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 アイドルグループ「クマリデパート」の元メンバー山乃メイさん。キャッチーなビジュアルや特徴的な歌声、「二郎系ラーメンが好物」という意外な一面など、多くの魅力でファンの心を掴み続けてきた。また慶應義塾大学看護医療学部卒業生であり、「慶應出身アイドル」としても活躍。ファンに惜しまれつつも、2024年4月をもってクマリデパートを卒業した。

 そして2025年9月、「山乃メイ」改め「夢望めい」として芸能プロダクション・放映新社への所属を発表した。クマリデパートを卒業して約1年半。彼女がクマリデパートでの活動を経て、今に至るまでの軌跡に迫る。

──放映新社での活動開始を発表してから二ヶ月。今の心境を率直に聞かせてください。

 発表する前は「みんな私のこと忘れてないかな?」「これから上手くやっていけるかな?」と心配していました。でも、実際に活動開始を発表したらみんな「おかえり」と温かい声をかけてくださって。色々な方から「発表見たよ」という連絡もありました。それが嬉しかったですね。

◯多忙な塾生時代_アイドル業と学業の両立

──慶應義塾大学看護医療学部卒業生の夢望さん。塾生時代はどのような学生でしたか?

 看護学部は100人中男の子が5人くらいで、周りの学生は女の子ばっかりで。私は中高女子校に通っていたので、その延長線のようでした。「女の子っぽく」みたいなことを意識せず、いい意味で適当に過ごせていたと思います(笑)。

──クマリデパート加入時は在学中だったとのことですが、やはりアイドルと大学との両立は大変でしたか?

 めちゃくちゃ大変でした!看護は実習の授業が多くて、クマリ加入以降もどんどん実習が増えていって大忙しでしたね。実習終わって、すぐレッスン行って、夜遅くに帰宅して曲入れして…今考えても「よくやったな」と思います。私は2020年2月にクマリに入ったんですけど、当時ちょうどコロナの時期で。授業がオンラインになったので、楽屋に少し早く入ってそこでオンライン授業を受ける、なんてこともありました。

 一番大変だったのは、看護の国家試験の時です。私にとって初めてのワンマンライブが、国家試験の2日後で。だから朝9時から国家試験を受けて、その足で新曲の振り入れに参加して…というハードスケジュールで回していました。体力はある方なので、普段はアイドルと学業の両立を辛いと思うことはあまりなかったんですけど、その日だけは辛かったですね。

 塾生時代は大変なことも多かったですが、チェキ会のときにファンの方が直接褒めてくれて、それで毎回疲れは吹き飛んでました。だから両立できていたのかな。

アイドル「山乃メイ」として

──アイドルになったきっかけは?

 私、クマリデパートが初めて受けたアイドルオーディションだったんです。それまではずっと声優を目指していて。色々声優オーディションを受けていたんですけど、全然受からなくて…。そんなときに、たまたまクマリの新メンバーオーディションの情報が流れてきたんです。元々クマリデパートのことが大好きだったので、なんとなく「やってみようかな」と思って。それで応募したんです。

 もともとアイドルは好きだったし、音を使って表現することも好きだったんですけど、元々アイドル志望だったわけではなくて。だから、クマリデパート以外ではアイドルになっていなかったと思います。「アイドル志望」というよりは「クマリデパート志望」でした。

──アイドル時代に一番苦労したことは?

 「山乃メイ」をどう売り出すか、どう表現するか考えるのには苦労しました。特に、自分の個性をどう出していくかで悩みましたね。プロデューサーのサクライケンタさんに「メイちゃんは真っ白だね」と言われたこともありました。全部お手本みたい、って。多分、全てのことに対して正解を探しちゃうんですよね。でも、アイドル界は正解ではなく、むしろ珍回答が受ける世界なんです。だから正解を知ったうえで、正解を超える珍回答をするにはどうすればいいのかずっと考えていて。考え続けた結果、クマリを卒業する2、3ヶ月前にようやく自分の個性を掴めました。それを掴めたことが、今の活動にも活きています。

クマリデパート卒業、そして新たな道へ

──クマリデパートを卒業して、新たなことに挑戦しようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。

 生涯アイドルとして生きる道もあったと思います。でも、元々声優を目指していたこともあり、やっぱり演技にチャレンジしたくて。アイドルとしてステージに立っている時も、曲の主人公になりきってパフォーマンスするのがすごく好きだったんです。例えば、「いまさらだけど、恋しませんか?」という曲では、主人公の女の子がどういう通学路を使っていて、どんなところに住んでいて…みたいなことまで考えて歌っていました。「山乃メイ」ではなく、曲の中の主人公を憑依させて。そういうところから、だんだん「演技をしたい」という気持ちが強くなっていって、演技の道に進もうと決めました。

──アイドル時代と現在とで、何か変わったことはありますか?

 一番変わったのは「自分の見せ方」ですね。アイドル時代は、自分のバックグラウンドや個性を売りにした見せ方をしていました。でも今は、他の人の人生を自分の中に入れなければいけない。今まで「山乃メイ」としての自分だけを見せればよかったのが、今は「山乃メイ」を表現の選択肢として残しつつ、他の人の人生を見せなければならない…ここが一番の変化であり、難しいところですね。やっぱりアイドル時代の個性が切り離せなくて。「何をやってもメイちゃんだね」と言われることもありました。だから、今後は「山乃メイ」時代の自分とどう向き合っていくのかが課題ですね。

──逆に、一貫している部分は?

 無理をしないところです。自分を過信しない。

 今までいろんな人に支えられて生きてきました。例えば、クマリデパート時代は同期の七瀬マナちゃんとか、マネージャーさんとか。今も演技の先生や周囲の人々に気遣ってもらっていて。きっと私一人きりではここまで来られなかったと思います。だからいい意味で無理せず、自分を過信せず、他の人の背中を借りる気持ちでいます。

──演技をするうえで、影響を受けた作品などはありますか?

 『五等分の花嫁』は一番演技の参考にしていますね。「ツンデレ」「末っ子」みたいなキャラの設定がわかりやすくて、演じ分けのお手本にしています。「自分もこれくらいオーバーに演じたほうがいいな」とか、「こういう抑揚のつけ方したほうがいいな」とか。学びの多い作品です。

「みんなを喜ばせたい」変わらない原動力

──常に新しいことに挑戦し続ける夢望さん。その原動力とは?

 昔から好きなものが移り変わり続ける人生で。中高生の頃は夢中になれるものが毎年のように変わっていました。中一ではアニメ、中二では化学、中三では数学、高一では声優さんが好きで…みたいな感じで、好きなものがコロコロ変わるんです。でも、一度ハマったら一直線。そういう性格が、色んなことに挑戦できる理由なのかもしれないです。

 本当に好きなものが変わりやすくて。だから逆にアイドルが4年も続いたことが奇跡だと思ってます。クマリデパートはずっと同じ熱量で続けて来られましたね。

──なぜ、変わらない熱量でクマリデパートを続けることができたのでしょうか?

 やっぱり、応援してくれるみんながいるのが大きいです。私の活動によって喜んでくれる人がいるのが嬉しくて。それがクマリデパートを続ける原動力でした。

 根底に人を喜ばせたいという気持ちがあるんです。実は、中二の頃に化学が好きだったのも、「1人で勉強するのが好き」というよりは「誰かに教えるのが好き」だったからで。みんなのためにテスト対策を作る、なんてこともしてました。みんなを喜ばせたい気持ちは、今も昔も変わりません。

──今後どのような活動をしていきたいですか?

 第一に、目の前のお仕事を一つ一つこなしていきたいです。その上で、声を活かしたお仕事はしたいですね。アイドル時代、声を褒めていただく機会が多くて、アイドル卒業後も声優の養成所に通っていて。今はどのような形でお仕事にできるかはっきりとは言えないんですけど、声は強みにしていきたいです。なるべく生涯ずっとお芝居を続けていけたらな、と思います。おばあちゃんになるまで演技を続けていけたらいいな。だから、ファンのみんなもおじいちゃんおばあちゃんになるまで受け止める覚悟でいてくれたら嬉しいです。ただ、みんなの心の支えではありたいけれど、私の存在がみんなにとって重荷にならないでほしくて。ふと「めいちゃん今何してるのかな?」と思ったときに、ちゃんと元気に活動してる。そんな存在になれたらと思います。

──最後に、塾生に一言お願いします。

 まずは、目の前のことを全力で楽しんでください。今、SNSで性格診断とか流行ってると思うんですけど、「自分はこういう人間だからこう生きなければならない」というのに縛られないでほしくて。目の前のことを楽しみつつ、自分がどう生きたいのか考えてほしいです。慶應は色々な経験ができる場所です。慶應での経験を存分に活かして、自分が本当にやりたいことを見つけてください!今の自分の決断が合っているかどうかは、将来の自分しかわからない。だからこそ、自信を持って決断ができるように、毎日を大切に生きてください。

 

夢望めい(ゆめの・めい)

慶應義塾大学看護医療学部を卒業。アイドルグループ「クマリデパート」の元メンバー。山乃メイ(やまのめい)名義で活動し、日本武道館やLINE CUBE SHIBUYA、ZeppDiverCity(TOKYO)でのワンマンライブを経験。個人では持ち前のトーク力を活かし、ラジオ番組やトーク番組に多く出演。

(安田理子)

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