
上海ファッション・ウイークの会場の一つ COURTESY PHOTO
次世代のファッション・ウイークを担う6都市を「WWDJAPAN」が選定。事情に詳しい専門家が、それぞれの特徴や展望について解説する。(この記事は「WWDJAPAN」2025年11月17日号からの抜粋です)
CHINA
この人が解説

ヨハネス・ノイバッハー(Johannes Neubacher)/「WWD CHINA」バイス・プレジデント
圧倒的なスピードで加速度的に進化
上海ファッション・ウイークの会場付近の様子
ショーの様子
上海ファッション・ウイークの会場の一つ COURTESY PHOTO
上海ファッション・ウイーク(SFW)は、20年以上の歳月を経て大きな変貌を遂げた。2001年にスタートした当初は、中国のデザイナーが国内で認知される場所を提供する地域的なショーケースだったが、今や創造性と商業性の両面を併せ持ち、ランウエイ、ショールーム、見本市、ライブ配信機能などを備えた総合的なファッション・ウイークとしてグローバルに影響を及ぼす一大イベントに進化している。25年10月に開催された26年春夏シーズンでは、上海の新天地エリアを中心に市内各所の会場で100を超えるショーが開催され、4000点以上の新作アイテムが披露された。
こうした進化の背景には、実行委員会の尽力に加えて、周辺を支えるネットワークやコミュニティーの活動が大きく貢献している。セレクトショップであり新進デザイナーらを支援するプラットフォームでもあるレーベルフッド、見本市を開催しているモード上海、そしてトゥドゥー、ラブ、チューブなどのキュレーション型ショールームがファッション・ウイークの商業インフラとして機能することで、参加ブランドは“SFWでの注目を取引へと転換”することが可能となった。なお、今季はショールームと見本市で合計約6万㎡に及ぶスペースに、1000を超えるブランドが参加。モード上海の見本市だけでも、およそ1万7000㎡の会場に30カ国から約250のブランドが参加しており、そのうち半数以上が海外ブランドだった。業界関係者によれば、参加ブランド数や来場バイヤー数はシーズンを重ねるごとに安定的に増加しているという。SFWは華やかなファッションイベントであると同時に、グローバルなマーケットプレイスでもあるのだ。
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