その後、2013年にOFF-WHITE立ち上げ、2015年にLVMHプライズ選出、2018年にはルイ・ヴィトンのメンズ アーティスティック・ディレクター就任を果たす。 わずか6年で業界の頂点に登り詰めた。

だが、彼を特異にしていたのは、彼がデザイナーであると同時にアーキビストでもあったという点だ。完成した作品だけでなく、メモ、原型、試作品、大学時代のノートやポートフォリオまで、すべてを保存し続けた。

ヴァージル・アブローが遺したものヴァージル・アブローが遺したもの

2020年、ヴァージルは自らのノウハウをまとめたフリーサイト「フリーゲーム(FREE GAME)」を開設し、同年には黒人学生向けの奨学金ファンドを設立した。 それは、デザインのプロセス自体が次世代のための遺産だと彼が信じていたからだ。

ハイとローを往還する姿勢

1階の展示空間には、デザインしたファッションアイテムやIKEA、EVIANなどのコラボアイテム、インテリア家具が巨大な棚に陳列されている。 世界各国に拡散したOFF-WHITEのグラフィックTシャツから、彼が多用していたクォーテーションマークが大胆にプリントされたバッグまで。ファッションアイテムだけではなく、村上隆のサインが入ったルイ・ヴィトンの時計やアンダーカバーとのコラボコレクションなど日本との交友関係を感じられるアイテムも。

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