒を着る。
その時点で、個性も主体性も捨てている。それでも企業は「個性ある人材が欲しい」と言う。
リクルートスーツは伝統でもマナーでもない。ただの“思考停止の象徴”だろう。
ユキちゃんの「喝!」は、服の話をしているようで、実はこの国の価値観そのものを切り裂いている。
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TEXT:FORZASTYLE
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