【写真】不在のメンバー2人の立ち位置を空け、エンディングに手を繋ぐ四期生7人

■2年ぶりの開催となった「新参者」ライブ

「新参者」は、各坂道グループの新人たちによるライブで、2023年以来の開催となった。2025年4月にお披露目された櫻坂46の四期生によって開催された今回のライブは、稲熊と山田の体調不良によって終盤の4公演を7人で挑むこととなり、さらに佐藤愛桜も怪我のため参加楽曲を減らしての出演となった。しかし、そんなトラブルを感じさせないパフォーマンスで、会場、配信、ライブビューイングで見守るファンを圧倒した。

「Overture」に導かれるように、白い衣装を着用したメンバー7人がステージに登場すると、「Alter ego」からライブがスタート。センターの山川宇衣を中心に、軽快なステップを交えながらフレッシュなパフォーマンスを展開した。1曲目を終えて、浅井恋乃未が稲熊と山田の休演に触れ、「2人の気持ちも背負って、最後まで全力で走り抜けていきます!」と力強く宣言した。

また、佐藤も涙ぐみながら「(怪我により)千秋楽に曲数を減らすことになって悔しい思いもありますが、参加できる楽曲は全力でパフォーマンスするので、皆さんと最高の思い出を作れたらと思います」と思いを口にした。

その後、中川智尋や山川が千秋楽への意気込みを語ると、浅井がセンターに立ち、櫻坂46の1stシングルである「Nobody’s fault」にてライブが再開。1曲目とは対照的に、クールかつパワフルなパフォーマンスで存在感を発揮し、ここまで歴史をつないできた先輩メンバーへのリスペクトを表現した。続く「摩擦係数」では佐藤と松本和子がダブルセンターを務め、難易度の高いダンスに力強い歌声を乗せた。間奏ではアクロバティックなダンスも飛び出し、この短期間での成長ぶりを伺わせた。

■加入前から思い出深い楽曲「静寂の暴力」

また、「Make or Break」では目黒陽色と山川を中心としたフォーメーションで、豪快さとしなやかさが共存する櫻坂46らしいダンスを見せた。オリジナルバージョンには存在しない長尺のダンスパートも用意され、四期生にしか出せない個性をアピールした。

メンバーがステージから降りると、雑踏の音をバックに、静寂をテーマにした朗読が流れ始めた。そして、ステージには新たな衣装に着替えた7人の姿が。無音の中で7人が力強く踏み込むステップの音だけが響き、その流れから「静寂の暴力」へと突入した。グループ加入前には合宿の課題曲として挑み、6月に開催した四期生初の単独公演「櫻坂46 四期生『First Showcase』」でも披露したこの曲だが、この日は以前よりもさらに成長したパフォーマンスでファンを夢中にさせた。

ブレイクパートでは数十秒の沈黙と暗転が続き、佐藤が「喋りたい願望を捨てて 沈黙を愛せるか?」のせりふをしぼり出すように放つと、楽曲はクライマックスへ。最後まで続く一糸乱れぬダンスに、ファンも息を呑んだ。

ステージ上の7人に惜しみない拍手が送られると、中川センターの「五月雨よ」で空気は一変。緑一色に染まった会場に、優しく温かな歌声を届けた。さらに、美しいピアノの音色から「I want tomorrow to come」が始まり、迫力ある歌とダンスを披露した。

■キャプテン松田里奈のナレーションで20問20答

ライブ中盤には、今回の「新参者」でメンバー1人1人に課してきた20問20答の特別版として、キャプテン松田里奈のナレーションによる質問に7人が次々と回答。この期間を振り返るような設問に対し、7者7様の答えで場を和ませた。

「UDAGAWA GENERATION」にてライブ後半戦に突入すると、中川をセンターに迎え元気いっぱいのダンスで会場を沸かせた。その流れを引き継ぐように「コンビナート」「港区パセリ」を続けて披露すると、勝又春を中心に息の合ったパフォーマンスで会場の空気を掌握。

メンバーとBuddies(※ファンの呼称)がクラップで一体感を作り上げる「マンホールの蓋の上」ではギアが一段高く入り、照明やファンのペンライトで真っ赤に染まった会場で7人は気迫に満ちた歌とダンスを届けた。

さらに、「もう一曲 欲しいのかい?」では浅井の煽りを受け、全身を使った大きな動きで会場の熱気を高め、センター松本和子の存在感がキラリと光る「Dead end」では豪快さの際立つダンスでライブをクライマックスへと導いた。そして、佐藤を含む7人が「承認欲求」をパフォーマンスし、ライブ本編はフィナーレを迎えた。

■山川宇衣「どんなときも隣で一緒に走ってくれる同期の存在があるから」

アンコールは四期生のデビュー曲「死んだふり」からスタート。センターの山田や稲熊が欠けた形ではあるものの、今の7人で表現できる精一杯を披露した。その後、これまでの10公演を振り返り、浅井は「この距離感だからこそ感じられた感情がいっぱいあって、この経験させていただけてすごくうれしかったです」、松本は「本当は9人で駆け抜けたかった気持ちも強いですけど、同じ目標を持って努力できたこの経験はすごく貴重なものですし、今後の活動にも活かしていけたらなと思います」とコメント。

勝又も「ひなと桃ちゃんのことは常に心の中にありましたし、これからも何があっても9人で頑張っていきます」と笑顔で伝え、「これからも皆さんに満開の桜を届けられますように」のメッセージとともにラストナンバー「櫻坂の詩」へと突入した。

客席が桜色に染まる中、間奏パートではメンバーを代表して山川が、「10回の公演を経て、先輩方の大きな背中を追い続けることができるのも、この温かくて恵まれた環境と、どんなときも隣で一緒に走ってくれる同期の存在があるからだと強く感じています」と、現在の心境を伝えた。

この場にいない稲熊と山田へも思いを馳せ「この寂しさは、私がこれまでどれだけみんなの存在に支えられてきたのか、背中を押してもらってきたのか、改めて気づかせてくれるものでもありました。今はまだこのあまりにも恵まれた環境に身を任せるばかりで、自分たちは本当に頑張れているのかと自信を持てないこともありますが、これから櫻坂46という大好きで大切なグループをつないでいけるように、四期生一同、懸命に努力を重ねていきます」と力強く宣言した。

さらに、「Buddiesの皆さんにとって、毎日を少しでも明るくできるような、そんな存在になりたいです。これからも私たち四期生のことをよろしくお願いします」と涙ぐみながら伝えると、会場は温かな空気に包まれ、感動的な空気の中アンコールを終えた。

■Wアンコールで「Buddies」をパフォーマンス

ステージを去る前、勝又は「この期間、うまくいかなかったことや悔しかったことたくさんありましたが、それを乗り越えてこられたのは皆さんの温かい応援や、今日のような綺麗な景色を見させてくださるからです。今日ステージに立つことができなかった稲熊ひな、山田桃実、2人合わせて四期生は常に9人です。これからも私たちの声を受け取ってください!」と口にすると、会場からは盛大な拍手が沸き起こった。

本来ならここでライブは終了するはずだったが、鳴りやまない「櫻坂四期生コール」に応えるように、再度ステージに四期生が登場した。「Buddies」のパフォーマンスに加え、さらなるサプライズとして稲熊と山田からのメッセージが流れた。

それぞれ悔しさを滲ませながらも、この経験が未来に繋がるはずとポジティブなコメントを寄せており、それを聞く7人の目からも自然と涙が溢れた。そして、山川が「私たちは9人で手を取り合って、前へ進んでいきます。これからも櫻坂46四期生のことをよろしくお願いします」と締めくくり、7人全員での「Buddiesの皆さんのことが、大好き!」という叫びとともに、櫻坂46四期生による「新参者」全10公演の幕が閉じた。

■櫻坂46 四期生「新参者二〇二五 Live at THEATER MILANO-Za」

◇11月29日(土)◇東京・THEATER MILANO-Za

<出演者>
櫻坂46 四期生

<セットリスト>
00.Overture
01.Alter ego
02.Nobody’s fault
03.摩擦係数
04.自業自得
05.Make or Break
06.静寂の暴力
07.五月雨よ
08.I want tomorrow to come
09.UDAGAWA GENERATION
10.コンビナート
11.港区パセリ
12.マンホールの蓋の上
13.もう一曲 欲しいのかい?
14.Dead end
15.承認欲求
EN1.死んだふり
EN2.櫻坂の詩
W EN.Buddies

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