直近、ファッション業界では1件ではなく、2件の大型な取引が発表された。
まず、エロクイ(Eloquii)やクープ(Cuup)など、プラスサイズおよび拡張サイズ向けの複数のファッションブランドを傘下に持つフルビューティー・ブランズ(FullBeauty Brands)が、デスティネーションXL(Destination XL)との合併を発表した。
なぜ今、ファッション業界で M&A が増えている? テムやシーインへの対抗も背景に
DXLもまたプラスサイズ向けファッションブランドに注力しており、新会社は「デスティネーションXL」の名称のもと、プラスサイズファッション業界で売上高12億ドル(約1800億円)規模の巨大企業となる。
次に12月17日の朝、高級ショッピングアプリ「マイル(Mile)」の共同創業者が、マッチズ・ファッション(Matches Fashion)を非公開の金額で買収し、再始動させると発表した。マッチズは2024年3月に破産していた。
2025年はM&Aが集中した「統合の年」
これら2つの取引はいずれも、ファッション業界で買収や統合が相次いだ1年の終盤に発表されたものだ。
プラダ(Prada)がヴェルサーチェ(Versace)を買収するといった大型案件から、オーセンティック・ブランズ・グループ(Authentic Brands Group)がゲス(Guess)の株式を取得し、ギルダン(Gildan)がヘインズブランズ(Hanesbrands)を買収するといった小規模案件まで、2025年は市場にとって活発な年だった。
ここでは、今回の2つの新たな取引を整理するとともに、なぜ2025年にこれほど多くの買収が起きたのかを見ていく。
デスティネーションXLとフルビューティー・ブランズ
フルビューティーは過去2年間、静かに、しかし着実にプラスサイズブランドの大規模かつ包括的なポートフォリオを構築してきた。
エロクイ、クープ、ディア(Dia)、アヴェニュー(Avenue)といったブランドを買収し、創業120年の同社のブランド数は15以上に拡大した。これらの取引金額は多くの場合非公開だったが、エロクイの買収額は1億ドル(約150億円)超だった。
2024年時点で、フルビューティーは黒字化しており、年間売上高は10億ドル(約1500億円)超、保有ブランド全体でのアクティブ顧客数は500万人に達していた。
一方のデスティネーションXLは、直近1年間の売上高が約4億6000万ドル(約690億円)。米国全土で約290店舗のメンズ向けビッグ&トール専門店を所有、運営している。
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