掲載日

2025年12月26日

衣料用断熱材メーカーのサーモアは、ファッション業界で存在感を高めています。「私たちはテクニカルセグメントから出発しました。合成インサレーションは当初、スキースーツに使われていました。スタイルの進化とともにファッションがテクニカル素材を受け入れ、現在ではそれが当社事業の中で最大の比重を占めるまでになっています」と、CEOのパトリツィオ・ロレンツォ・シニスカルキはFashionNetwork.comに語りました。

サーモアサーモア

1972年に父ルーチョがミラノで創業したサーモアは、この分野で初のイングリディエント・ブランドへと発展し、現在ではダウンフリーの中綿を幅広いファッションおよびラグジュアリーブランドに供給しています。現CEOであるシニスカルキ氏のリーダーシップのもと、より目の肥えたエンドユーザーとの関係性も強化してきました。「新しいインサレーションを開発する際には、直接の取引先ではなく、エンドユーザーを起点に考えます」と同氏は述べています。

最新のコラボレーションはJakedとの取り組みで、同ブランドの2025年秋冬の新作アウターウェアコレクションにサーモアのインサレーションが採用されています。レース、フィットネス、スポーツウェア向けに設計されたImpact Evoジャケットは、スタイルと機能性を両立。bluesignおよびOEKO-TEX認証を取得したエコダウン・ファイバーズ・オーシャン・テクノロジーを活用しています。

現在、サーモアの売上高は1,300万ユーロで、米国と欧州が主な市場です。「売上の約10%はアジア、主に韓国と日本です。ニューヨークと東京にオフィスがあり、生産の約90%は極東地域にあります。中綿入り衣料の生産地がその地域に集中しているためです」とシニスカルキ氏は続けます。

ファストファッションの影響という喫緊の課題について、CEOはこう指摘します。「変化が必要です。私たちはもっと消費に意識的でなければなりません。私たちはダウンを使わず、海洋流出の恐れがあるペットボトル由来の再生繊維を使用することで、海に巨大なプラスチックの島が形成されるのを防ぐ一助となっています。私たちはこの取り組みに40年にわたり投資してきました。1980年代に最初のリサイクル製品を発売しましたが、当初はバージンポリエステルに匹敵する品質の原料を見つけるのが難しかったのです。現在、当社のインサレーションの98%はリサイクル原料由来です。ペットボトル向けに使われるチップの方が、繊維用に使われるものよりも品質が高いのです」とシニスカルキ氏は締めくくりました。

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