
2025年11月26日、ソウル・COEXで開催された「第18回KITA海外マーケティング総合大会」で展示された韓国コスメ (c)news1
【12月28日 KOREA WAVE】2025年、韓国のファッションとビューティー産業は内需の不振を乗り越えるべく、海外市場への進出を本格化させた。K-POPの世界的な人気に乗じて、K-カルチャーの中核としての地位を固めたK-ファッションとK-ビューティーは、今や一大輸出戦略産業となっている。
韓国ファッション業界は、景気低迷と消費心理の冷え込みにより業績が悪化。「ビッグ5」とされるサムスン物産ファッション部門、新世界インターナショナル、ハンソム、LF、コーロンFnCは、今年営業利益が前年比43〜70%急減あるいは赤字となった。
一方で、LFの「ダンスト(Dunst)」はオンラインを中心に米国・中国市場で販路を拡大し、ハンソムはパリやバンコクでファッションショーを開催し海外認知度を高めている。為替負担と原材料価格の上昇という逆風の中、選択と集中の戦略で経営効率化を図る企業だけが生き残る“淘汰の時代”が本格化している。
アスレジャー市場も活況を呈した。ランニングやマラソンブームに支えられ、機能性とデザインを兼ね備えた「アンダール(andar)」や「ゼクシミックス(XEXYMIX)」は過去最高の売り上げを記録し、グローバルブランドへの跳躍を狙って海外に再投資を進めている。コーロンスポーツ、ノースフェイス、ブラックヤック(BLACKYAK)といったアウトドア各社も関連商品を拡充した。
SPAブランド「ユニクロ」は、日韓関係悪化による不買運動の影響を乗り越え、2025年度に1兆3524億ウォンの売り上げを達成する見通しだ。また、ファッションプラットフォーム「ムシンサ(MUSINSA)」は2年連続で年商1兆ウォンを突破し、企業価値10兆ウォン級の“デカコーン”企業としての期待が高まっている。
K-ビューティーの躍進も目覚ましい。2025年1~9月の累積輸出額は85億ドルで、前年比14.9%増。昨年に続き年間輸出100億ドル超えが確実視されている。注目すべきは、かつて依存度が高かった中国からの脱却が進み、米国・ヨーロッパでの輸出比重が拡大している点だ。
アモーレパシフィックは中国からの早期撤退によって高い収益性を維持している一方、LG生活健康や愛敬(エギョン)産業は中国市場に依存し続けたことで業績に苦戦した。
こうした成長を支えているのが、ODM(相手先ブランドによる設計・製造)・OEM(相手先ブランドによる製造)企業の技術力だ。コスメカコリア、COSMAX、韓国コルマーなどは、アンチエイジングや肌再生、美白などの高機能スキンケア製品を主力に業績を伸ばしており、海外からの受注も増加している。K-ビューティーは「安さ」よりも「プレミアム」イメージで再評価されつつある。
CJオリーブヤングは、2024年11月にオープンしたソウル・聖水洞(ソンスドン)の革新型旗艦店「オリーブヤングN 聖水」が人気を集め、聖水洞のK-ビューティー“聖地化”を牽引している。同エリアでは月平均8件から14件へとK-ビューティーポップアップの開催が増え、外国人観光客の決済件数も79%増加した。
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