FRUITS ZIPPER 紅白、東京ドーム…国民的アイドルへの道 デビュー4年目、明るい未来へ(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース - Moe Zine

【写真】笑顔でカメラを見つめるFRUITS ZIPPER

 ★“地下”からステップアップ

 22年4月。いわゆる“地下アイドル”たちも多く使う都内のライブハウスで、FRUITS ZIPPERはデビューした。観客は約100人。のちに数々の賞を受賞する代表曲「わたしの一番かわいいところ」でステップアップし、その後もキャッチーなヒット曲を連発。わずか約3年半でアイドル界のスターダムを駆け上がった。

 「始まりは(恵比寿のライブハウス)CreAtoですからね。最近のテレビ番組でもそこが最初だと言っている人、私たちくらいかも」と真中まな(26)は語る。最初は楽曲も配信のみでインディーズから。鎮西寿々歌(27)も「私たちがいろんな部分で覆してきたことはあると思っています」と力を込めた。

 ★記憶確かにあんまりない

 SNSを中心にその名は広まり、23年に日本レコード大賞最優秀新人賞、24年に同優秀作品賞、25年には「MUSIC AWARDS JAPAN」で最優秀アイドルカルチャー楽曲賞も受賞した。早瀬ノエル(21)は「記憶は確かにあんまりない」と振り返りつつ「昔は2日に1回ペースでライブに出ている感じでしたけど、今はメディアの撮影が入ったり、ライブは大きなロックフェスとかに出たりと、お仕事の内容が本当に変わりました」。

 ★おうちが広くなりました

 ブレークゆえの変化を聞くと、真中は「体が資本だとより思うようになって、サプリを飲んだり意識しています。昔はお風呂も小さかったんですけど(笑い)、今は入浴剤を入れて湯船にしっかり入ってケアしています」。月足天音(26)も「おうちが広くなりました!」と明かし「初期の頃は1Rで、炊飯器も廊下に置くしかなくて、遊びに来た(松本)かれんに『月足やばいよ。ジャガイモが転がってるよ』って言われたり。今は食器棚も冷蔵庫も大きいのを買って、ジャガイモは野菜室に入れられています(笑い)」。

 櫻井優衣(25)は「ニセ優衣が増えました」と笑い「私の目撃情報をすごくいただくようになったんですけど、全部いないんですよ。同じ日に違う場所で言われたり、SNSで『櫻井優衣ちゃん風』みたいな感じで自分になりきってくれる子もいるので、各地に私の分身の方が増えていて、うれしいです」と感謝した。

 鎮西は「いい意味でいろんなことに適当になりました。目の前のことに力みなく向き合えているなと思います」と変化を口に。鎮西と言えば、ライブで「うぇるかむとぅ~ざ♡ふるっぱー!」を歌う際の一発ギャグも恒例だが「あれも毎回力んでたんですけど最近は等身大でいけています。でも個人的にもう一発ギャグは封印していきたくて。徐々にやめていきたいなと思っています」とまさかの宣言も飛び出した。

 ★SNS炎上「乗り越えて」

 盛り上がる人気の中で、展開に戸惑うこともあった。SNSでの炎上も経験。本来の意図とは違う方向で臆測が広まることも多かった。真中は「乗り越えて、少しは笑えるようになった」と語り、櫻井も「メンバーと過ごしている時間は幸せな日常ですし、そうした純粋な心は壊されたくないなという思いは持っています」と話した。

 今年は月足が約3カ月間休養し、6人での活動も経験。松本かれん(23)は「月足の担当の歌詞を代わりに歌ったら、すごく難しいんだなとか、ここを踊りながら歌うの大変だなと思うことがありました。FRUITS ZIPPERはみんな得意なことが違って、それをそれぞれが発揮しているから7人でのキラキラしたパフォーマンスができあがっているんだと、それをより感じることができました」とかみしめた。

 荒波にもまれながら活動規模も大きくなり、今年は、さいたまスーパーアリーナでの初公演を成功させ、アジアツアーも完走。目標の紅白歌合戦出場もつかんだ。真中は「紅白は生放送でぜひ見てほしいです。そして感想を届けてくれたら、また次の1年も頑張れます」と呼びかけた。持ち味のひとつはプロデューサーの木村ミサ氏もこだわる生歌唱。仲川瑠夏(28)は「アイドルだからと、なめられたくないんです」と思いを明かし「その時の感情でその日にしかできないライブを届けられることはアイドルとしても表現者としても誇らしい部分です。年齢を重ねたあとも、その時に表現できる声色とかもあると思いますし、長く愛されるグループになったら良いなと思っています」。早瀬も「ミスしてしまう時もあるけど、それでも生歌は楽しいですし、成長できていいことがいっぱいあったなと思っているので、これからもずっとやっていきたいです」と見据えた。

 来年2月1日には東京ドーム公演を控える。この30年の日本発女性アイドルではAKB48、ももいろクローバーZ、乃木坂46、櫻坂46、日向坂46ら“国民的アイドル”とも言える面々しか立っていない。数100人だった会場は100倍以上へ。松本は「海外も含めて、よりみなさんに名前を知ってもらえるグループになったらいいな」と願い、櫻井も「よりテレビなどで見かける存在になりたいですし、変わらない私たちでいながらも、ドーム公演も力に変えて、これからも期待してもらえるようなかっこいいグループになっていけたらいいなと思います」。信じれば、誰にでもチャンスはある。FRUITS ZIPPERはこれからも夢の続きを追いかけていく。

 ▼アソビシステム中川悠介社長(44)

 FRUITS ZIPPERはそれぞれの個性があって、1人ずつがちゃんと立っている。(ブレイクは)やっぱりSNSの活用がうまくいったのが大きいかなと思っています。目の前のことを決めずに動き、頑張っていったので、自然発生的に今の流れになっていきました。会社としてもアソビシステムの顔になってきたなという思いもありますし、紅白や東京ドームなど、すごい景色が見られていてうれしいことですけど、まだまだ可能性はあるんじゃないかなと。よりグローバルにいきたいなとはずっと思っていますし、今後は海外でのライブを増やしたい。みんなで頑張っていければいいなと思っています。

 ◆FRUITS ZIPPER

 所属事務所アソビシステムの所在地かつ多様なカルチャーの発信地でもある「原宿から世界へ」をコンセプトに22年4月にデビュー。同事務所の後輩グループにCANDY TUNE、SWEET STEADY、CUTIE STREET、MORE STARがいる。

 ◆鎮西寿々歌(ちんぜい・すずか)1998年(平10)11月24日生まれ、兵庫県出身。

 ◆仲川瑠夏(なかがわ・るな)1997年(平9)7月3日生まれ、神奈川県出身。

 ◆松本かれん(まつもと・かれん)2002年(平14)3月28日生まれ、千葉県出身。

 ◆櫻井優衣(さくらい・ゆい)2000年(平12)2月21日生まれ、東京都出身。

 ◆早瀬ノエル(はやせ・のえる)2003年(平15)12月29日生まれ、ドイツ出身。

 ◆月足天音(つきあし・あまね)1999年(平11)10月26日生まれ、福岡県出身。

 ◆真中まな(まなか・まな)1999年(平11)4月22日生まれ、神奈川県出身。

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