2021年に第1回を開催後、3年連続で実施してきたフジ テキスタイル ウィークは、昨年1年間の準備期間を経て今年度から2年に1度開催のビエンナーレ形式を採用。2年ぶりの開催となった今回は「織り目に流れるもの」をテーマに、国内外から招へいした約30組のクリエイターたちが約1年間にわたり現地でリサーチを重ねて制作した新作を発表する。
展示会場は、富士吉田市の織物産業にまつわる空き店舗や空き家を活用。氷室をリノベーションした会場「FUJIHIMURO」では、宮前義之氏率いる「エイポック エイブル イッセイ ミヤケ(A-POC ABLE ISSEY MIYAKE)」が横尾忠則氏とのコラボレーションで製作した未発表作品を展示する。

同作は、コロナ禍前の2019年に製作された、故・三宅一生氏と宮前氏が共に手掛けた最後のコレクション。1977年からイッセイ ミヤケのパリコレクションの招待状のデザインを手掛けている横尾氏への恩返しのために企画されたが、発表の場として予定していた展覧会がコロナの影響で白紙になって以降、発表の機会を失っていた。同作で得たテクニックは、後に発表された宮前氏とそのチームが横尾氏と共に⾐服の可能性を追求するプロジェクト「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE」に受け継がれている。発表の機会を探していたことに加え、同作をはじめとするイッセイミヤケの布作りを長年富士吉田市の隣町である西桂町で行っているという地理的な縁も参加のきっかけとなったという。宮前氏は「横尾先生にも今回のフジ テキスタイル ウィークに出展することをお伝えすると、とても喜んでいただけました。みなさまにご覧いただくことができて嬉しいです」とコメント。「6〜7色の糸の組み合わせによって横尾先生の描く色彩豊かな作品を表現するのは技術的に非常に難しい。テキスタイルとしても高い技術が込められたものになります」と話した。会場では、生地が壁面から少し離して吊るされており、表面だけでなく裏面の仕上げまで美しく織り上げられたテキスタイルを鑑賞することができる。

「表で使わない糸は全て裏面に出るので、予測できなかった表情が生まれます。横尾先生にお見せすると、『表より裏の方が面白い』とおっしゃいます」(宮前氏)
このほか、会期中は作品展示のほかにも富士吉田産のテキスタイルを使用した雑貨の販売、ワークショップなどのイベントも予定している。
フジ テキスタイル ウィーク展示作品(一部)

