「勝ちたい、じゃない。あの子になりたい」――アイドルカレッジ志柿じゅみが語る“戦闘力”の正体、仲間と高め合うアイドルの現在地 - スポニチ Sponichi Annex 芸能 - Moe Zine

【画像・写真3枚目】アイドルカレッジ“転校生”志柿じゅみ 年末までの期間限定で見せる素の笑顔「ファンと仲間に感謝を伝えたくて」(撮影・藤代梨々花)
Photo By スポニチ

 女性アイドルグループ「アイドルカレッジ」(通称アイカレ)の“転校生”として活動する志柿じゅみが、スポニチ東京本社でのソロインタビューに応じた。女性アイドルグループ「momograci(ももぐらし)」から加入した志柿が胸に秘める、ファンへの感謝とグループの未来。その静かな瞳の奥にある「戦闘力」の源泉に迫る。(「推し面」取材班)

【志柿じゅみ連載②】「もう辞めようかな」何度も心が折れた

 アイカレの強みは何か。そう問うと、志柿は「人数の多さ」と「楽曲の多さ」を挙げた。現在15人体制という大所帯が生み出すパフォーマンスの迫力。そして、120曲を超えるレパートリーが織りなす、二度と同じではないライブ空間。それが、数多のアイドルグループがひしめくシーンで、アイカレが放つ確かな輝きだ。

 その輝きを最も強く実感したのが、全国ツアーだったという。楽曲「無我夢中Days」で響き渡る「オーオーオー」というファンの掛け声。それは、心を揺さぶるには十分すぎるほどの熱量を持っていた。

 「こんなにもアイカレを愛し、声に出して好きを伝えてくださるんだなって…。どこの地方に行っても皆すごく大きい声で言ってくださるので、どこにでもついてきてくれるファンの方がいることに、いつも感動します」

 ファンの愛に触れ、胸が熱くなる。だが、ステージで滅多に涙を見せない。その理由は、今のグループが持つ「戦闘力」という言葉に集約されていた。

 「今のアイカレは、メンバー同士が『この子に勝ちたい』ではなく、『この子になりたい』と高め合える良い関係。新曲の『Owen』も、他のアイドルさんと戦えるパワーがあると思っています」。それは、馴れ合いではない、未来を見据えた健全な闘争心。グループ全体が前を向いているからこそ、感傷に浸る暇などないのだ。

 その姿勢は、自身の目標にも表れている。ダンス未経験から始まったアイドル人生。卒業までの残り2カ月余りで、習得楽曲を50曲まで増やすという個人的な目標を掲げている。

 「今は30曲。あと20曲は本当に大きな壁です。覚えるのも上手になるのも時間がかかって…あと1年ぐらいないと叶えられないかも」。そう言ってはにかむが、その目は挑戦者の光を失わない。アイカレでの活動が終了予定の年末までの限られた時間、自身の限界と静かに、そして激しく闘っている。

 ステージでこぼれる涙よりも、今は覚えるべき振り付けがある。志柿じゅみの“戦闘”は終わらない。

続きを表示

Write A Comment

Exit mobile version