2000年代初頭に大ブームとなり、周りを見渡せばモノグラムのバッグを持っている人で溢れているほど大人気だった「コーチ」のバッグ。年齢・性別問わず、“コーチを知らない人はいない”ような状態にまで認知度は上がり、ブランドのコンセプトである「アクセシブル・ラグジュアリー(手の届く高級品)」の地位も築きました。その後は、トレンドの変化とともにファッションの多様化も進み、人気は落ち着いていきます。でも「コーチ」はずっと進化を止めませんでした。そして、数年前から大復活! 今やZ世代の“欲しいブランド”にまでなっています。その現状を北米在住ファッションエディターが解説します。


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コーチの爆発的な再ブームを予感させた「エンパイア キャリーオール バッグ」の登場

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2024年2月12日におこなわれた、2024-25秋冬 ニューヨークコレクション「Runway Coach Fall 2024 Show」で登場したバッグ「エンパイア キャリーオール バッグ」。 写真:bfa.com/アフロ

コーチの改革は、2013年、元ロエベのデザイナー、スチュアート・ヴィヴァース氏が新しいクリエイティブ・ディレクターに就任したときからずっと続いてきました。コーチらしいクラフトマンシップと伝統を最大限に生かすことを重視しながらブランドを再構築。Y2K(2000年代のリバイバル)トレンドやSNSやTikTokでの拡散が後押しし、今やZ世代を中心に再び注目されるようになったんです。 コーチの昔からの魅力である“高品質なのに手が届く価格帯”な点も、若い世代に刺さった理由だと思います。

そんなZ世代を中心に大人気のコーチですが、2000年代初頭のコーチの一大ブームを経験しているミドル世代にさえ、「コーチがまた“キテる”かも!」と思わせたのは、2024/2025秋冬コレクションに登場したバッグ、「エンパイア キャリーオール バッグ」の存在です。

このバッグを初めて見たときに、60年代から90年代にあった“オールド・コーチ”と呼ばれるレザーのバッグのようなヴィンテージ感がありつつも、モダン。これぞ、現代のコーチらしいバッグだと感動しました。

ちょうどチャームをじゃらじゃらと付けるのがブームになっていたことも追い風となり、このバッグは一気に“イットバッグ”として駆け上がっていきました。

 

コーチの人気再燃を下支えしてきたアイコンバッグ「タビー」

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2025年9月24日に撮影。バッグ/コーチ 写真:Backgrid UK/アフロ

コーチは人気再燃はもちろん、去年からのものではありません。今のコーチのアイコンバッグとなっているのが、2019年に誕生したモデル「タビー」。これは1970年代のアーカイブにインスパイアされたシルエットに、シグネチャー“C”のハードウェアでモダンに仕上げたデザインになっています。これは発売してすぐに人気に火がつき、今でも新作が出るたびに注目が集まる名品。

モデルのベラ・ハディッドさんが今年9月のパリのファッションウィークでキャッチされたときに肩にかけていたのもこのバッグの新作です。

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