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掲載日

2025年12月10日

知的財産の保護から、自社におけるAI活用の安全確保に至るまで、ファッション業界はなおAIとの向き合い方を模索している。そのため、12月9日にパリで開催されたLexposia主催のAssises Juridiques de la mode, du luxe et du designでこのテーマが取り上げられたのは、驚くにはあたらない。

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「2024年、私たちは各ポータルに対して250万件の偽のコンテンツを通報しました」と、大手LVMHのオンラインブランド保護部門ディレクター、ニコラ・ランベールは説明した。「新しい話ではありませんが、AIによって権利侵害コンテンツの生成が一段と容易になっています。現在、たとえばセフォラやディオール、その他グループ各ブランドの偽のアドベントカレンダーのオンライン広告が増殖しています。」

この加速については、ロレアル・グループのゼネラルカウンセル(最高法務責任者)であるアレクサンドル・メネも証言した。同氏によれば、この新技術の存在感の高まりは、企業と機械のあいだのやり取り、とりわけその活用方法についての再考を不可避にしている。

「インテリジェント・エージェントを相手にする場合、そのやり取りの帰属が誰にあるのかという問題が生じます」と同氏は指摘する。「私が見るリスクの一つは、企業が定めるクローズドなAIの使用ルールが大きく破られてしまうおそれがあることです。多くの従業員が、社内の枠組みを外れてAIを試したくなるでしょう。」

この点は、専門弁護士のクリスチアーヌ・フェラル=シュールも指摘する。パリ弁護士会の元会長で、全国弁護士会評議会の元会長でもある彼女は、権利者の同意のもとに提供された作品やデータで学習するクローズドなAIと、オープンなAIとの違いについて従業員に早急に周知する必要があると訴える。後者は権利者の同意を得ずに、AIの枠組みで認められた「テキスト・データ・マイニング(TDM)」の法定例外に依拠している。

左からフレデリック・ローズ(IMKI)、ニコラ・ランベール(LVMH)、クリスチアーヌ・フェラル=シュール(弁護士)左からフレデリック・ローズ(IMKI)、ニコラ・ランベール(LVMH)、クリスチアーヌ・フェラル=シュール(弁護士) – MG/FNW

「こうしたAIは、あらゆる“学習データ”をのみ込む怪物のような存在です。これに対しては、権利で保護されたデータと統制可能な仕組みを用いて、自社のAIシステムを構築することができます。従業員がオープンなシステムを好んで使えば、機械に餌を与えることになり、結果として自らの業務や創作物を競合を含む他者と事実上共有することになります。そこから偽造品や権利侵害作品が生まれるおそれがあります。」

またフェラル=シュールは、AIツールの提供事業者に確認すべき事項を強調した。実際、一部の事業者は利用規約の条項で、顧客の作業成果を全顧客向けのサービス改善に用いることを定めている。創作の現場では、これは当然ながら避けるべきだ。

フレデリック・ローズは、ザ・クープルズやG-Starといったブランド向けにカスタムの生成AIを設計するImkiを率いている。同氏はAIの高度化が進んでいると指摘する。「間もなく、型紙や実施用の技術資料まで作成できるようになるでしょう。すでに精度は高まりつつあり、素材や生地の目付け(グラム数)、縫製の種類まで特定できるようになっています。」

その詳細度は、いまや偽物の特定にも役立っている。これは権利者にとっても消費者にとっても同様だ。「回答を拒否するよう設計されたAIもありますが、なかには最適な“デュープ(類似品)”をどこで見つけられるかを提案してくるものもあります」とニコラ・ランベール。「AIと顧客との間はプライベートなチャネルであり、私がそこに踏み込むことはできません。しかし、将来はAIが不審な行動を特定できるようになるかもしれない。YouTubeのように、権利者の申請によりコンテンツの検索結果からの削除等を行うDMCA(権利者によるコンテンツのデリスティング措置)に相当する仕組みを、AIが偽造品へ誘導できないよう適用することも考えられるでしょう。」

ヒューゴ・ウェーバー(ミラクル)、ベノワ・ルトレル(アルコム)、ピエール・ベレツ(エブランド)ヒューゴ・ウェーバー(ミラクル)、ベノワ・ルトレル(アルコム)、ピエール・ベレツ(エブランド) – MG/FNW

「そしてAIを創作目的で活用するのであれば、既存ブランドの作品に似通ってしまう可能性のあるアイコニックな要素や固有のシグネチャーについて、レッドリストを定義しておく必要があります」とフェラル=シュールは述べる。さらに、AIの学習に用いられるデータへの“ウォーターマーキング(デジタルタトゥー)”の導入にも言及。これは将来的に著作権の対象とみなされ、エージェントの創作プロセスでの利用を妨げる可能性があるという。これはまた、AI生成物の作成日時や場所を記録する「情報のマーキング」にも加わる要素だ。

大手小売のマーケットプレイスを展開するフランスのユニコーン、Miraklの副社長ヒューゴ・ウェーバーは、すでに非常に高性能なアルゴリズムに対してAIがもたらし得る付加価値についても言及した。「Amazonプライムは物流の問題ではありません。翌日に届くのは、95%のケースで購入品がすでに出荷段階にあるほどアルゴリズムが優秀だからです」と同氏は要約する。同時に、シェインの裁判をマーケットプレイス全体への断罪にすり替えるべきではないとも呼びかけ、欧州、米国、中国の事業者では“責任”のとらえ方がそれぞれ異なると指摘した。

Arcom(視聴覚・デジタル通信の規制当局)の「オンライン・プラットフォーム」作業部会長であるベノワ・ルトレルも、シェインの件に言及した。「規制当局の予防的な対応から、司法による制裁的な対応へと移行しつつあります。次の段階は、とりわけ人工知能のケースにおいて、民事の領域で争われることになると考えます」と同氏。「欧州各国でArcomに相当する機関が力を増すなかで、フランスのデジタル主権が、いま構築されつつある欧州連合の主権の枠組みの中に位置付けられることを期待しています。」

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