水生植物のトップ女優VS地下アイドル!「ヒツジグサ」と「コウホネ」│植物ライター・成清 陽のヤマノハナ手帖 #50
登山&撮影をライフワークとする花ライターがお送りする、高山植物の偏愛記。静かに、しかしアツ~く、お花をご紹介します!
連日30℃後半を記録した、今年の夏。アツイアツイ、と騒いでいたら、10月に入ったとたんに今度は超絶冷え込みとな。もはやジェットコースターの気象に、筆者は寝袋に足を突っ込んで原稿書きに励んでいる次第です(めちゃ眠くなるんだ、コレが)。さて今回は、そんな寒気を追いやるべく、暖かい時期を彩る水生植物をご紹介。真夏の太陽をイメージさせる美少女ふたりを思い起こして、心をポッカポカにしちゃいましょう~!
レアなネーミング「ひつじ」
名前の由来がまあまあ知られているからこそ、とある山の中でこんな会話が……。「『未(ひつじ)の刻』に咲くから、ヒツジグサっていうんだよね? 」(ドヤ顔)。「でも、花が咲くのは午前かららしい」(ドヤドヤッ)。「そして未の刻はね、正確には午後2時を含む2時間のことだよっ♪」(ドヤドヤドヤッ)。……さすがにドン引きですな。それよりも注目したいのは、「たくさんの葉っぱがヒツジ雲に見える」! これ、由来の新説になりません?
Data
ヒツジグサ(スイレン科)
一般的な花期:7月~8月
主な生育場所:山地の池塘など。
眠たい一族、のはずが……
ちなみに、ヒツジグサはスイレンのお仲間。スイレン=「睡蓮」だけに、“睡”眠大好き! と思いきや、夕方までお目々(花)がパッチリ開いている、スイレンたち。ヒツジグサも例外に漏れず、日中しっかりとハイカーを楽しませてくれます。ちなみに、よほどスイレンたちより早く眠たくなって、午後に花が閉じるのはハス(蓮)。こっちのほうが、おもしろい小ネタでしょ? ドヤ~ッ!! 。
平地でも出会えて、うれしさ倍増
ところでヒツジグサ、じつは山地の池塘(※雨水だけで成立する湿地の池)特有の植物というわけではなく、アメリカザリガニやブルーギルなどが放たれていない、低標高地の池にも生育します。そんなヒツジグサの醍醐味はいわずもがな清楚な花、そして真っ赤な紅葉。秋の尾瀬か原、元ガール(=オバチャンハイカー)たちが「キャー、キレイ~」と黄色い声を上げるシーンは、もはや定番です。ちなみに私は今春、芽吹きの美しさにも「キャー、キレイ~」って叫びましたよ!
