
【画像・写真3枚目】ステージに立てなかった半年間「それでも見続けてくれた」――アイドルカレッジ藤代梨々花、けがからの復帰と再び重ねた視線の意味(撮影・髙橋 舞夏)
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女性アイドルグループ「アイドルカレッジ」(通称アイカレ)の副リーダー・藤代梨々花が、スポーツニッポン東京本社でソロインタビューに応じた。けがと葛藤を抱える中でつかんだメンバーとの絆を強く感じた瞬間、そして「宝物」と語るグループへの思いとは。(「推し面」取材班)
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アイカレのライブは、とにかく緊張感がある──。
それは、藤代が加入してから何度も実感してきたことだった。ステージの立ち位置一つひとつに意味があり、誰もがそこに自分の価値を見出そうとする。「ライブごとに立ち位置が変わるので直前までみんな集中していて。だから楽屋でも静かなんですよ」。それはなれ合いではなく、真剣勝負の場に身を置いている証だった。
「真面目でコツコツ、自分と戦える子じゃないとアイカレは厳しいと思う」
誰かと比べるのではなく、昨日の自分を超え続ける。そんな空気の中で藤代自身もまた、自分との戦いを続けていた。
転機となったのはけがを抱えて臨んだ全国ツアー。足首の靭帯を損傷し半年間舞台に立てなかった。しばらくはリハーサルにも参加できず舞台袖で一人座る姿に悔しさと惨めさが募った。そんな中「椅子に座る」という形でステージに上がることに。
ライブの最後を締める楽曲「one」のラストで恒例となっているハグシーン。通常なら舞台中央に集まるその瞬間、メンバーは、椅子に座る藤代の元に駆け寄り、抱きしめた。「メンバーが『みんなで梨々花のところに行きたい』って言ってくれて…。端っこだったけど来てくれて。本当にうれしかった」。それは一人ではないことの証明であり、アイカレの本当の強さと絆を感じた瞬間だった。
今のアイカレを一言で言うなら?そう尋ねると少し考えた末にこう答えた。「自分の宝物」。
「人生の中で(加入してからの)6年間が一番濃くて。大人になって、こんなに全力になれる場所ってなかなかないと思う。涙を流して頑張れる場所に出合えたこと。それが本当に宝物なんです」
悔しさや惨めに感じた経験を経てステージに立ち続ける。だから今日も全力で“今”を抱きしめている。
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