12月5日(現地時間)、イタリアの高級メンズウェアブランド「ブリオーニ(Brioni)」が、デザインディレクターを務めてきたノーバート・スタンフル(Norbert Stumpfl)の退任を発表した。スタンフルは2018年に就任して以来7年間、ブランドのクリエイションを牽引してきた人物だ。
ブリオーニは2011年にケリング(Kering)の傘下に入り、翌年に買収が完了。その後は経営体制やクリエイティブの変化が続いており、2024〜2025年にかけてもCEO交代を含む組織再編が進行していた。今回の退任も、そうした大きな流れの一部とみられる。
ブランドは声明の中で、「スタンフルは“軽やかさ”と“控えめなエレガンス”の概念を精確に解釈し、伝統に敬意を払いながらメンズワードローブを現代的に進化させました」と評価している。
スタンフルがもたらした革新
オーストリア出身のクチュリエであるスタンフルは、卓越したテーラリング技術と素材研究への探究心で知られる。24Kゴールドの糸を用いたタキシードジャケットや、酵素加工により独特の風合いを引き出したシルク・リネンブレンドなど、伝統的技法と革新的アプローチを融合させるデザインは高い評価を得てきた。
在任中にはウィメンズウェアの本格展開にも取り組み、控えめで洗練されたラグジュアリーの美学を強固に確立。クラシックなサルトリアルの魅力を維持しながら、新たな顧客層にも訴求するバランス感覚が際立っていた。
なお、スタンフル退任後の後任はまだ発表されていない。
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