ディオール(DIOR)の2026年秋メンズコレクションを紹介。
ファッションの辿ってきた過去と現代の要素を衝突
ジョナサン・アンダーソン率いるディオールのファーストコレクションとなった2026年夏コレクションに続いて、2026年秋コレクションにも過去と現在を混ぜ合わせることで新たなスタイルへと発展させていく試みが見て取れる。ディオールが継承してきたアイコンやファッションの歴史の中で登場した要素を現代の装いと衝突させることで、ジョナサン・アンダーソンらしい遊び心を表現している。
格式を表す紋章を軽快に表現
散見されるのは、装飾的な紋章のモチーフだ。あえて従来とは異なる文脈で印象的に取り入れられたエンブレムが、自由な雰囲気や軽快さを描き出している。たとえば、ディオールのアーカイブドレス「デルフト」からインスパイアされた分量感のあるワイドカーゴパンツには、ダイナミックな紋章のプリントをオン。本来は格式を表すシンボルである紋章をカジュアルなコードに落とし込むことで、プレイフルなムードを漂わせた。
コーディネートのアクセントとして様々なルックに用いられているベルトのバックルにも、輝くエンブレム風デザインを採用。リボンを冠した紋章の中にディオールのロゴを刻み、アイキャッチに仕上げた。
意外性のある素材で提示するクラシックな装い
クラシックなアイテムを意外性のある素材で提案するルックも印象的。フォーマルなテールコートには爽やかなブルーのデニム地を採用し、ロココ調の花々の刺繍を配した。ワークウェアとしてファッション史に登場したデニム地と、宮廷文化に端を発するロココ調の装飾を調和させた、新鮮なバランス感覚を提示している。
また、ディオールのアイコン「バー」ジャケットは、アイルランドの「ドネガル・ツイード」を採用したモデルや、艶やかなレザーのモデルが登場した。ツイードの「バー」ジャケットにはルーズなフィットのデニムパンツを合わせており、「バー」ジャケットの持つ上品なイメージを再解釈。気軽さを伴うフレッシュなスタイルの中に、上品さを見出している。
プレッピーなアイテムにひねりを効かせて
プレッピーなアイテムも多数見て取れる。アノラックパーカにネクタイとシャツを合わせたルックや、スポーティーなパイピングのショートパンツにスウェットフーディーを合わせたスタイル、チノパンとシャツ、ローファーに細いボーダーのトラックジャケットを合わせたルックなど、快活さを感じさせる装いが目を引いた。
こうしたプレッピーなアイテムにもジョナサン・アンダーソンらしいひねりが効いている。カバーオールの下に重ねたロゴ入りのラグビーシャツはスモーキーピンクとネイビーのカラーブロックでポップに仕上げ、ニットにはエリック・カールの絵本「はらぺこあおむし」の表紙をあしらった。また、ブルーストライプのシャツに重ねたブレザーは淡い色味のフラワージャカードで、浮遊感のある佇まいに仕上げている。





