掲載日

2025年10月28日

カリフォルニア発のサクセスストーリーです。ファッション業界で数十年の経験を積んだ友人同士、リサ・ヒッキーとジェン・メンチャカが2020年に設立したPerfectwhiteteeは、目覚ましい成長を遂げました。

この5年間で、2人は約20万枚の白Tシャツを含む130万点以上を販売し、130色超のカスタムカラーを展開。ジギー、ヘンドリックス、ハーレーといったカルト的人気のスタイルも生み出し、いずれも5万枚超のヒットとなっています。

2023年にニューヨークで最初の店舗をオープン(現在は閉店)し、昨年9月にはビバリーヒルズでポップアップストアも開催。現在はEC事業の拡大に注力しています。米国に続き、Perfectwhiteteeはオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イスラエル、そして日本にも展開しています。

Perfectwhiteteeの創設者、ジェン・メンチャカとリサ・ヒッキーPerfectwhiteteeの創設者、ジェン・メンチャカとリサ・ヒッキー – Perfectwhitetee

FashionNetwork : お二人の出会いは?

J.M.:私たちが出会ったのは、Perfectwhiteteeを立ち上げる何年も前のことです。リサはニューヨークのマルチラインのショールームを通じて、私の以前のブランドの販売を手がけていました。約7年にわたり一緒に仕事をするうちに、単なる同僚の関係を越えて、親しい友人になりました。2人ともファッション業界に深く身を置き、展示会に参加し、バイヤーと対話を重ねる中で、小売店や顧客が何を求めているのかを本当に理解するようになっていきました。

FNW:その後、一緒にブランドを立ち上げることになったのですか?

リサ・ヒッキー:2019年ごろには、市場に明確なギャップがあると感じ始めていました。優れたベーシックにこだわる私たちにとって、完璧な白Tシャツのようにシンプルでタイムレスなアイテムであっても、常に在庫があり、上質で、米国内で責任ある形で生産されているものを見つけるのは驚くほど難しかったのです。そこで、既存のものを車輪の再発明ではなく磨き上げるという発想を核に、自分たちでつくることにしました。

FNW:パンデミックの真っ只中である2020年のローンチは、足かせになりましたか?
J.M.:Perfectwhiteteeを正式に立ち上げたのは、世界がロックダウンに入る数日前でした。最悪のタイミングになり得たものの、結果的にはコミュニティに支えられる好機となりました。すべてをロサンゼルスのローカルで生産していたおかげで、迅速に方向転換し、サプライチェーンが滞った際も小売パートナーを支え、長年培ってきた関係を通じて有機的に成長できたのです。創業当初から、「心から愛せるものを、自分たちのやり方でつくる」という共通のビジョンに根ざしてきました。

Perfectwhiteteeコレクションのベストセラー、ハーレーPerfectwhiteteeコレクションのベストセラー、ハーレー – Perfectwhitetee

FNW:パーフェクトなTシャツを作る基準は何でしたか?

L.H.:私たちはずっとTシャツが大好きで、すべてはそこから始まります。私たちにとって、優れたTシャツは単なるワードローブの基本ではなく、感情と結びついているもの。ジェンは、完璧に着古した白いVネックを着たお父さんを見て育ったといつも話しますが、それは時代を超えたさりげないスタイルの象徴でした。その感覚がPerfectwhiteteeの基礎になりました。

J.M.:周りを見渡すと、多くのブランドではTシャツが後付けで、デニムやドレスのラインに付け足されている存在でした。けれど私たちはTシャツを主役にしたかった。完璧なVネック、完璧なクルー、完璧なタンク、完璧なスウェット、完璧なジョガー……品質、快適さ、フィットに最高水準でこだわることで「完璧」という言葉を自分たちのものにしたいと考えました。シンプルであること、やることを絞り、そのぶん卓越させることを信条としています。私たちが生み出すすべてのスタイルは、そのカテゴリーで最高でなければなりません。車輪を再発明するのではなく、磨き上げるのです。すべてをロサンゼルスで生産しているからこそ、小売店やお客様の声に耳を傾け、素早く方向転換し、愛される点や必要とされる点にリアルタイムで応えることができます。

FNW:使用しているコットンの種類について教えてください。

J.M.:私たちは生地にとてもこだわっています。というのも、Tシャツは単なる衣服ではなく、ワードローブの基礎だと考えているからです。私たちのTシャツは、カリフォルニアの家族経営のミル(工場)で編み・仕上げまで行う、シャリ感のある高品質のコットンから始まります。ハーレーTシャツをはじめ、すべての定番Tシャツで、実際のお客様の声に応えるべく、コットンの適切な重量とハンド(手触り、編集部注)を追求しています。さらに、ジョニー・ジョガーに採用しているシグネチャーのフレンチテリーや、バイラルヒットとなったジギー・スウェットの定番素材であるお気に入りのフリースも展開。大半の製品はロサンゼルスで編み立て、裁断、縫製、染色まで行っています。また、アラニスTシャツで展開するリサイクルコットン混のカプセルコレクションもあります。

PerfectwhiteteeのZiggyスウェットシャツPerfectwhiteteeのZiggyスウェットシャツ – Perfectwhitetee

FNW:カリフォルニアで生産することに、特に強い思い入れがあったのですか?

L.H.:もちろんです。カリフォルニアでコアベーシックを生産することは、私たちにとって非常に意図的な決断でした。単に美しくデザインされたものではなく、誠実につくられ、地元で、そしてお客様や小売パートナーに素早く対応できる柔軟性を持たせたかったのです。私たちはロサンゼルスの家族経営による垂直統合型のニット・縫製工場と協業しており、生地を知り尽くしたパートナーです。その工場は自社のニッティングミルと直結しているため、生地は既製の無地ボディではなく、すべて私たち専用に設計・生産されます。これにより、編みの重さやハンド、ドレープから品質管理に至るまで微調整が可能で、量産型のベーシックにはない強みが生まれます。

J.M.:ローカル生産体制のおかげで現場に密着し、工場で実際の生産を確認しながら、必要に応じて即座に調整できます。コミュニティを支えるだけでなく、あらゆるPerfectwhiteteeの製品がその名に恥じないクオリティであることを担保する、協働的で透明性の高いプロセスです。

FNW:2020年以降、130万枚以上のTシャツを販売しています。白いTシャツは今でもベストセラーですか?

J.M.:白Tシャツは今も私たちのブランドの中核です。最初から、あなたにとっての“完璧な白T”を身にまとう感覚――誰にも貸したくない、だから漂白してでもまた着たい――そんな感情がブランドの軸でした。この考え方はいまもベストセラーの原動力になっています。とはいえ、成功は一色や一型にとどまりません。白Tはあくまで基盤でありつつ、ジギー・スウェットシャツ、ブロンディー・タンク、ジョニー・スウェットパンツなど、他の定番も非常に好調です。

FNW:昨年9月、ビバリーヒルズでポップアップストアを開催しましたね。これは小売市場をテストし、近い将来の出店を検討するための方法でしたか?

L.H.:ロサンゼルスの美しい通りに空き物件が出たことを知り、テストの好機と捉えて出店しました。時期も良く、お客様にも大変好評でした。結果は非常に良かったのですが、現時点では恒久的に実店舗を増やす計画はありません。

Perfectwhiteteeのスウェットシャツとスウェットパンツ「外出用に作られた」Perfectwhiteteeのスウェットシャツとスウェットパンツ「外出用に作られた」 – Perfectwhitetee

FNW:現在の主な市場はどこですか?

J.M.:主な市場はニューヨークとロサンゼルス、次いでシカゴとダラスです。カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエルにも展開しており、日本向けのECも新たに開設しました。

FNW:ここ数シーズン、ドレスやスウェットパンツなど、他のアイテムにもコレクションを広げています。他にどのような展開を考えていますか?

J.M.:2026年春に向けた“パーフェクト・トラウザー”をローンチしたばかりで、素晴らしい反響をいただいています。2026年秋に向けては、ニットのバリエーションを広げ、アウターウェアも数型加える予定です。

FNW:キッズラインの立ち上げに興味はありますか?

L.H.:チームにも、その他の関係者にも母親がとても多く、この質問は本当によく受けます。いつか小さな子どもたち向けに何かを手がけるかもしれませんが、直近の計画ではありません。小規模なメンズコレクションは立ち上げたばかりで好調です。男性はまったくの別物で、ひとたび気に入ったTシャツに出会うと、何年もかけて複数色を買い続けてくださいます。まず最初に私たちを試してもらい、女性のお客様同様に好きになっていただくことが大切なのです。

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