ケンゾー(KENZO)の2026年春夏メンズ＆ウィメンズコレクションを紹介。
大胆で自由な「夏の恋」 
今季のケンゾーは、自由で大胆なムードの“CLUB KENZO”を舞台に繰り広げられる「気ままな夏の恋」がテーマ。クラブでの偶然の出会いが異なる世界観の融合を招くように、テーラリングやフォーマル、ワークの形式をラフに崩しながら、過去・現在・未来のカルチャーを融合したスタイルを提案している。
権威を取り払って 
たとえば、中世ヨーロッパの軍服を思わせる装飾をプリントで配したジャケットやベストは、肌の見えるクロップド丈に仕立てることで、規律的なムードをあえて崩した。セーターでは、権威的な肩章や紐飾りをも柔らかなニットで表現することで、緊張感を緩めている。
光沢を放つサテンのイブニングジャケットにも注目。ショールカラーや胸ポケットといった正装としてのディテールは残しつつ、着物の合わせ襟を思わせる構造を取り入れ、日本的なデザインへと昇華した。
天真爛漫なランジェリーウェア 
ランジェリーや水着を思わせるウェアも散見される。アニマル柄やレトロなフラワーパターンのキャミソールは、ディナージャケットやイブニングコートと組み合わせることで、フォーマルとプライベートの境界をぼかすようなスタイリングに。また、たっぷりとギャザーを寄せたブルマショーツは、センシュアルというよりもむしろ、少女のような天真爛漫なムードを放っている。
うさぎとトラのラブストーリー 
2025年秋冬ウィメンズコレクションを彩ったうさぎのキャラクターのストーリーには、トラのキャラクターが仲間入り。うさぎとトラの恋模様、そしてその間に生まれた“トラ柄のうさぎ”たちを描いたグラフィックスウェット、ストーリーを刺繍したレース付きのトップスが、コレクションににぎやかな遊び心をプラスしている。
耳付きのボリューミーなファージャケットやスタジャンなど、トラ柄のアイテムはコレクション全体で存在感を放っている。かつてのケンゾーに見られた鋭く獰猛な印象の虎のグラフィックと対照に、愛らしいムードをまとっているのが印象的だ。
80年代カルチャーを受け継ぐ小物類 
スタイリングに華やかさを添えている小物類にも注目したい。大ぶりのロゴ入りバックルベルトや、アシンメトリーに配色したボーリングシューズは、1980年代のカルチャーを受け継ぐレトロな雰囲気が魅力だ。また、ニューエラ(NEW ERA)とのコラボレーションによる59FIFTYキャップも目を引く。カートゥーンキャラクターの刺繍でにぎやかに仕上げたモデルと、アーカイブから引用した鮮やかなフラワーパターンのモデルが登場した。