みなさん、こんにちは。マッハの速さで年末を迎えつつありますが、2025年もプチプラコスメを楽しんで使われたでしょうか?

 今年はこの連載「大人がうっとり 優秀プチプラコスメ」で、掲載アイテムの価格の上限を税抜2,500円にさせていただきました。そのくらい全体的な物価高の傾向が止まらず、プチプラコスメのプチプラたるメリットを心から実感できるコスメでないと……、と悩みながら、独断と偏見でセレクトした2025年のマイベスト10をご紹介します。

 さてラストは、発売間もないのに大人気のヴィセのあのチークです!

#10 ヴィセ レイヤード フルリ チークメイクが苦手な人でも自然な血色感を出せるテクニック要らずのチーク
左の“色づき仕込みベース”を指でのせ、その次に右の“血色パールカラー”を乗せて使うチーク。内側から光を放つようなツヤと立体感、血色ある頬に。ベースを仕込むことで毛穴や色ムラを補正し、上に乗せるカラーの持ちも高める。持ちを高めるスキンフィット成分を配合。美容液成分として、コラーゲン、ヒアルロン酸、スクワランを配合。ヴィセ レイヤード フルリ チーク 全8種 各1,760円(編集部調べ)/コーセー

 11月16日発売なので、発売してまだ1カ月程度なのに、「自然な血色感が出せる!」「ツヤ感が上品だし、色を重ねても厚塗り感も出なくてキレイ」「色が浮かずに自然に立体感が出る」などなど、絶賛の声が多く見られているのが、ヴィセのレイヤード フルリ チーク。

 SNSやWEB上の様々な感想を見ると、発売日を待ちに待っていて「当日朝イチで購入しに行った」という人や、「色がどれも可愛過ぎて選ぶのが難しく、複数色買いした」という人も結構いるようです。

 このコーナーでも10月3日に記事を公開しましたが、記事を公開するやいなや、本当にたくさんの方に読んでいただけました。


現在人気No.1のRO-3 ローズモーヴ。左の白みのあるピンクは、ピンクが全面に出ないのでハイライトとして頬以外に使っている人も。
RO-3 ローズモーヴ使用イメージ。

 そこでPRの中田かやのさんに、まずはどの色が人気なのかなどの現状を伺ってみました。

「発売直後の一番人気は、メインカラーのRO-3 ローズモーヴです。品のある印象をかなえられるモーヴカラーで、シーンを問わずご使用いただけるところが人気です。右側のローズモーヴカラーに、シルバーやブルー系のクールカラーのパールが入っている点が、嬉しい驚きとして歓迎されています」。

 また、スタッフの予測と違う意外な色も人気が高いそう。

「ピンク系のカラーが人気になると予測しておりましたが、BR-8 ジャスミンブラウンもピンク系に匹敵するほど高い支持をいただいております。普段、メイクでチークを使わない弊社男性社員からも、“発色が柔らかく、自然に血色感が出るのでとても使いやすい!”との声があり、男性のお客様にもお試しいただけたら嬉しく思います」(中田さん)。


男性も使いやすいと人気の、BR-8 ジャスミンブラウン。ブラウン系だけれど“茶色”にならず、塗るとごく自然な血色になる。
BR-8 ジャスミンブラウン使用イメージ。

 なるほど! それは確かに想定外かもしれません。

 このチークを初めて試した時から、8種類のどれを見ても、色が原色過ぎず強すぎない点、簡単に自然な血色が出せる点などが優秀なので、パールなしのパキッとした色のチークよりも、多くの人が使いやすいのではと感じていたのですが、男性も使いやすいのですね。

 もちろん筆者は、強めでハッキリした色が発色するチークも大好きです。ただ、メイク慣れしていない人や男性には、このチークは失敗せずに使いやすいのだと思います。

 実際「チークがどうしてもうまく入れられなくて、すぐおてもやん状態になっちゃうのであまり入れてなかったのだけど、このチークだと上手くふんわりした血色が出せるから、チークを入れるのが楽しくなった」というような人もいて、チークを苦手としていた人をもファンにしているのです。

おすすめは多幸感を演出できるPK-2、肌色が明るくなるRD-7
顔全体がパッと明るくなる、黄味寄りの明るいピンクの2色。PK-2 バーベナピンク。
PK-2 バーベナピンク使用イメージ。

 筆者は使い始めてみて、いわゆる多幸感を演出できるPK-2番の「バーベナピンク」と、コントラストで肌色が白く、というか明るく感じるRD-7番の「ダリアレッド」が気に入って、よく使っています。


RD-7 ダリアレッド。左はオレンジピンク系、右はボルドー寄りの大人っぽいレッド。
RD-7 ダリアレッド使用イメージ。

 様々な感想を見ていると、若い年代の女子に人気なのは当然といえば当然だと思うのですが、40代、50代の女性が使ってみて気に入ったというような声も多く見られます。

 左の“色づき仕込みベース”が、毛穴や色ムラを補正する働きがあるという点や、やはり色が原色っぽくなく、パール入りでおてもやんっぽくならないから、大人年代にも使いやすいのだと思います。


PU-5 アイリスパープル。右のパープルには、シルバーやブルーに見える大小さまざまなパールが入っているため、透明感をガンと上げられる。
PU-5 アイリスパープル使用イメージ。

 左の色のパールは本当に微細で均一なツヤを出してくれるし、右の色のパールはどの色番も、複数色のパールだったり、大小さまざまなパールが計算されて入っていて、自然でキレイな立体感が“簡単に”出せるところもいい。

 またこのチークならでは、と思うのが、「コレを使えばハイライトいらず」というような声が多いこと。

 左の“色づき仕込みベース”がかなりシアーで、微細なパールが均一にキレイに広がるのでハイライト的な効果を得ることができるし、さらに右の“血色パールカラー”のパールが乗ることで顔全体で見た時にツヤ感が高まるので、ハイライトを入れなくてもイケる、という印象になるようです。

 “色づき仕込みベース”を目の下やほうれい線にも軽く乗せている、なんて人もいました。

パウダーなのに“もちっと弾む”理由とは?
OR-4 デイジーオレンジ。右のカラーが赤味もあるので、極端に肌の黄味を強めずヘルシーな印象に。
OR-4 デイジーオレンジ使用イメージ。

 筆者は左の“色づき仕込みベース”のしっとりもちっとする不思議な質感が気に入っているのですが、開発が難しかったのではと思い、PRの中田さんに伺ってみました。

「開発時に最も苦労したのは、“柔らかさ”のバランス調整です。もちっとした弾力ベースにこだわったのは、肌に溶け込むような仕上がりを高めるためですが、タッチを柔らかくしすぎると、一度に多く取れすぎてしまい、厚塗り感につながってしまいます。そのため、薄膜で均一に重なる“適度な柔らかさ”を見極めることが大きな課題でした。この絶妙な柔らかさを実現するため、オイルリッチな処方に弾力のある成分を組み合わせることで、見た目はパウダーでありながら、触れると“もちっと弾む”独特の質感を実現しています」(中田さん)。

 ということなのですが、パウダーなのに“もちっと弾む”って、すごい。今回のベストプチプラコスメに選んだチークはすべて、「今はそんなことができるようになったんだ!」という技術の進化に驚かされました。


温かみのある印象になるPK-6 ポピーコーラル。右のゴールド系パールの効いたコーラルは意外にない色。
PK-6 ポピーコーラル使用イメージ。“ほのかに色づく”美しさをチークで再現
PK-1 ピオニーピンク。左の砂糖菓子のような白みピンクは、透明感とピュアな印象を上げてくれる。
PK-1 ピオニーピンク使用イメージ。

 また、様々な感想の中には、「発色がちょっと弱い」というような声も時々見かけましたが、このチークはそれも特徴のひとつなのだから、目的が違っただけなのでは、と思います。

 発色が弱いのが特徴、という意味ではなく、薄膜のように2色を重ねて、内側からにじみ出るようなツヤとほんのり血色が感じられる発色具合、なんです。

 PRの中田さんのお話によると、「“花びらが少しずつ色づいていくような、柔らかなグラデーション”を目指して開発しました。“ほのかに色づく”美しさをチークで再現するため、各色それぞれに実際の花をモチーフとしたイメージボードを作成し、そこから着想を得て色づくりを行いました」ということで、なるほどリアルな花がモデルだったのね、と納得しました。


2色を重ねることで、花びらが色づいていくときのようなほのかな色づきがかなう。

 さらに「薄い色から濃い色を重ねる設計だからこそ、誰でも自然なグラデーションを楽しめるよう、発色や色のバランスを幾度も調整し、それぞれの色が最も美しく見える組み合わせに仕上げています」(中田さん)と、2色である意味がきちんと考え抜かれているつくりなんだなとわかりました。

 そんな思いが使う人にきちんと伝わっているから、大人気なのだと思います。

 と、毎年ベストプチプラコスメはついつい長く熱く語ってしまいがちですが、振り返ってみると、発売後間もない製品をこんなに数多くセレクトしたのは初めて。

 そのくらい、使ってすぐ「コレいい!」と感じるメイクアイテムや、肌に何かしらのよい変化を実感できるスキンケアアイテムが増えている、イコール技術の進化が著しい、ということなんだと思います。

 2026年も、そんな驚きと喜びと、毎日のメイクや肌のケアが楽しくなるような、大人の女性も驚くプチプラコスメを期待しています!

ヴィセ

https://www.kose.co.jp/visee/cheek/layered_fleuri_cheek.html

斎藤真知子

高級コスメにうっとりしつつ、デイリーメイクにはプチプラコスメも出番多し、の美容メインのなんでもライター。編集プロダクションと美容雑誌編集部を経てフリーランスに。かれこれ20ウン年美容雑誌業界の片隅でお仕事中。肌データは、アトピー持ちの(でも現在はほぼ出ない)基本乾燥肌。……なのに寄る年波で部分的な毛穴の開きやテカリも気になる。スペインとお肉とオヤジ俳優好き。

構成・文=斎藤真知子

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