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アルタビューティーは売上低迷が続くなか、新CEOスティールマン氏のもとで再成長戦略を実行し、短期間で業績回復を実現した。

EC拡張やスペースNKの買収、中東・メキシコへの進出、ターゲットとの提携解消など、攻めと整理を同時に進めた。

顧客と現場スタッフを中心に据える経営と、若い男性・少年層への拡張が今後の成長機会として浮かび上がっている。

1月、ケイシア・スティールマン氏は、ビューティー業界でもっとも強い影響力を持つ経営者のひとりとなった。

アルタビューティー(Ulta Beauty)で10年以上にわたり、COOやインターナショナル部門責任者などを歴任してきたスティールマン氏は、社長兼CEOに就任した。その船出は、決して平坦なものではなかった。

というのも、アルタの売上は2020年のパンデミックで急落し、2021年に一時的な回復は見せたものの、その後は約3年にわたり前年割れが続いていたからだ。スティールマン氏は1月にCEOに就任し、3月には「アルタビューティー・アンリーシュド(Ulta Beauty Unleashed)」と名付けた再成長計画を発表した。そして、わずか11カ月で、その戦略は結果を出しはじめている。

EC拡張、買収、国際展開——再成長を支えた打ち手

スティールマン氏のビジョンのもと、アルタはオンラインマーケットプレイスを新設し、Eコマースと商品構成を拡充した。

さらに、英国の専門ビューティー小売業者スペースNK(SpaceNK)を買収し、メキシコや中東への国際展開を進めたほか、ターゲット(Target)とのショップインショップ展開を解消するという難しい判断も主導した。そのすべてを進めながら、売上を大きく改善してきた。

スティールマン氏がCEOに就任して以降、アルタビューティーの売上は一貫して上昇基調にある。5月には純売上高が4.5%増加したと報告され、8月にはその数字が9.3%へと倍増した。さらに、先月発表された決算では、その成長率をほぼ3倍にまで押し上げている。

ホストのレクシー・レブサック氏は、スティールマン氏と対談し、就任初年度を振り返るとともに、2026年に向けた展望を掘り下げた。今回のエピソードは、ビューティー、ウェルネス、ファッション業界を支えるビジネスリーダーや変革者、キーパーソンを称える年次アワード「Glossy 50」を祝う内容にもなっている。

スティールマン氏のインタビューは、12月3週目に公開予定の完全版リストに先駆けた、特別なGlossy 50プレビューである。

今週のニュース:香りからサプリまで

インタビューに先立ち、レブサック氏は共同ホストのエミリー・ジェンセン氏とともに、今週のニュースを振り返った。

話題のひとつは、英国の睡眠ソリューション企業ディス・ワークス(This Works)が発表した新しい「就寝用フレグランス」の斬新なローンチだ。同ブランドは、ラベンダーやマグネシウムを配合したピロースプレーやボディオイルで知られているが、今週は睡眠の質向上を目的に、就寝前に使うファインフレグランス領域へと踏み出した。

また、エスティ・ローダー(Estée Lauder)傘下のM·A·Cコスメティックス(M.A.C. Cosmetics)の最新スポークスパーソンに起用されたポップスター、チャペル・ローンと、それに対するファンの賛否入り混じった反応についても議論した。

加えて、ギャップ(The Gap)とビューティーブランドのサマー・フライデーズ(Summer Fridays)による、ビューティー製品を含まない意外なコラボレーションを分析。さらに、セフォラ(Sephora)がサプリメントカテゴリーを品揃えから後退させた動きや、オールバーズ(Allbirds)の共同創業者兼元CEOによる話題の新ブランド立ち上げなど、サプリメント分野の最新動向も取り上げた。

「現場のスタッフを中心に置く」経営哲学

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スティールマン氏は、販売スタッフを重視する姿勢について次のように語った。

顧客と従業員を、あらゆる意思決定の中心に置き続ければ、ビジネスにとって本当に正しく、誠実で、自然なことに集中できる。私は30年以上小売業に携わってきたが、現場で日々働いていた頃、自分の役割が会社全体のビジョンやミッションとどう結びついているのかを、必ずしも理解できていなかった。現在は、それを組織のあらゆるレベルで可視化することに本気で取り組んでいる。誰もが自分の役割を理解し、勝つために一体となっている。その結果が、いま表れているのだろう。

若い男性や少年層へのリーチについても、スティールマン氏は可能性を強調した。

アルタビューティーには、常にさらなるシェア拡大の余地がある。これまで顧客基盤として想定されてこなかった層とも、引き続き関係を築いていく機会がある。たとえば、若い少年たちがスキンケアやフレグランスに強く関心を持ち始めている点は、その好例だ。彼らが私たちのエコシステムに入ってくる様子が見えはじめている。実に興味深い変化だと思う。

[原文:Ulta Beauty CEO Kecia Steelman unpacks her first year in charge and 2026 goals, plus news]

Lexy Lebsack(翻訳・編集:杉本結美)

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