By
Bloomberg
掲載日
2025年11月17日
マッキンゼー・アンド・カンパニーの報告書によれば、関税やコストの上昇が業界の重荷となるなか、ファッション業界の経営幹部の約4分の3が来年の値上げを見込んでいる。
今後1年でアパレル価格が上昇する可能性
マッキンゼーのデータによると、これは前年には値上げを見込むと答えた経営幹部が約半数にとどまっていたのに比べ、大幅な増加となる。これらの値上げは、関税やコストの上昇分を相殺する狙いだという。
マッキンゼーはまた、「マクロ経済のボラティリティの高まりが引き続きセンチメントの重しとなり、価値志向の消費行動を促すと見込まれる」ため、今後1年間の業界成長は低調にとどまると予測している。
ここ数カ月、消費者は支出を抑え、経済全体でのコスト上昇が裁量的支出を侵食するなか、必需品の購入を優先している。複数のファッションおよびアパレルブランドが、直近の決算で値上げの方針を示している。
9月には、アメリカン・イーグル・アウトフィッターズのマイク・マティアス最高財務責任者(CFO)が、値上げは経費増を補うための「手段のひとつ」だと述べた。同社はまた、生産拠点の最適化やサプライヤーとの交渉、輸送費の低減にも取り組む考えだ。
今月初め、ラルフ・ローレンのジャスティン・ピチッチ最高財務責任者(CFO)は投資家に対し、関税の上昇に対応して、ブランドの2026年秋季および春季ラインナップの価格に「小幅な調整」を加えていると説明した。
マッキンゼーは、「厳しい」2025年を経て、来年の高級品市場には緩やかな改善が見込まれると予測している。同社によれば、「高価格は、憧れ層の顧客にとって依然として大きなハードル」であり、多くの潜在的なラグジュアリー消費者は、むしろ個人のウェルネスや健康に関心を向けているという。
