2025.11.29
1.坂道グループ特集
actresspress

CS放送TBSチャンネル1で放送中の音楽番組『Spicy Sessions』。その初となるライブイベント「Spicy Sessions -THE LIVE-」が10月24日(金)、KT Zepp Yokohamaで開催された。ステージに立ったのは、番組を支える二人のMC——ゴスペラーズ・黒沢薫と乃木坂46・中西アルノ。

“譜面を囲み、その場で作り上げる”という音楽の原点を届けてきた同番組が、ついに“リアルライブ”として結実した本公演。そのステージで最も強い輝きを放っていたひとりが、20歳を迎えたばかりの中西アルノだった。
以下では、エンタメ誌風に本ライブの模様とMCインタビューを再構成し、「ボーカリスト・中西アルノ」の現在地と、その魅力に迫る。

オープニングを飾った、緊張感バシバシの「獣ゆく細道」
中西アルノ(乃木坂46)

会場が暗転し、巨大スクリーンに番組の名場面が流れる。
そのラストに映し出される「Spicy Sessions –THE LIVE–」の文字。
期待に満ちた拍手の中、黒沢薫と中西アルノが姿を現す。
二人が歌い出したのは、黒沢のソロデビュー20周年EP『Singaholic』にも収録された「獣ゆく細道」。
低音と高音が交錯し、かすかに漂う緊張と昂揚。
最後の<狭き道をゆけ>のクレッシェンドまで完璧に揃った呼吸は、
まさに“この番組が生んだデュオ”の真骨頂だった。
中西は後のインタビューでこう語る。
「すごく緊張していました。でも、この曲の持つ張りつめた空気に、背中を押してもらえたんです」
黒沢も、「緊張しながら、それを楽しむのがライブ」と語り、
“細い道を切り拓いてきた番組そのもの”として、この曲の意義を噛みしめていた。

Penthouseとの再会で見せた、“成長”という名のスパイス

最初のゲストは、Penthouseの浪岡真太郎&大島真帆。
番組第3回以来の“リバイバルセッション”として、
「Layla」「やさしいキスをして」を披露した。
とりわけ印象的だったのは、中西がコーラスを担当した「やさしいキスをして」。
黒沢からの“ひとスパイス”の指名に応え、
ハイトーンで重なりあう大島とのロングトーン、
微細な息遣いまで揃えたクレッシェンド。
これらは、番組開始から約2年での彼女の成長をはっきりと示す場面だった。
歌い終えた中西に黒沢がかけたひと言も象徴的だ。
「パワー感が揃ったね」
音楽ライクな言葉に、彼女の表情は思わず緩んでいた。

中西アルノ(乃木坂46)
根本要との化学反応——“悪い子になってきたね”と言わせた瞬間

スターダスト☆レビューの根本要が登場すると会場の熱は一気に上昇。
「今夜だけきっと」では中西・黒沢もコーラス参加し、
続く「Bring It On Home to Me」「ハナミズキ」では
三者三様のボーカルが重なり合う至高の時間が流れた。
中西の歌声について、根本はこんな“ジョーク混じりの賛辞”を贈る。
「悪い子になってきたね」
これは、良い意味で“アドリブに飛び込む勇気”を手に入れた、という称賛だろう。
黒沢も「アドリブがうまくなってきた」と太鼓判を押し、
若きボーカリストの可能性に太い線が引かれた瞬間だった。

中西アルノ(乃木坂46)
圧巻の大団円「ラブ・ストーリーは突然に」——

中西アルノに託された<あの風になる>の理由**
前半のラストを飾ったのは、全員参加の「ラブ・ストーリーは突然に」。
多彩なボーカリストが一堂に会す中、
中西に託されたのは、歌詞でも象徴的なフレーズ<あの風になる>。
黒沢はその理由を明確に語っている。
「あのフレーズを“スッと消えるように”歌えるのはアルノさんだと思った」
実際、中西は語尾を伸ばさず、
“余白”を残すアプローチで美しい余韻を描いて見せた。
中西:「皆さんの声が強いからこそ、私は優しく歌おうと。
余白を残すことで、次の展開に風を運べればと思いました」
黒沢はその解釈に、
「ほんっと、ばっちり」
と満面の賛辞。
歌声だけでなく“曲に対する解像度”の高さも際立ったひと幕だった。

中西アルノ(乃木坂46)
ライブを経て見えた、“乃木坂46・中西アルノ”の現在地

エモーショナルな歌声、鋭敏な表現力、そして確かな成長。
『Spicy Sessions』という“細い獣道”の上で、
中西アルノは確実に音楽的な翼を広げている。
ライブ後の彼女の言葉が、その成長を象徴している。
「恐怖だったフェイクやアドリブに、今回は楽しく飛び込めた」
偶然を楽しむ。音に委ねる。
その姿こそが、ボーカリストとしての大きな飛躍を物語っている。

中西アルノ(乃木坂46)

【オンエア情報】
『Spicy Sessions -THE LIVE- 第1部』
📺 2025年11月29日(土) 午後11:30〜深夜0:40
📡 CS放送 TBSチャンネル1

◎ACTRESS PRESS編集部

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