
全身ニットが今年の正解!【ヤンヤン】の“カラフル × ハッピー”で一気に旬顔に
かつては普段着イメージの強かったニットは近年、おしゃれウエアのキー素材になってきました。ドレッシーにまとえる提案が相次いだのに加え、ソフトな着心地もブームの理由。ニットウエアに強みを持つ、香港発の人気ブランド【YanYan(ヤンヤン)】からは気持ちをハッピーに押し上げてくれそうな、カラフルで懐かしげなニットルックが打ち出されました。自分好みに着こなしやすい新発想ニットをご紹介します。
レディーライク × ボヘミアンのミックス
「日常」にクラス感を盛り込む「デイリークチュール」のトレンドが浮上してきました。上品なレディーライクと気取らないボヘミアンのミックスはその一例。肩の力が抜けたこなれ感が備わり、着て行けるシーンも広がります。
半袖のニットカーディガンに、ミモレ丈スカートを引き合わせて、穏やかな着映えに。足元にはルーズソックスとクロッグサンダルを迎えて、ボヘミアンテイストを投入。ディテールに手仕事感を加えて上質さを印象づけました。
チェック柄の上下ハーモニー
チェック柄は引き続き根強い支持を集めています。英国由来のトラッド感を出せるのに加え、トラッドの崩しバージョンにあたる「プレッピー」のテイストもまとえるのが人気の理由。上下で異なるチェック柄を組み合わせる「チェック×チェック」のコンビネーションは動きが加わります。
チェック柄のニットジャケットに、同柄のニットパンツをコーディネート。配色が異なることで、統一感とずれ感が同居する見え具合に。ニットスカーフを斜め掛けにしてアクセントを添え、ジャケットとバッグにはファニーなモチーフを配して朗らかなムードに。足元に革靴を迎えて全体を引き締めました。
クロップド丈ニットでヘルシースマート
着丈が短めで、ほのかなチラ腹見せが楽しめるクロップド丈ニットの人気は継続。レイヤードと組み合わせれば、ほとんどオールシーズンで取り入れやすい着こなし。ボトムスにきちんと系アイテムを配して、上下でバランスを取る「ヘルシースマート」がスタイリングのコツです。
トレンドのクロップド丈ニットは正面の着丈が短めで、裾景色に動きが生まれて、もこもこ素材の質感がより立体的に。一方、ラベンダー色のタイトスカートはきちんと感を備えたスマートな風情。ニットバッグでチャーミングさをプラス。スカーフを髪と肩にあしらい、ニットならではの柔らかい魅力を引き立てました。
ミリタリーとチャーミングの交差
ミリタリーはブームを超えて、定番化する流れが強まってきました。弱くないキャラクター像を求める、着る側のマインドが背景にあります。いかにも軍服風の着方は避けて、フェミニンやチャーミングとの掛け合わせを試みるのが今の気分です。
ミリタリー風のニットジャケットは軍服イメージが薄めで、多彩に着こなしやすい新タイプです。ドットモチーフが愛らしさを添えています。裾が切りっぱなし風のショートパンツにレースのニーソックスでさらにチャーミングなムードをプラス。仕上げにスカーフを真知子巻きにすれば、レトロかわいい着こなしの完成です。
ニット主体で「スローファッション」 サステナビリティーを重視
「ヤンヤン」は2019年にスタートした、ニットウエアに強みを持つ香港発のブランドです。デザイナーのPhyllis Chan(フィリス・チャン)氏とテキスタイルデザイナーのSuzzie Chung(スージー・チュン)氏が組んだデュオ。ブランド名は広東語で「みんな」という意味です。プレイフルなムードやノスタルジックなレトロ感が持ち味です。
ニットブームを追い風に評価を高めてきました。「スローファッション」を掲げ、デッドストックや余剰素材も用いるというサスティナブルなアプローチで知られています。2025-26年秋冬コレクションではやや沈んだトーンを増やしつつ、愛らしいガチョウのモチーフをあちこちにあしらっています。
彩りの豊かな装いは、地味に見えがちな冬ルックにハッピー感をもたらしてくれます。ニットならではのぬくもりイメージはポジティブ感も寄り添わせそう。ニットの表現が一段と深まってきたこの冬は、「カラフル×ニット」の掛け算コーディネートを試してみませんか。
ファッションジャーナリスト 宮田理江
