【画像・写真2枚目】みんなで「one」になれた瞬間――若林春来が語る、アイドルカレッジの絆とリーダーの覚悟(撮影・石井千鶴)
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 アイドルグループ「アイドルカレッジ」の若林春来が、新曲「Owen」のリリースを受け、スポニチ東京本社でソロインタビューに応じた。昨年10月のリーダー就任から1年。グループの中心で過ごした日々は、“声を張る強さ”よりも“黙る勇気”の大切さを教えてくれたという。(「推し面」取材班)

【若林春来 連載①】みんなで「one」になれた瞬間

 昨年8月の取材では、当時のリーダー・海老原優花と南千紗登の卒業を前に「2人が抜けた後、そのポジションを担えるようになりたい」と語っていた。重責を前にしても、まっすぐな眼差しが印象的だった。あれから1年余り。言葉の選び方や間の取り方に、確かな落ち着きがにじむ。

 いま、若林が心に置いているのは二つの言葉だ。

 「『調子がいい時は黙る』、そして『言うか迷ったら言わない』。以前は思ったことをすぐ口にしてしまっていたんです。スタッフさんにもメンバーにも。でも今は“これって本当に言うタイミングなのかな?”と一度飲み込んで考えるようになりました」

 衝動ではなく、静けさでまとめる。

 「その分、みんなの声を聞けるようになりました。リーダーになる前は、ガンガン言ってばかりでしたが(笑)」。状況を受け止め、相手を思い、チームを整えるための選択。それが若林のリーダー哲学だ。

 「最初は不安しかなかったです。いざやってみたら“リーダーすぎない”というか…。『こうしなきゃ』と決めつけず、自然体でいながらアドバイスしたり、褒めたり。メンバーに厳しくしすぎず、友達のような距離感で接することで、みんなが活動しやすくなっている気がします。それが全体のいい雰囲気につながっていると、この1年で実感しました」

 自分を律しながら、締めるところは締める。事前確認を怠らず、運営やメンバーとの連絡にも率先して応じる。その誠実さの根には、中学時代の“苦い記憶”がある。

 「吹奏楽部に入ったばかりの頃、コンクールでメインのスネアドラムを任されたんです。でも練習をさぼったり遅刻したりしていたら、タンバリンにパートを変えられてしまって。本当に悔しかった。日々の行いが信頼をつくるんだと実感しました」。軽い気持ちで失った信頼。その経験が、今のリーダーとしての誠実さを支えている。

 リーダー就任から1年。声を張るより、黙ることを覚えた。仲間の声に耳を傾け、空気を感じ、必要な時に言葉を置く。それが、グループに安定と信頼をもたらしている。

 「調子がいい時は黙る。言うか迷ったら言わない」。その信条が、加入時期や年齢の異なる集合体をひとつにしている。

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