「私はもう何年も敏感肌とニキビに悩まされていたので、コンシーラーが手放せませんでした。そんな肌を改善したくていろいろな化粧品を試してみたのですが、刺激の強い成分を試しすぎてかえって悪化させてしまったのです。そこで、ルーティーンをシンプルにして毎日保湿中心のケアをしたら肌が生まれ変わった。そんな実体験をもとに立ち上げたのが、私のブランド「The Outset」です」
かつてアメリカのメディア「Katie Couric Media」のインタビューでこう語った俳優のスカーレット・イングリッド・ヨハンソンは、1984年11月22日アメリカ・ニューヨークで生まれた。今日41歳を迎えた彼女は、2022年にローンチしたスキンケアブランド「The Outset」のCEOとしても知られ、彼女の美の哲学に共感するファンから絶大な支持を得ている同ブランドのセールスはデビュー以来好調だ。
内面を如実に映し出す”肌”
いくらセレブリティといえども、常に完璧な肌を求めるのは非現実的だ。さらには、遺伝的な理由や生理/更年期などのホルモンバランスの乱れなどもあり、メイクや写真の修正をもってしても隠しきれないダメージが出来てしまうのは致し方ないことでもある。が、”ハリウッドセレブ=完璧”というプレッシャーから常にニキビや吹き出物に悩まされてきたというスカーレットは、自身のメンタルの状態に肌のコンディションが影響されてきたと語る。
「ブランド立ち上げまでに5年間を費やし、リサーチと研究を重ねて製品開発者と何度もミーティングをしました。そのプロセスの中で大きな励みになったのが、同じ悩みを抱える人の声でした。プレッシャーを感じるとニキビができる、心配事で心がざわつくと肌が荒れるなど、肌のコンディションがメンタルに影響されると実感している人が私以外にも大勢いることを知ったのです。だからこそ、ベストな肌コンディションを保つには、化粧品だけではなく精神の安定も必要だということ──この点も、ブランドメッセージとして打ち出したかったのです」
脆い自尊心と肌の健康に大きくのしかかるSNS
こう語る彼女は、有名人の”商売道具”として欠かせないSNSを一切利用していない数少ないセレブの一人としても知られるが、その理由も至って明白だ。
「私がSNSをやらない理由は、私の自尊心が脆すぎて肌のコンディションに影響するから。SNSをやると嫌でも誰かと自分を比較したり、トレンドに合わせてお金を使いすぎたり、自分の生活に不満を感じはじめます。本当に、デジタル時代を生きるということは、まるで地雷原を歩いているようなものだと思います」
