イケオジのためのWEBファッションメディア、FORZA STYLE。そんな本誌がお届けする、クラシックファッション業界の世界的カリスマとして知られる赤峰幸生が、現代社会やファッションに「喝!」を入れるシリーズ「ユキちゃんのひとりごと」。
※この記事は2023年2月に投稿した動画を元に作成したものです。
今回ユキちゃんこと赤峰幸生が「喝」を入れるテーマは「セレクトショップ」。
まずはセレクトショップの始まりから現在に至るまでの流れを振り返っていく。
30~40年前、「日本市場にはものがない」という前提のもと、市場にものを入れていくというコンセプトで始まり、BEAMS・SHIPSが双璧をなしていた。
当時のラインナップはインポートショップと呼ぶのがしっくりくるようなもので、最初はアメリカ、段々とヨーロッパのものを輸入し始め、渋谷・原宿から銀座に進出していった。
UNITED ARROWS創業に参画し、常務取締役兼CCO(最高クリエイティブ責任者)を歴任している栗野氏も売り場に立っており、赤峰制作のアイテムも売っていたという。
ところが、赤峰は店舗の拡大路線・駅ビルの登場と共に、セレクトショップのあり方がどんどん蛇行していったと指摘する。

本来はもっと専門性の高いアイテムを売っていたが、現在定番品などはセレクトショップオリジナルネームを付けて売るようになった。
今やセレクトショップは様々なブランドの、様々なジャンルのアイテムを売っているため、どういうものを選んだらいいのか絞り込みがなく「ごった煮」状態になってしまっているという。
その勢いに押されるように、かつてセレクトショップを敵ではないとしていた百貨店でさえも、セレクトショップの真似事をし始め、市場が完全に同質化してしまった。
赤峰曰く、現在そんなセレクトショップ・百貨店などと違う路線を進み、差別化が図れているのは「ヴィンテージショップ」だという。1930~40年代の古いアイテムを集め、「刺さる」アイテム展開をしているからこそ、生き残れるのだろう。
この現状を解決する方法として、赤峰は「原点に返る」ことが重要だと語る。具体的には、もう一度社内で勉強会をして、服に根差す歴史・文化・アートを学びなおすことが必要と語る。
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また、これからのセレクトショップは、ある程度規模を縮小してでもいいから、専門性の高いお店として再スタートを切ることも提案した。
セレクトとは、数を揃えることではなく、覚悟をもって削ぎ落とすことである。
規模を誇る時代は終わった。これから問われるのは、「この店じゃなきゃダメだ」と言わせるだけの思想があるかどうか。
ユキちゃんの喝は、セレクトショップだけでなく、服を選ぶ私たち自身にも向けられているのかもしれない。
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TEXT:FORZASTYLE
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