しかし、どこからが“過剰消費”になるのだろう? 何を基準にセカンドハンド品を買い過ぎていることになるのか? ベルリンに拠点を置くシンクタンク、Hot or Cool Instituteが2022年に行った調査によると、パリ協定で示された「産業革命以前に比べて世界の平均気温の上昇を1.5°C未満に抑える」という目標に沿うためには、1年間の新しい服の購入を5着に抑えるする必要があるという。古着に関しては具体的な数は示されていないが、大体の目安にはなる数字だ。
「何かを“セカンドハンド”と呼べるまでに決まった期間はないです。一度人の手に渡ったものを“セカンドハンド”と言うので、商品そのものの寿命の指標にはなりません」とHot or Cool Instituteのマネージング・ディレクターであるルイス・アケンジは以前語ってくれた。「なので、古着を5着のうちにカウントする必要はないと思います。かと言って0.5着でもないですね」
大量に買ってはすぐに手放す、ファストファッションのような消費サイクル
2026年春夏コペンハーゲン・ファッションウィークにて。着ているのはセカンドハンドで購入したチョポヴァ ロウェナのドレス。
Photo: Acielle/StyleDuMonde
レシートをすべて見返してみたところ、今年はこれまでに10点のセカンドハンドアイテムを買っていることがわかった。この前の散財を考えると、心配していたほど多くはないが、妥当な消費量だとも言い難い。そして『VOGUE』のオフィスでアンケートを取ったところ、深夜にリユースサイトをチェックする習慣があるのは私だけではないことがわかり、同僚たちのほとんどは、自分たちがいかに多くのものを買っているかに驚いていた。
「大きな買い物はあまりしていないので、『今年はセーブしている』と自分に言い聞かせていました」と、現時点で22着の古着を購入しているファッション・ライターのオリビア・アレンは言う。一方、今年すでに約30点のセカンドハンド品を購入しているUK版『VOGUE』のショッピング・エディターであるジョイ・モンゴメリーは「リユース品であれば、買い物をしているうちに入らない」とついつい都合良く考えてしまうと認めた。「リユース品を優先して買うことのほうが地球にも環境にも優しいと思っています。でも、新品であろうとなかろうと、衝動買いは衝動買いです。後々後悔することは経験上わかっています」と彼女は振り返る。
