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掲載日

2026年1月5日

11月末にブラジル・ベレンで開催されたCOP30の閉幕を受け、Fashion for Climateイニシアチブは12月16日、世界のファッション業界におけるサステナビリティの取り組みに関する年次報告書を発表しました。「コミットメントから透明性へ」と題した本報告書は、努力が足踏みしている現状を浮き彫りにしています。

ファッション業界各社の取り組みは個別にとどまり、変化を生み出すには至っていないファッション業界各社の取り組みは個別にとどまり、変化を生み出すには至っていない – Archivo

気候変動対策のためのファッション業界憲章の発表から7年が経ち、気候変動へのコミットメントは広く策定・共有され、企業の戦略に組み込まれるようになりました。しかし、移行はなお不完全で、実施にもばらつきが見られます。とりわけ、約束を測定可能な排出削減へと具体化する段になると、その課題が際立ちます。

参加企業の60%がスコープ1・2で順調な軌道に

この憲章の目的は明確です。地球温暖化を1.5℃に抑えるという目標に沿い、2050年までにカーボンニュートラルを達成すること。これを実現するため、国際的な枠組みであるスコープに基づき、すべての温室効果ガス(GHG)を網羅する複数のコミットメントを柱に取り組みを構築しています。スコープ1は直接排出(燃焼、産業プロセス)、スコープ2は電力生産に起因する間接排出、スコープ3はその他の間接排出、なかでも原材料から製品の使用に至るまでのサプライチェーンに伴う排出を指します。

このたび公表された報告書は、署名企業のうち69社から提出された2024年のデータを統合したものです。まず、結果は一様ではありません。スコープ1と2については、分析対象となった企業の60%近くが削減目標の達成に向け順調な軌道にあり、比較的有望な結果が示されました。再生可能エネルギーの利用拡大、エネルギー効率化プログラム、石炭の段階的廃止が、こうした進展を後押ししています。

電力以外の間接排出が全体像に影を落とす

こうした動きは、具体的な事例にも表れています。日本のメーカーYKKは、2018年以降、スコープ1と2の排出量を57%削減し、石炭ボイラーを完全に廃止。さらに、拠点の60%超を再生可能電力でまかなっています。一方、クリスタル・インターナショナル・グループは、エネルギー効率化が短期間で成果を生みうることを実証。工場での200件を超える重点プロジェクトにより、同社の炭素強度は1年で大きく低下しました。

再生可能エネルギーは、スコープ2における重要なてこ再生可能エネルギーは、スコープ2における重要なてこ – Shutterstock

しかし、セクターのカーボンフットプリントの大半を占めるスコープ3は、依然として最大の弱点です。報告書によれば、現時点で目標に整合する軌道にある署名企業はわずか30%。この難しさは、グローバル化したサプライチェーンへの依存、サプライヤーの多層性、低炭素技術や資金へのアクセス格差といった、ファッション産業の構造的な複雑さに起因しています。

取り組みは不均一かつ個別的

報告書はまた、透明性が向上しつつある一方で、依然としてその度合いにばらつきがあることも指摘しています。現在、80%の企業が3つのスコープすべてについて排出量を開示していますが、とりわけスコープ3では、完全で比較可能なデータの提供に多くの企業が苦戦しています。Fashion for Climateが指摘するように、堅牢なデータがなければ、脱炭素化を効果的に舵取りすることはできません。その一方で、いくつかのイニシアチブは道筋を示しています。たとえばアディダスは、製品のライフサイクル全体におけるカーボンフットプリントを測定できる、EPICという社内のエコデザインツールを開発。設計段階からこのデータを統合することで、測定がいかに変革のための戦略的なてこになりうるかを示しています。

最後に、報告書は「リーダー」企業と「取り組み初期の」企業の間で溝が広がっていることも浮き彫りにしています。前者は、検証済みの目標、数値化された移行計画、再生可能エネルギー、サプライヤーエンゲージメントを揃えていますが、後者は依然として測定や開示の段階にとどまっています。この非対称性は大きなリスクであり、協力、資金調達、ベストプラクティスの共有のためのメカニズムを強化しなければ、業界全体の軌道はなお不十分なままだと、報告書は結論づけています。

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