
ピエトロ・ベッカーリ=ルイ・ヴィトン会長兼CEOおよびLVMHファッショングループ新会長兼CEO DOMINIQUE MAITRE/WWD ©︎FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は12月2日、シドニー・トレダノ(Sidney Toledano)LVMHファッショングループ会長兼最高経営責任者(CEO)が退任することを発表した。後任として、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のピエトロ・ベッカーリ(Pietro Beccari)会長兼CEOが2026年1月1日付で就任。現在の役職と兼任する。

シドニー・トレダノLVMHファッショングループ会長兼CEOおよび相談役 THOMAS CHENE/WWD ©︎FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
LVMHファッショングループは、「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ロエベ(LOEWE)」「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」「ケンゾー(KENZO)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「パトゥ(PATOU)」などのブランドを擁している。
ベルナール・アルノーLVMH会長兼CEOのコメント
ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOは、「30年以上にわたり、あらゆる状況の中で確固たる意志と高い能力、そして忠誠心を持って私のそばにいてくれたシドニーに心から感謝する」と語った。なお、トレダノLVMHファッショングループ会長兼CEOは、24年2月にアルノー会長兼CEOの相談役に就任しているが、それは引き続き務めるという。
アルノー会長兼CEOはまた、「ディオールやルイ・ヴィトンを成功裏に率いてきたピエトロが、LVMHファッショングループが擁するブランドについても、その豊かな専門知識を生かして統括してくれることをうれしく思う。彼はユニークな才能と無限のエネルギーを持つ、素晴らしいリーダーだ。才能ある人物を集めることに長けており、彼らをメゾンの未来のために育成してくれるだろう」と述べた。
トレダノ相談役とベッカーリ会長兼CEOの経歴
トレダノ相談役は、1994年にレザーグッズ部門のディレクターとしてクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)に入社し、98年に同社の会長兼CEOに就任した。アルノー一族の持株会社クリスチャン ディオールSE(CHRISTIAN DIOR SE)で複数の要職を経て、2018年にLVMHファッショングループの会長兼CEOに就任。24年2月にアルノー会長の相談役に就いたことに伴い、後任には同じくLVMHの重鎮マイケル・バーク(Michael Burke)=アルノー会長相談役(当時)が就任した。しかし、同氏が25年7月にLVMHアメリカの会長兼CEOに就任したことを受け、再びトレダノ相談役がLVMHファッショングループのトップを務めていた。
ベッカーリ=ルイ・ヴィトン会長兼CEOは、プロサッカー選手として活動後、消費財大手レキットベンキーザーで国際マーケティングのキャリアをスタート。ドイツのヘンケルなどを経て、06年にルイ・ヴィトンに入社した。最終的にはエグゼクティブ・バイスプレジデントを務め、12年にフェンディの会長兼CEOに就任。18年2月にクリスチャン・ディオール クチュールの会長兼CEOに就任し、23年2月から現職。
