「メイクも人生も“力を抜く”のがコツ」67歳・藤原美智子が実践してきた具体的な課題の解決法 | mi-mollet 10周年インタビュー 嵐と、凪と 人生後半の歩き方 | mi-mollet(ミモレ) - Moe Zine

「メイクも人生も“力を抜く”のがコツ」67歳・藤原美智子が実践してきた具体的な課題の解決法

2025.12.13

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ミモレは今年で10周年。誕生当時からともに歩んできた方も多いのではないでしょうか。その間に、環境も体調もホルモンバランスもメンタルもさまざまな変化を迎え、その変化の振り幅は今までの人生で最大レベルと感じている方も多いように思います。まさに人生における“嵐”期と呼んでも過言ではないこの年代を軽やかに過ごすためのコツや心構えを、人生の先輩たちにインタビュー。

ヘアメイクアップアーティストとして長年第一線で活躍し、今はビューティ・ライフスタイルデザイナーとして活動する藤原美智子さん。書籍『何歳からでも輝ける秘訣』(主婦の友社)にも書かれている藤原さんのアドバイスは、とても具体的でクリア。そこで、人生の波乱期とも言えるミドルエイジを朗らかに乗り切るための術を教えていただきました。

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藤原美智子さん

多くの雑誌や広告撮影などでヘアメイクとして活躍。透明感あふれるメイクを得意とし、誰もがそのエッセンスを取り入れられるようにと誌面などを通して、テクニックを惜しみなく伝授し、メイクの楽しさを広めた功績者。2022年、64歳の時に、42年間続けたヘアメイクの仕事を引退し、現在は、女性のライフスタイル全般を提案するビューティ・ライフスタイルデザイナーに。ライフスタイルから美しさをもたらすブランド『MICHIKO.LIFE』のプロデュースも手掛け、著書も多数。最新作は、彼女が実際に日々実践していることをまとめた『何歳からでも輝ける秘訣』(主婦の友社)。

前編「67歳・藤原美智子さんをお手本に。「ピークを過ぎたと思った50代」1ミリ1センチとコツコツ続けた結果」>>

 


動くと不思議とやる気が出てくる。30秒でも1分でもでもいいんです


――ストレッチを長年続けていらっしゃる藤原さん。継続すること自体、だんだんハードルが高くなっている気がします。

藤原美智子さん(以下、藤原):私自身、子供の頃はなかなか続かないタイプでした。だからこそ、どうしたら自分をコントロールできるか長年考えてきました。ストレッチは、気持ちいい、体や心が変わるという実感があったから続いたのもあるけれど、まずは「30秒でも1分でもいい」ことにしたんです。そうすると自然と5分できたりもする。長くすることよりも、とにかく毎日やることを優先しました。そのほうが「毎日やっている自分って、すごい!」と思えるから(笑)。そのために、目標やその期限を設定し、「記念日」というアプリやスケジュール帳などを利用して、目標をクリアしたらチェックマークをつけるようにしてきました。とにかく何にしても行動することが大事。動くと不思議とやる気が出てくるんですよ。

ーークヨクヨしてしまいがちという声が多く聞かれるミモレ世代。藤原さんはどうだったのでしょうか?

藤原:若い頃には、もちろんよく悩んでいました。3ヵ月ぐらい、ずっと悩んでいたこともありましたね。それが次第に1ヵ月になり、1週間になり、1日になりと、年々、悩む期間が短くなってきて、今はすぐ「まっ、いっか」と思えるように(笑)。それは、自分の性格とコントロールの仕方がわかったからなんです。私の場合、ヘアメイクアップアーティストとして誰かを輝かせる「裏方」としての仕事、誌面などに自分が出演してメイクテクなどを紹介する「表方」の仕事の両方があったので、マインドを切り替える訓練になったとは思います。ですが、そもそも悩むこと自体も訓練になる。どういう思考の仕方をすれば切り替えられるんだろう、とちょっと俯瞰で考えてみることが大事だと思います。

自分と向き合い、俯瞰で見つめる時間を。そこから解決先が見えてくる!


――確かに、ミモレ世代となると、もう大人。そろそろ自分の御し方を知りたいところです。

藤原:悩める20代は可愛くもあるし、影があると「大丈夫?」と近寄ってきてくれる人もいるかもしれませんが、50代ともなると残念ながら、そうはいかない(苦笑)。それだけではなく不幸感も漂ってくるので、近寄りがたくなるのが現実です。だから目指したいのは、自分の機嫌は自分で取れるようになること。自分で自分の幸福をつくれるようになること。そのためにも、自分と客観的に向き合うことが必要なんです。そこで私がしたのは、今、抱えている悩みや課題を紙に書き出すという作業です。

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――具体的に教えてください!

藤原:まずレポート用紙やコピー用紙など、紙を10枚用意します。たとえば、「いくつになっても自信が持てない」というのが悩みだとしたら、まずは、それを最初に書き出す。そして「そう思うのは、なぜ?」と自分に問うように書く。その後は自問自答しながら書き進めていくだけ。「いい格好をしたいから」「なぜ、いい格好したいの?」「だって、自分をよく見せたいのは当たり前では?」「だったら自分を磨かないと」「でも50歳で、何ができるのかしら?」「そうだ、藤原さんはまずは動くことが大事と言っていたわ!」「ストレッチがいいって」「でも続くかしら」……というように、心に浮かんだことをそのまま紙に書いていくの。たぶん7枚めぐらいになってくると、書くことがなくなってくると思うけれど、それでもやめず、絞り出して必ず10ページ埋める。すると、最終的に解決する具体策が見えて、前向きな考えにたどり着くんです。たとえ5枚めぐらいまで「なんでいつも私ってこうなんだろう」と後ろ向きな言葉しか出てこなくても、10枚に到達する頃には「こういうことをやってみよう!」と具体的な方法が出てくると思いますよ。

――なるほど。自分と真正面から向き合うことって大人になればなるほど、なくなっていきますもんね。

藤原:昔、ナスカの地上絵をヘリコプターに乗って空から見る機会があったのですが、地上から見ると、どんな絵なのかわからなくても、空から見ると「こういう絵だったのね!」と全体図がハッキリとわかる。それと同じで、自分の悩みや課題を俯瞰で客観的に見ることが大事。今はいろんなデジタルツールがあるけれど、最初は、ノートでもなく、一枚一枚の紙に書くといいかもしれません。書いたものを物理的に横に並べたほうが、自分の思考と思考のつながりを途切れさせることなく客観的に見ることができますから。それに書いた紙を俯瞰してみると、なぜか「こんなことで悩んじゃってバカみたい(笑)」と思えてくるから不思議。心がまえや精神論ももちろん大事。でも、それと同じくらいに大事なのは行動することだと私は思っています。

なんでもいいから学ぶこと。人生に深みが出て充実度が増します

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